朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

3月5日―3月11日

2021年3月14日付

5日 世界の国会議員、女性25% 日本は9.9%

 国際的な議員交流団体「列国議会同盟(IPU、本部スイス・ジュネーブ)」は、2020年に世界の国会議員で女性が占める割合が平均25.5%だったとする報告書を発表した。前年比では0.6ポイントの鈍い増加にとどまり、男女同数を達成するには「50年かかる」と警鐘を鳴らしている。
 IPUによると、国会(二院制の場合は下院に相当する議会)の女性議員比率の上位3カ国はルワンダ(61.3%)、キューバ(53.5%)、アラブ首長国連邦(50.0%)でいずれも50%以上。日本は9.9%(166位)で、G7諸国では最低だった。
 

5日 ローマ教皇、初のイラク訪問

 ローマ・カトリック教会のトップであるフランシスコ教皇(84)が、歴代ローマ教皇として初めてイラクを訪問した。6日にはイラクでのイスラム教シーア派の最高権威であるシスターニ師(90)と面会した。
 イラクは国民の大半がイスラム教徒で、シーア派が多数を占める。キリスト教徒は約59万人(人口の1.5%)と少数だ。シスターニ師との対話は、イスラム世界との友好関係を深めるねらいがあるとみられる。
ローマ教皇とは
 約13億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会の最高司祭。教皇庁があるバチカン市国の元首も務める。
 

5日 井山棋聖、史上最多の9連覇

 囲碁の第45期棋聖戦七番勝負の第5局が新潟県南魚沼市で打たれ、井山裕太棋聖(31)=名人、本因坊を合わせ三冠=が、挑戦者の河野臨九段(40)に勝利しました。タイトル防衛を決め、棋聖戦史上最多の9連覇を遂げた。
 七大タイトル獲得総数も50の大台にのせ、自身の持つ最多記録を更新した。
 

6日 パラ水泳、コロナ禍初の全国大会開催

 障がいのある選手たちが競う日本パラ水泳選手権が静岡県富士水泳場で6、7日に開かれた。パラ水泳の全国規模の大会は、新型コロナウイルス感染拡大後、初の開催となった。
 東京パラリンピックの代表に内定している選手らトップスイマーたちが参加した。男子100メートルバタフライで代表に内定している東海林大選手が知的障がいのクラスでアジア記録を更新した。
 

7日 熊本地震で崩落した新阿蘇大橋が開通

 2016年4月の熊本地震で崩落した熊本県南阿蘇村の阿蘇大橋に代わり、建設が進められていた新阿蘇大橋が完成し、開通した。熊本地震で寸断した熊本県北東部の阿蘇地域の国道は、これですべてつながった。
 熊本地震では最大震度7を観測し、270人以上が犠牲になった。阿蘇大橋は国道325号の一部で、阿蘇地域と熊本市方面を結ぶ主要ルートだった。新阿蘇大橋は全長525メートルで、橋脚の高さは最大97メートル。
 

8日 谷脇総務審議官を更迭

 総務省は、省の幹部でナンバー2の谷脇康彦・総務審議官と巻口英司・国際戦略局長の2人が、NTT側から2018~20年に少なくとも計4回、計15万円超の接待を受けたとする調査の中間報告を発表した。谷脇氏を更迭(他の人と代えること)する人事も発表し、大臣官房付とした。
 2人の自己負担額は計1万5千円で、総務省は国家公務員倫理法にもとづく倫理規程で禁じられた「利害関係者による接待」にあたる可能性が高いと判断した。
 

8日 1月の景気判断「下げ止まり」から「局面変化」へ引き上げ

 内閣府が1月分の景気動向指数を公表し、景気の基調判断を「下げ止まり」から「上方への局面変化」に引き上げた。コロナ危機で昨年春に指数が急落した後、上昇基調が続いているためで、指標上、景気はすでに底を打ち、拡大に転じた可能性が高いとの見方を示した。ただ、2度目の緊急事態宣言の影響で消費が落ち込み、本格回復には遠い状況だ。
景気動向指数とは
 産業、労働、金融など、景気に深く関わる複数のデータから計算した総合的な景気指数。内閣府が毎月発表する。景気の基調判断は、直近数カ月の指数の動きに基づき機械的に決まる。
 

9日 スパコン「富岳」が本格稼働

 理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳」が、本格稼働を始めた。調整中だった昨年、スパコンの計算速度の世界ランキングで連覇を達成。既に新型コロナウイルス対策に利用されており、今後は産業応用など幅広い分野に使われる。
 富岳は先代スパコン「京」の後継機で、京の約100倍の性能を持つ。2021年度は新型コロナ対策のほか、ゲリラ豪雨の予測や新薬の開発などさまざまな研究が予定されている。
 

