朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

6月10日-6月17日

2021年6月20日付

G7サミット 中国へ対抗姿勢示す

 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が11~13日に英国で開かれた。各国の首脳が新型コロナウイルス対策や中国への対応などをテーマに話し合った。
 13日に発表した首脳宣言では、パンデミック(世界的大流行)となった新型コロナに「打ち勝つ」と決意を表明した。新型コロナの大流行については「2022年の終息」を目標に掲げた。途上国に10億回分のワクチンを供給する。次のパンデミックを防ぐため、医薬品などの生産能力を増強し、ワクチンや治療薬の開発を100日に縮めることもめざす。
 中国と台湾の間にある台湾海峡の「平和と安定の重要性」を強調し、中国の人権問題などを指摘。G7を中心に「民主主義国家」が団結して、中国に対抗する姿勢を示した。 
 気候変動では、「石炭火力発電が温室効果ガス排出の唯一最大の原因」と明記した。排出削減の対策がされていない発電所について、新規の国際的な支援を2021年中に終了することで合意した。
 東京五輪・パラリンピックは、「安全・安心な形での大会開催を支持」と表明した。

緊急事態宣言、20日に解除

 政府は、10都道府県に出している新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言について、沖縄県を除いて期限の20日で解除することを正式に決めた。解除後、東京や大阪などの7都道府県は宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に切り替える。病床のひっぱくで宣言を延長する沖縄県とともに、来月11日まで適用する。
 すがよしひで首相は記者会見で「(感染)再拡大により、医療逼迫のきざしがみられた場合には、酒類提供の一律停止など対策強化も含め機動的に対処する」と述べた。首相会見に同席した政府の対策分科会のしげる会長は「感染のレベルを上げる要素がかなりある」とけいしょうを鳴らした。
 重点措置を適用している埼玉、千葉、神奈川の3県も、来月11日まで期限を延長する。
●五輪は観客入り開催に意欲
 菅首相は会見で、東京五輪・パラリンピックについて、国内の観客を入れての開催に意欲を示した。東京などで重点措置が解除された場合、大規模イベントの観客制限を最大1万人とする政府方針に言及。「東京大会の人数上限はこうしたルールに基づいて決定される」と語った。

10日 女性議員増へ改正候補者均等法

 政治分野での男女格差の解消をめざす「改正候補者男女均等法」が成立した。女性の候補者・議員をめぐって問題視されてきた、有権者や他の議員などからのセクハラやマタハラ(妊娠・出産をめぐる嫌がらせ)を防止する対策を、政党や国、地方自治体に求めることが明記された。16日公布、施行された。
 2018年施行の同法は、男女の候補者数はできる限り「均等」をめざすと基本原則で定める。政党には女性候補者の割合の数値目標を設定するよう求めているが努力義務にとどまる。

10日 ノーベル化学賞・根岸さん死去

 2010年にノーベル化学賞を受賞した米国・パデュー大学特別教授のぎしえいいちさんが、6日に米インディアナ州で亡くなったと、同大が発表した。85歳だった。
 根岸さんは、プラスチックや医薬品といったさまざまな有機化合物を効率的につくる反応法を編み出す研究に貢献した。

11日 性別変更選手が五輪へ 史上初

 国際重量挙げ連盟は東京五輪出場権を決める世界ランキングを確定した。競技する性別を男子から女子へ変更した、ニュージーランドのローレル・ハバード選手(43)が女子87㌔超級7位で出場権を獲得した。性別の変更を公表した選手が五輪に出場するのは、史上初めて。
 国際オリンピック委員会は、基準を設け、それを満たした選手が新しい性で五輪に参加することを認めている。

11日 非常任理事国にブラジルなど

 国連の総会は、安全保障理事会(安保理)の2022~23年の非常任理事国に、ガボン、ガーナ、アラブ首長国連邦、ブラジル、アルバニアの5カ国を選んだ。
 ブラジルは日本と並んで最多となる11回目の選出。アルバニアは初めて選ばれた。日本は前回、2016~17年に務め、次は23~24年の任期をめざしている。
非常任理事国とは
 安保理は国際平和を維持するための国連機関。構成する15カ国のうち、米国、英国、フランス、ロシア、中国の常任理事国を除く10カ国を非常任理事国という。任期は2年。

