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2023年1月までの中学入試で出た時事問題(朝日小学生新聞2023年1月27日付)

ニュースへの関心をはかる


 2023年度の中学入試は2月1日から東京都内や神奈川県内にある中学ではじまり、後半戦をむかえます。関西地区の中学をはじめ、1月までに実施された入試では、どのような時事問題が出たのでしょうか。いくつかのテーマにしぼり、出題例を調べてみました。(編集委員・大島淳一)


リーダー名や位置…ウクライナ情勢は切り口が多様


 世界の動きに対し、受験生は関心をもっているか。こんな視点で取り上げられているのがウクライナ情勢かもしれません。


 大阪・関西大学第一中は「ウクライナに向けて本格的に攻撃をはじめた国」、大阪・四天王寺中は「ウクライナの大統領名」を出題。これから入試に臨むみなさんもリーダーの名前はもちろん、写真などでいま一度、確認しておくことをおすすめします。埼玉・城北埼玉中ではロシアが侵攻した国の名前をふせたうえでヨーロッパの地図を示し、位置を答えさせました。


 千葉・東邦大学付属東邦中は、ウクライナのゼレンスキー大統領が異なる国の議会でおこなった三つの演説を取り上げ、どの国に向けての話かを出題。演説にもり込まれたその国の偉人のことばや歴史的な事象から適切な国を選ぶ問題でした。埼玉・開智中はウクライナ侵攻を受け、スウェーデンとともに北大西洋条約機構(NATO)に加盟する考えを示した国を選択(フィンランド)。奈良・西大和学園中は第2次世界大戦のあとの「冷戦」の象徴とされ、1989年に市民によってこわされたものとして「ベルリンの壁」を答えさせました。


 2022年の夏にあった参議院議員選挙もよく出たテーマの一つ。千葉・国府台女子学院中学部などのように国政選挙のしくみや投票のしかたの説明を読み、正しいもの(または誤っているもの)を選ぶ問題がめだちました。奈良・東大寺学園中は選挙にかんする四つの説明を読み、正しいものを選択。「昨年夏におこなわれた参議院議員通常選挙において、選挙区選挙では一票の格差が約3倍であった」を答えさせました。


参院選や沖縄の復帰50年も


2022年は沖縄が日本に復帰(返還)してから50年の節目。このニュースをテーマにした出題もありました。埼玉・浦和明の星女子中は沖縄についての説明のなかから正しいものとして「日本にある米軍専用施設の約7割が沖縄県に集中している」を選択。埼玉・栄東中などではアメリカから返還されたときに首相をつとめていた「佐藤栄作」を記述させました。


(朝日小学生新聞2023年1月27日付)