9日 「福島、がん増える可能性低い」と国連科学委

 2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故の被曝による健康影響を評価した報告書を、原子放射線の影響に関する国連科学委員会が公表した。報告書では、これまで福島県民に被曝の影響によるがんの増加は報告されておらず、今後も、がんの増加が確認される可能性は低いと評価した。
 科学委は欧米や日本など27カ国の科学者らで構成する。報告書は14年以来。最新の研究成果を反映して福島県民らの被曝線量を再推計し、前回の値を下方修正した。
 

9日 使い捨てプラスチック対策、新法案を閣議決定

 コンビニなどでもらえるフォークやストローなど、さまざまな使い捨てプラスチック製品の削減をめざす新法案「プラスチック資源循環促進法案」が、閣議決定された。有料化や別の素材への切り替えなどを事業者に求める。国がロゴなどを定めることで、消費者も協力しやすくする。今国会での成立をめざし、早ければ来年の春に施行される。
 プラ使用量の削減や海洋プラごみ対策が目的。全国展開するコンビニなどに対し、提供時に消費者に必要かどうか尋ねる、有料化するなどのうち、いずれかの対応を義務づける方針だ。
 

10日 東京大空襲から76年

 東京大空襲から76年を迎えた。1945年3月10日、わずか2時間半の爆撃で約10万人が犠牲になったとされる。国による本格的な研究や資料収集は行われず、民間の被害者は補償の対象外となっている。
 8日には犠牲者の名前を読み上げる追悼集会が、東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)で初めて開かれた。犠牲者名簿は都内の祈念碑に納められているが、個人情報保護などを理由に非公開とされている。今回は遺族らが企画し、了解を得られた410人の名前などが読み上げられた。
 

10日 IOCバッハ会長再選

 国際オリンピック委員会(IOC)は、オンラインで開いた第137次総会で会長選挙を行い、現職のトーマス・バッハ会長(67)を選んだ。対立候補はなく、信任投票で決まった。ドイツ出身で弁護士のバッハ会長は2013年9月、第9代会長に就いた。2期目は8月の東京五輪閉幕日の翌日から4年間。コロナ禍での東京五輪や、22年北京冬季五輪などで手腕が問われる。
 

11日 東日本大震災から10年

 東日本大震災から10年を迎えた。地震のあった午後2時46分、全国で犠牲者への追悼の祈りがささげられた。
 今年で最後となる政府主催の追悼式は、東京都千代田区の国立劇場で開かれた。新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催。天皇、皇后両陛下、菅義偉首相、遺族代表ら計約210人が参列した。
 

新型コロナ関連ニュース

●首都圏、緊急事態2週間延長
 政府は5日、新型コロナウイルス対応で東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県に出している緊急事態宣言の再延長を決定した。7日までの期限を2週間延ばし、21日までとする。
 政府の感染症の専門家らでつくる諮問委員会の尾身茂会長は「首都圏はリバウンドを起こす可能性が他の地域より高い」と指摘した。
 首都圏4都県の知事はテレビ会議を開き、今後の対策を確認した。花見や歓送迎会、卒業旅行の時期を控え、改めて不要不急の外出自粛を求め、飲食店などへの午後8時までの営業時間短縮要請を継続する。
●接種者同士はマスクなしOK
 米疾病対策センター(CDC)は8日、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人たち向けの初めてのガイドラインを発表した。ワクチン接種を受けた人同士は屋内でマスクを着用せず、人との距離を約1.8メートル以上空けるソーシャルディスタンシングも取らずに会うことができるとした。対象となるのは、必要なワクチン接種を終えて2週間を経過した人たち。
●テルモが7回接種可の注射器
 医療機器大手のテルモ(東京)は、米ファイザー製のワクチン1瓶から7回接種できる注射器を開発した。3月末から生産を始める。国内で使う通常の注射器では1瓶から5回しか接種できず、6回打てる特殊な注射器も不足している。ワクチンの供給が限られる中、接種回数をどう増やすかが課題となっている。
 一般的な注射器は針の取り外しが可能だが、今回の注射器は針と直接つながっているため、注射器内に残って無駄になる溶液を最小限に抑えられるという。
   ◇
 世界の感染者は約1億1844万人、死者は約262万人。
 日本国内で確認された感染者は44万5219人、死者は8477人(11日現在)。
 
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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