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2019年12月22日付
インターネットで知り合った中高生を誘拐するなどの事件が相次いでいます。ネットを利用する際、使い方によっては、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。イベントが増える冬休みを前に、自分自身のネットの使い方を改めて見直してみませんか。(近藤理恵)
ITジャーナリストの高橋暁子さんは、アプリやネットゲームを通して、知らない人とコミュニケーションを取る危うさを指摘します。「TikTokなど動画共有アプリのコメント機能や、ネットゲームのボイスチャットを通じて、ネットで知り合った人に名前や学校名、住んでいる場所を話してしまうことがありますが、それは危険なことです」
インターネット関連事業会社「ミクシィ」の疋田建典さんは、中学校や高校などで、ネットの安全な利用法を教える出張授業をしています。
「家の近所の情報や天候なども、場所が特定できる情報です。決して教えてはいけません。写真をアップロードする際も、電柱が写っていたり、制服姿だったりすると、場所や人物が特定される可能性があるため、注意が必要です」と疋田さん。プライベートな写真や「どこに出かける」など自身の行動を公開するリスクについて、十分に理解しなければなりません。
ネット上には、子どもをねらう悪い大人がいることを心にとめておきましょう。「成人の男性が10代の女性を装って、高校生の女の子に裸の写真を送らせた事件もあります。同性だから、年齢が近いから、と思っても決して安心はできません。もし、ネット上で知り合った人とトラブルになったり、困ったことが起きたりしたら、周りの大人に相談してください」と高橋さん。
一方で、好きな歌手やアニメ、ゲームなど、同じ趣味の人とネット上でコミュニケーションをとることが心のよりどころとなる人もいるでしょう。そして、高校生くらいになると、その趣味の「オフ会」などのイベントに参加したいと思うこともあるかもしれません。
高橋さんは「ネットが逃げ場になることもある」と言います。注意点として「イベントの参加者に必要以上の個人情報を教えない」「日中の明るい場所で開催されるものに友達など複数人で参加する」「絶対に2人きりにならない」をあげます。
疋田さんも「公式に開催されるイベントなのか、また、主催者についてもきちんと調べてほしい。個室で少人数で行われるイベントなどは避けて」とアドバイスします。
小さなスマートフォンから世界中の人とつながれます=12月、東京都渋谷区
記事の一部は朝日新聞社の提供です。