11日 改正国民投票法、3年かけ成立

 憲法改正(憲法の一部を変更する)の手続きを定める改正国民投票法が、成立した。大型商業施設に共通投票所を設置できる、投票所に入場できる子どもの対象年齢を広げるなどの7項目が、一般の選挙の決まりに合わせる形で盛り込まれている。
 法案はしんぞう政権の時に提出された。立憲民主党などは改憲に向けた環境が整うことに慎重で、成立まで3年かかった。

12日 香港民主派の周庭さん、釈放

 ホンコンで許可を得ずにデモなどをした罪できん10カ月の判決を受けた民主活動家のしゅうてい(アグネス・チョウ)さん(24)が、刑期を終えて釈放された。
 周さんは、条例を改正して犯罪の容疑者を中国本土へ引き渡すことを可能にする逃亡犯条例改正案に反対していた。香港では、国家安全維持法が昨年6月末に施行されてから、民主派議員や活動家らが次々に逮捕されている。

13日 職域接種、一部前倒しで開始

 新型コロナウイルスのワクチンを職場などで打つ「職域接種」が始まった。政府は21日スタートとしていたが、準備が整った全日本空輸は13日から、日本航空や読売新聞社は14日から前倒しして始めた。職域接種は、接種の対象となる人たちが多い市区町村の負担を軽くして、接種そのものを早く進める目的。

15日 「環境のノーベル賞」に平田さん

 草の根で環境活動に取り組む世界各地の6人に毎年贈られる今年のゴールドマン環境賞に、気候変動問題に取り組む環境NGO、気候ネットワークの国際ディレクターで理事のひらきみさん(50)が選ばれた。温暖化や大気汚染の大きな原因となる石炭問題を訴えるキャンペーンを展開してきた。
 1989年に設立されたゴールドマン環境賞は「環境分野のノーベル賞」と呼ばれている。日本人は3人目で女性は初めて。

15日 内閣不信任案、与党が否決

 立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党が菅義偉内閣への不信任決議案を衆議院に提出したが、自民、公明両党と日本維新の会の反対多数で否決された。
 不信任案は、野党側が国会会期を3カ月間、大幅に延長するよう求めたが、菅首相が拒んだため、提出された。
内閣不信任決議案
 国会として内閣を「信任しない」という意思表示をする決議案。衆議院だけに認められている。議決された時は、憲法の定めで内閣は10日以内に衆議院を解散するか、総辞職しなければならない。

16日 米ロ大統領が会談 軍備管理協議へ

 バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領が、スイス・ジュネーブで初の首脳会談をした。米ロ首脳の直接会談は2019年6月にトランプ前米大統領とプーチン氏が会談して以来となった。
 首脳会談後に共同声明を発表し、両国が新たな軍備管理協議を始めることで合意したと明らかにした。協議では、二国間の将来の軍備管理のあり方や危険を縮小する方策をさぐる。

16日 ミャンマー選手が難民申請へ

 サッカーワールドカップ(W杯)アジア2次予選に参加するため、日本に滞在していたミャンマー代表のピエリアンアウン選手(27)が、クーデターで権力を握った国軍が支配するミャンマーに帰国することを拒否し、日本政府に保護を求めた。近いうちに難民認定を申請する見通し。
 ピエリアンアウン選手は5月28日の日本対ミャンマーの試合で、国軍への抵抗の意思を示す「3本指」を掲げていた。新聞社などの取材に応じ「(ミャンマーに)帰ったら自分の命と安全に危険があるので、日本に残ることを決めた」と語った。

17日 線状降水帯の情報、発表開始

 気象庁は、短時間で集中的な豪雨をもたらす「せんじょう降水帯」の発生を伝える情報の発表を始めた。予報ではなく発生情報なので、発表時には土砂災害や河川のはんらんなどの危険が迫っている可能性が高く、住民に身を守る行動を促す効果が期待される。
 新設されたのは「顕著な大雨に関する情報」で、雨量や雨域が発表基準を満たすと、警報・注意報と同じく各都道府県を「南部」「北部」など複数の地方に分けた単位で発表する。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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