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2016年5月29日付
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熊本県は、地震から1カ月間の「ふるさと納税」受付額が約22億8千万円に達したと発表した。前年度1年間の24倍を超える。被災した県内の市町村も前年度を上回るペースで、新たな被災地支援の方法として注目されている。
県によると、4月18日~5月18日に1万1701件、22億8819万円が寄せられた。前年度の受付額は9386万円だった。
被災自治体への寄付者には、自治体からの「返礼品」を不要と申し出る人が多いという。
東京都の舛添要一知事=写真=は、政治資金問題について改めて謝罪した。「第三者の公正な目で見てもらう」とし、政治資金規正法に詳しい弁護士らに収支報告書の調査を依頼する考えを明らかにした。
疑惑についての具体的な説明はなく、結果を公表する時期も示さなかった。知事職は続ける考えで、「いい仕事をして都民の信頼を回復したい」と話した。
(C)朝日新聞社
政府は、内戦が続くシリアの難民を留学生として2017年から5年間で最大150人受け入れることを正式に決めた。安倍晋三首相が、首相官邸で開いた「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する推進本部で、「シリアの若者に日本への留学機会を増やしたい」と表明した。初めてシリア難民を政策的に国内に受け入れる。
台湾で、民進党の蔡英文主席(59)が総統に就任した。任期は4年。民進党は8年ぶりの政権復帰となる。
中国は台湾を自国の一部と見なしているが、台湾では近年、台湾と中国は別だとする考えが強まっていて、蔡氏の就任はこうした声の後押しを受けている。蔡氏は就任演説で「これまでの事実と政治的基礎の上に、両岸(中台)関係の平和で安定的な発展を推進する」と述べ、中国を刺激することなく、一定の「善意」を見せた。蔡氏にとっては中国と台湾の安定した関係を保てるかが課題となる。
(C)朝日新聞社
衆議院の選挙制度改革で、小選挙区の定数を6、比例区を4、それぞれ減らす関連改正法が成立した。法改正により、衆院の総定数は戦後最少の465になる。小選挙区は青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で各1減。比例区は東北、北陸信越、近畿、九州の4ブロックで各1減される。
2009年以降の衆院選をめぐる「一票の格差」訴訟で、最高裁判所は3回連続で「違憲状態」と判断。これを踏まえて、「アダムズ方式」の導入が決定された。ただ、成立した関連法は導入時期を20年の大規模国勢調査に基づくとし、実際には22年以降の衆院選から適用される。
国の文化審議会は、三越日本橋本店(東京都中央区)=写真=や、延暦寺(滋賀県大津市)など12カ所の建物を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。国宝・重要文化財の建物は計2456件、4825棟になる予定。
三越日本橋本店は増改築が重ねられており、日本の百貨店建築の発展を象徴している。
延暦寺は、仏教の天台宗を開いた最澄の墓がある浄土院伝教大師御廟など、11棟が指定されることになった。延暦寺がある比叡山一帯が織田信長に焼き打ちされた後、江戸時代前期に再建されていった時のようすをよく示しているという。
バレーボール女子のリオデジャネイロ・オリンピック(五輪)のアジア大陸予選を兼ねた世界最終予選で、日本は4大会連続の五輪出場を決めた。
21日はイタリアに敗れたが、出場権が得られる4位以内に決まった。22日はオランダに勝ち、通算5勝2敗でアジア最上位の3位で大会を終えた。
オランダを破り、喜ぶ日本の選手たち=22日、東京都渋谷区(C)朝日新聞社
大相撲夏場所14日目、全勝の白鵬が横綱対決で日馬富士を破り、1敗の大関・稀勢の里が横綱・鶴竜に敗れたため、白鵬の2場所連続優勝が決まった。白鵬は自身が持つ最多優勝回数を「37」に伸ばした。
千秋楽では鶴竜を破り、12度目の全勝を達成。自身の最多記録を更新した。
賜杯を手にする白鵬=22日、東京・両国の国技館(C)朝日新聞社
沖縄県で米海兵隊員だった米軍属の男が、女性の死体遺棄容疑で逮捕された事件を受け、中谷元防衛大臣は、カーター米国防長官と電話で協議した。綱紀粛正(規律や風紀の乱れを正すこと)と再発防止を求めて抗議した中谷氏に対し、カーター氏は「被害者と遺族に心から深い謝罪を表明し、事件の捜査に全面協力する」と答えた。
