「勉強のやり方」を教える塾、プラスティー代表の清水章弘先生が、最近の教育相談をご紹介します。第23回は「一人で計画を立てさせたい」というお悩みへの答えです。

塾の面談には、保護者のお悩みが集まります。そっと覗いてみてみましょう。今日のご相談は「一人で計画を立てさせたい」です。

「勉強のやり方」を教える塾、プラスティー代表の清水章弘です。最近の教育相談をご紹介します。子どもの力は無限大。ちょっとした「ひと工夫」でお子さんの良さを引き出してあげてください。

もう一人で勉強してほしい
【相談】
中学受験が終わり、そろそろ中学生です。これまでは私が計画を立ててきました。ここからは本人にやってもらいたいです。

まずは「自分で決める回数」を増やしていきましょう
【回答】
「経済力」と「狂気」。中学受験に必要だ、と言われる2つのものです。実際はどうでしたか。まずは大変お疲れ様でした。
僕も25年前に、中学受験を経験しています。先日、うちの母に「母さん、俺が中学受験の時、どうだったの?」とインタビューしてみたところ「アキ(章弘)は、ほんとうに勉強から逃げてばかりだったからねぇ。中学受験なんて、狂ってなきゃ、やってられないわよ」と笑いながら言っていました。25年前の母も狂っていたようです。理由は、完全に僕の怠惰さ。申し訳ない!(笑)

中学受験の後に、できる限り早く始めてほしいことは「ハンドルを移す」ということ。別の言い方で表すなら、「任せる」ということです。短期決戦の中学受験では、「親が計画を立て、それを徹底的にやらせた」というご家庭も多いはず。その場合、ハンドルは親。それが正しいかどうかは、置いておきます。

ただ、そこまではいかないまでも、ある程度は「決められたことをやり切る」ことが求められる世界でしたね。その状態から、自分でハンドルをにぎる、つまり「自分でやることを決めて、やりきる」状態に移行していかねばなりません。しかし、指示通り動くことに慣れていると、そもそも「自分で決めよう」という力が弱まっています。

そこで、まず取り組んでほしいのが、勉強以外で意思決定する回数を増やすこと。着る服、出かける際に行く場所、旅行先と現地での予定、今日の晩御飯…。どれでも構いません。お子さんが決める回数を増やしましょう。その際に、「え?でも昨日もカレーだったわよね?」とは言わない(笑)そうなると「ほら、どうせ私が決められないんだ」と、力が弱まってしまいます。

このように、お子さんが決める回数が増えれば増えるほど、親御さんご自身が、自然とお子さんに任せやすくなります。それを下地にして、少しずつ学習の計画も、本人にゆだねていきましょう。ただ、「はい、じゃあ後は一人でがんばって。計画も一人で作ってね」では少し気の毒。計画の立てる意味と、立て方だけは、ちゃんと伝えましょう。

そもそも計画を立てる意味は、3つあります。1つ目は、効率的に進めるため。やることを決めて、やる時間を決めたほうが、効率的ですからね。2つ目は、軌道修正をするため。計画がないと、計画通りに進んでいるかの確認もできませんし、進んでいない時に軌道修正をすることもできません。3つ目は、振り返るため。テストの結果が出た時に、さらには次のテストの準備をする時に、計画を残しておけば、「こうすればよかった」「次はこうしよう」を考えることができます。

次は、計画の立て方。僕は「目標達成の5つのステップ」と名付けています。目標を具体的に数字で決めた後は、以下の流れでいきましょう。1つ目は、やるべきことを書き出す。2つ目は、優先順位をつける。3つ目は、かかる時間を算出する。4つ目は、計画に落とし込む。5つ目は、やり切る。このあたりの基本をおさえた上で、自分でアレンジをきかせるようお伝えください。必要を感じたら結果ごとに親子で振り返りをし、1年くらいかけて完全に手を放してもらえたらと思います。

今日の教育相談まとめ
・中1からは少しずつ「任せる」。
・計画の立てる意味と、立て方を伝えましょう。
・1年くらいかけて少しずつ手を放していきましょう。

【プロフィール】
清水彰弘先生
清水章弘(しみず・あきひろ)
1987年、千葉県船橋市生まれ。海城中学高等学校、東京大学教育学部を経て、同大学院教育学研究科修士課程修了。東京・京都・大阪で「勉強のやり方」を教える塾プラスティーを運営している。TBS「ひるおび」やTOKYO MX「news FLAG」等でコメンテーターとしてレギュラー出演中。著書12冊。2児の父。

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