朝日小学生新聞
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■プロ家庭教師の安浪京子先生が、中学受験への親の関わり方をQ&A形式で答える連載です■

第167回は「計算の暗算はどこまですべきでしょうか」というお悩みへの答えです。

Q. 計算の暗算はどこまですべきでしょうか

A.計算の暗算には、いくつか種類・レベルがあり、暗算力を鍛えるには段階があります。最も基本的な「+-×÷」の暗算には、「筆算から卒業したいタイプ」「工夫を利用するタイプ」の2種類があります。今回は「筆算から卒業したいタイプ」を取り上げます。

まず、大前提として「6+7」「13-9」「8×7」「42÷6」といった一桁の基本的な+-×÷がスラスラ解ける必要があります。ここで苦労している場合はいきなり暗算には入らず、基本の+-×÷を徹底的に繰り返しましょう。

基本(全員共通)

『2桁の+-』 78+96、41-26など
暗算で計算させることで計算力がつきます。もちろん、まずは筆算で正解できる力が必要ですが、筆算でスラスラ解けるようならば、「2桁の+-」から暗算に移行しましょう。筆算ではおしり(一の位)から計算しますが、暗算の場合は頭(十の位)から計算する方が早く解けることもあります。

ただし、これは高学年になったら暗算で解けていれば良し。低学年のうちから暗算先取りに注力し過ぎると、かえって計算力が崩れてしまう弊害もあるので、お子さんの計算力を見極めながら取り入れていきましょう。

『2桁&1桁の×÷』 37×8、92÷4など
筆算に持ち込む子が非常に多いタイプですが、「2桁&1桁」の計算過程は複雑ではないので暗算で解きたいところ。はじめのうちは「難しい」「面倒くさい」との感想を持つかもしれませんが、計算力は筋力と同じ。このレベルの計算は鍛えれば暗算で解けるようになります。

応用(選択制)

『3桁以上の+-』 385+847、432-279
高学年には頑張って欲しいタイプですが、子どもによっては途端に正答率が下がる場合があります。その場合は、筆算で解くことをお薦めします。

『2桁&2桁以上の×÷』 28×15、364÷28
そろばん習得者は暗算でサッと解けるタイプです。筆算をしないと難しいものも当然ありますが、数字の組み合わせによっては「頭で筆算を思い浮かべて解ける」あるいは「計算方法を工夫すると簡単に解ける」ものもあります。その見極め法、工夫を利用する暗算の習得については、次回ご紹介します。

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【プロフィール】
安浪京子先生
 中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表。オンラインサイト『中学受験カフェ』https://juken-chugaku.com/ 主宰。受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、このメルマガ連載をまとめた書籍『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)、『きょうこ先生監修 中学受験合格手帳2022』など。

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