同県の翁長雄志知事を支持するグループは22日、事件に抗議するため、数万人規模の県民大会を6月にも開くことを決めた。
翁長知事は23日に安倍晋三首相と会談。在日米軍関係者について定めた日米地位協定の見直しなどを求めた。
キャンプ・シュワブのゲート前に集まった抗議集会の参加者たち=21日、沖縄県名護市(C)朝日新聞社
厚生労働省が発表した人口動態統計によると、2015年の合計特殊出生率は1.46だった。05年の1.26を底に回復傾向にあるが、14年は9年ぶりに下落。15年は前年を0.04ポイント上回ったものの、現在の人口を維持できる数値とされる2.07にはほど遠く、今後も人口は減り続けるとみられる。
(C)朝日新聞社
警察の取り調べの「可視化」を一部の事件で義務づけるなどの刑事司法改革の関連法が成立した。可視化は、逮捕された人が警察官らから取り調べを受ける様子を録音・録画し、後から検証できるようにすること。3年以内に実施される。裁判員裁判の対象事件と、検察の独自捜査事件が対象となる。
無実の人が有罪と判定されてしまう「冤罪」の防止につながると期待される一方、「容疑者が緊張して話せないのでは」と心配する声もある。
特定の人種や民族へのにくしみにもとづき、差別をあおり立てる「ヘイトスピーチ」の対策法が成立した。国や自治体に対し、標的となる人からの相談を受ける体制を整えることや、人権教育を充実させることなどを求めている。
「ヘイト」とは、英語で「にくしみ」の意味。日本では東京や大阪を中心に、在日韓国・朝鮮人や中国人を中傷するデモが活発になり、インターネットでもヘイトスピーチが広がっていることが問題になっている。
安倍晋三首相は、米国のオバマ大統領と三重県志摩市で会談した。沖縄県で起きた米軍属の男による死体遺棄容疑事件について米国側に抗議し、実効性のある再発防止策をとるよう求めた。オバマ氏は事件を受け、哀悼と遺憾の意を表明した。
沖縄県には在日米軍基地の7割以上が集中している。会談では、日米地位協定の見直しについては言及しなかったものの、日米で沖縄の基地負担の軽減に取り組む考えで、両国の首脳が一致した。
8年ぶりに日本で開く主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)が開幕した=1、2面に詳報。
日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です
ふるさと納税
2008年に始まった制度で、故郷や応援したい自治体に寄付すると、年収に応じた枠内で、寄付金のうち2千円を超える分について、所得税と住民税から減税されるしくみ。多くの自治体では寄付した人に対して「返礼品」として、特産品などを送っており、「実質2千円で豪華な品物がもらえる」などと人気が高まっている。
総務省などによると、15年度に全国の自治体が受け入れた寄付額は計1300億~1400億円ほど。前年度の3~4倍とみられている。
難民
人種や宗教の違い、政治の対立などで弱い立場になり、住んでいた場所を離れざるを得なくなった人々のこと。
紛争が続くシリアで急増し、ヨーロッパを中心に押し寄せていて、問題となっている。国連は各国に受け入れを求めているが、日本は慎重な姿勢を続けていて、2015年の難民申請数は7586人に対し、難民と認定された人はわずかに27人にとどまっている。
アダムズ方式
都道府県ごとの人口比に基づいて定数配分を決める方式。都道府県のそれぞれの人口をある数で割り、出た商の小数点以下を切り上げて定数を決める。小数点以下を切り上げるため、各都道府県には最低でも1が割り振られる。現状に当てはめると、各都道府県の定数は2以上になるという。
日米地位協定
日本にいる米軍の権限や基地の使用などのルールを定めたもので、1960年に結ばれた。公務中でない米兵らが基地の外で罪を犯したときは、日本に優先的な裁判権があると定めているが、米軍が管理する場所に容疑者が入れば、日本の検察が起訴するまで米軍が身柄を拘束できる。捜査に必要でも、日本側の判断で逮捕できない。沖縄県では米軍関係者による犯罪が相次いでおり、見直しを求める声が高まっている。
合計特殊出生率
1人の女性が一生のうちに産むと想定される子どもの数。現在の人口が維持できる水準とされる2.07と比べることで、人口の長期的増減をみる目安となる。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。