朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

9月1日―9月9日

2016年9月11日付

・覚えておきたい言葉には色をつけ、下の「KEYWORD」で説明しています。

1日 東京五輪招致「違法でない」

JOC調査チームが報告書

 2020年東京五輪・パラリンピック招致委員会がシンガポールの会社と結んだコンサルタント契約について、日本オリンピック委員会(JOC)の調査チームが報告書を公表した。支払った約2億3千万円に違法性はなく、国際オリンピック委員会(IOC)の倫理規定にも違反しないとした。
 コンサルタント会社の代表は、当時のIOCの委員の息子と関係が深いとされ、フランスの検察当局は、契約金が招致の票を集めるために使われた可能性もあるとみて捜査している。
 報告書では、この関係について日本側は知らず、金銭の使い道はわからなかったと認定した。

2日 プーチン大統領、12月に来日

北方領土解決へ協力確認

 しんぞう首相は、ロシア極東のウラジオストクを訪れ、プーチン大統領と会談した。12月15日にプーチン大統領が首相の地元・山口県を訪れることで合意した。大統領としての訪日は11年ぶりとなる。
 北方領土(えとろふ島、くなしり島、しこたん島、はぼまい群島)問題の解決に向け、平和条約を結ぶ話し合いをさらに進めていくと確認した。
 日本は極東のエネルギー開発などで協力する計画を具体的に示した。

2日 待機児童2.3万人、2年連続増

「隠れ待機」含めると9万人超

 国の設置基準を満たした認可保育施設の待機児童が4月1日時点で2万3553人いて、2年連続で増えたことがわかった。厚生労働省が公表した。施設に入れないため保護者が育児休業を延ばすなどの「隠れ待機児童」を含めると、9万人を超える。
 政府は2017年度末までに「待機児童ゼロ」をめざす。15年度中に認可保育施設の定員は10万人分以上増えたが、達成は厳しい状況だ。

3日 史上最年少のプロ棋士誕生

藤井聡太さん 14歳2カ月

 将棋の棋士養成機関「しょうれい会」に所属するふじそうさん=写真=が、史上最年少の14歳2カ月でのプロ入りを決めた。元名人のとうさん(76)の14歳7カ月を抜き、62年ぶりに記録を更新した。中学生棋士としては史上5人目になる。
 奨励会の「三段リーグ戦」で29人中1位となり、10月1日付で四段昇段(プロ入り)を決めた。

藤井聡太さんの写真
(C)朝日新聞社

3日 米中がパリ協定を締結

温暖化対策

 米国と中国が「パリ協定」を締結したと発表した。パリ協定は京都議定書に代わる、2020年以降の地球温暖化対策の国際的なルール。55カ国以上が締結し、その排出量が世界全体の55%以上になることが、発効の条件となる。排出量1位の中国と、2位の米国で合わせて約38%のため、年内に発効の可能性が出てきた。

3日 連載40年、「こち亀」最終回へ

単行本200巻で幕

 1976年から「週刊少年ジャンプ」で一度も休まず連載しているまんが「こちらかつしかかめありこうえんまえしゅつじょ(こち亀)」が、17日発売号で最終回となる。集英社が発表した。単行本も17日発売の200巻で完結する。
 型破りだが人情にあつい主人公のりょうかんきちが、東京の下町で交番勤務をしながら巻き起こす騒動を描いてきた。ドラマや映画、舞台化もされた。

4日 マザー・テレサが「聖人」に

2度の「奇跡」で認定

 インドで貧しい人たちを救済する活動に力を注いだマザー・テレサ(1910~97年)=写真=が、ローマ・カトリック教会ですうけい対象として最高位の「聖人」に正式に認定された。バチカンのサンピエトロ広場で式典が行われ、約10万人の信者らが集まって祝った。
 カトリックでじゅんきょう者以外では、死後に2度の「奇跡」を起こしたと認められると「聖人」と認定される。マザー・テレサに祈った結果、病気が治ったという人が2人いたため、認定された。

マザー・テレサの写真
(C)朝日新聞社

5日 G20閉幕

構造改革の重要性強調

 中国・こうしゅうで開かれていた主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が、首脳宣言を採択して閉幕した。首脳宣言では、世界経済は回復が続いているが「下ぶれリスクがある」とし、金融政策、財政政策、構造改革の「すべての政策手段を個別にまたは総合的に活用する」と打ち出した。また、「パリ協定」について、今年末までの発効をめざすことで一致した。

5日 ヒガシゴリラが絶滅の危機

「レッドリスト」最新版

 国際自然保護連合(IUCN)は、絶滅の恐れがある動植物を掲載した「レッドリスト」の最新版を発表した。アフリカ東部に生息するヒガシゴリラが密猟などで減っているとして、絶滅危惧きぐ種の3段階の分類で最も深刻な「絶滅危惧1A類」へと、危険度を引き上げた。生息数は20年間で70%以上減り、現在は5千頭以下とみられる。
 ジャイアントパンダは中国政府による森林保全や再生により生息数が増えており、絶滅危惧種では最も危険性が低い「絶滅危惧2類」に引き下げられた。

5日 日中関係改善へ「対話進める」

1年5カ月ぶり首脳会談

 安倍晋三首相と中国のシーチンピン国家主席が、中国の杭州で会談した。2人の会談は1年5カ月ぶり。両国の関係改善に向け、対話を進めていくことで合意した。
 東シナ海で軍事衝突にならないように、防衛当局間にホットラインを開設し、連絡を取り合う「海空連絡メカニズム」について、協議を加速していくことで一致した。せんかく諸島の周辺では、中国の公船などによる領海侵入が続いている。

