朝日小学生新聞
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■親はどう頭を切り替えて子どもたちの教育に向き合えばよいか■

国語の得点をアップさせるにはどうすれば良いでしょうか。語彙を増やすなどといった根本的な問題は横においておきます。今すぐにでもできる方法です。ちょっと考えてみてください。

答えは 問題を読む ということです。多くの皆さんは「えっ」と思われるでしょう。問題を読むのは当たり前でしょ、という先入観があるからです。
子どもたちは本当に問題を読みません。これは国語に限ったことではないのです。

次の二字の漢字の熟語にふりがなを振りなさい。ただし、音読みはカタカナで、訓読みはひらがなで書きなさい。なんて問題があったら、ほぼ10人中8人は間違えます。
すべてひらがなでふりがなをふります。

とにかく、問題を読む、といった習慣づけがまったくされていないのです。ですから、読解問題などでも、・・・といった理由を十字程度で抜き出して答えなさい、とあっても、半数ほどの解答が理由ではないものになってしまいます。
理由、という言葉をしっかりと読んで、咀嚼することをほとんどしないのです。

わたしは塾の教師なので、それじゃ先生、早いとこ「問題文を読みなさい」って指導してくださいよ、という保護者の声が聞こえてきそうです。
もちろん指導をしてますよ。でも、十数年間で培われた「問題文を読まない」という習慣を直すのは並大抵なことではないのです。

日々、問題文を読もうね、といった問いかけを、あの手この手で繰り返すのが国語の指導なんです。それだけ根の深い問題です。できましたらご家庭でも、ちょっと考えて行動しようね、といった問いかけを日々重ねていただけるとありがたいです。
国語という教科は、そうしたちょっとした立ち止まりをして、ものを落ち着いてながめられる能力なんです。



神奈川県大和市の塾『宮崎教室』 塾長 宮崎智樹 (みやざき ともき)
宮崎教室 http://miyajuku.com

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