■日中首脳会談の骨子
・様々な分野、レベルで対話を進めていくことで合意
・東シナ海の平和と安定を維持していくことで一致
・防衛当局間の「海空連絡メカニズム」の早期運用に向け協議加速
・東シナ海の日中中間線付近のガス田共同開発について交渉再開

尖閣諸島の位置を示した地図

5日 北ミサイル、日本の経済水域に落下

体制引き締めが狙いか

 北朝鮮は午後0時14分、朝鮮半島西側のファンプクファンジュ付近から日本海に向け、中距離弾道ミサイル・ノドン(射程1300㌔)3発を発射した。3発はいずれも、北海道・おくしり島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。
 弾道ミサイル発射は8月24日以来。中国でG20首脳会議が開かれている最中に国際社会との対決姿勢を示すとともに、キムジョンウン体制の引き締めを狙ったとみられる。

弾道ミサイルの飛行軌跡と、落下地点から奥尻島の距離を示した、日本海周辺の地図
(C)朝日新聞社

6日 未来技術遺産に「トップ」など

生活に大きな影響 新たに16件

 国立科学博物館は、重要科学技術史資料(未来技術遺産)に、合成洗剤「酵素パワーの『トップ』」や、実用パソコン「98シリーズ」の初代機など16件を新たに登録すると発表した。
 未来技術遺産は、科学技術の歴史や人々の生活に大きな影響を与えたとして、保存や活用をする資料。2008年度から登録が始まり、今年度で合計225件になる。

6日 司法試験に1583人合格

合格率22.95%

 法務省は、司法試験の合格者を発表した。6899人が受験し、1583人が合格した。昨年に比べ受験者数は1117人減り、合格者数も267人減った。合格率は22.95%で、2006年に始まった新試験制度では14年に次いで低かった。
 法科大学院修了者は1348人が合格し、合格率は20.68%だった。一方、法科大学院を経ずに受験資格を得た予備試験通過者は過去最多の235人が合格し、合格率は61.52%で、修了生を大幅に上回った。合格者の平均年齢は28.3歳。

7日 リオ・パラリンピック開幕

南米初

 南米初の開催となる第15回夏季パラリンピック・リオデジャネイロ大会が開幕した。159カ国・地域の選手と、「難民選手団」の2人をふくめた約4300人が22競技に参加。日本からは17競技に選手132人と競技パートナー15人が出場している。
 開会式は、五輪の開会式や閉会式と同じマラカナン競技場で開かれ、日本選手団も笑顔で入場した=写真。大会は18日まで。

リオ・パラリンピックで入場する日本選手団の写真
(C)朝日新聞社

7日 日韓首脳会談で北朝鮮を非難

ミサイル問題で連携

 安倍晋三首相と韓国のパク槿大統領は、訪問先のラオスで会談した。両首脳は北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射していることを非難し、連携して対応することを確認した。また、戦争中に日本の軍人らの性の相手をさせられた「あん」の問題についても議論。解決に向けた昨年末の日韓合意を実施することが大事だ、とした。

8日 東アジアサミット開催

中国抑制一致できず

 ラオスの首都ビエンチャンで、東アジアサミットが開かれた。東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、米国、中国、韓国など8カ国の首脳が参加。南シナ海の領有権問題では、中国の権利主張を否定した常設仲裁裁判所の判決について日米などが触れるにとどまり、中国の「軍事拠点化」抑制で一致できなかった。

9日 北朝鮮で核実験か

M5.3の地震を感知

 気象庁は午前9時29分57秒、北朝鮮でマグニチュード(M)5.3と推定される揺れを感知した。政府は核実験による地震の可能性が高いとした。位置は北朝鮮の北東部で、深さは0㌔。近くには北朝鮮の核実験場がある。北朝鮮は今年1月、4回目の核実験を行っている。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

パリ協定
 2020年以降の地球温暖化対策の国際的なルール。産業革命前からの気温上昇を2度未満におさえるため、今世紀後半に温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にすることをめざす。
 1997年に採択された「京都議定書」では、先進国だけが温室効果ガスの排出削減義務を負っていた。パリ協定ではすべての国が削減に加わる。

マザー・テレサ
 現在の東ヨーロッパのマケドニアで生まれ、修道女となった。「神の愛の宣教者会」を設立、病人や孤児を助ける施設をインドのコルカタ(カルカッタ)をはじめ世界各地につくった。功績をたたえられ、79年にノーベル平和賞受賞。

レッドリスト
 絶滅の恐れのある野生生物をまとめた一覧表。国際自然保護連合(IUCN)は8万2954種を評価し、そのうち2万3928種を絶滅の危機にあるとしている。

尖閣諸島
 沖縄県いしがき島の北約170㌔に位置し、うおつり島など五つの島とがんしょう群からなる無人島。石垣市に属するが、中国も領有権を主張している。

排他的経済水域(EEZ)
 沿岸から12カイリ(約22㌔)までの領海の外側で、200カイリ(約370㌔)までの海域。国連海洋法条約により、沿岸国が漁業資源や地下の鉱物資源などを独占する権利を持つ。

司法試験
 弁護士、裁判官、検察官をめざす人が受ける国家試験。法科大学院を修了した人と、予備試験に合格した人が受けられる。例年5月に行われ、9月に結果が発表される。

ASEAN
 東南アジアの10カ国で構成する地域協力機構。インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスが加盟している。

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