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まとめてわかる!ニュース1週間
2月3日―2月11日
2021年2月14日付
3日 森会長、「女性蔑視発言」で辞任へ
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長で、首相経験もある森喜朗氏(83)が、五輪に関わる会議で、「女性がたくさん入っている理事会の会議は、時間がかかる」などと発言した。
女性を見下している蔑視発言と批判を受け、森会長は4日、「男女の区別をするような発言をしたこと」が不適切だったと謝罪し、発言を取り消した。五輪は性別による差別を含め「いかなる差別も許さない」大会を掲げている。
森会長の発言後から8日正午までに、会場運営に関わる大会ボランティア390人が辞退したことがわかった。
国際オリンピック委員会(IOC)は9日、「森会長の発言は極めて不適切で、IOCが取り組む改革や決意と矛盾する」とする声明を発表した。
森会長は11日、辞任の意向を固めたことがわかった。後任を元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)に要請した。
4日 虐待疑い、警察の通告10万人超
虐待の疑いがあるとして、警察が昨年1年間に児童相談所に知らせた、18歳未満の子どもの数は、前年比で8738人増えて、10万6960人だった。2004年に統計を取り始めて以来、初めて10万人を超え、過去5年間で約2倍になった。警察庁が発表した。
警察は、家族や近所の住民、医療機関、学校などの通報や相談などで情報を集め、虐待を受けていると思われれば、児童相談所に知らせる。警視庁は、人数の増加は、警察による子どもの安全確認の徹底などが影響したとみている。
5日 河井案里氏当選無効、再選挙へ
2019年7月の参議院議員選挙をめぐって公職選挙法違反(買収)の罪に問われた前参院議員・河井案里被告(47)に対する懲役1年4カ月執行猶予5年の東京地方裁判所の判決が、確定した。案里氏側、検察側ともに控訴しなかった。
判決確定で案里氏は当選無効となり、公民権も5年間停止となるため、今後5年間すべての選挙で立候補できない。参院広島選挙区は再選挙となる。案里氏は選挙で票を得るためにお金を渡すなどした罪で有罪判決を受け、今月3日に議員を辞職した。
5日 2020年家計調査 家具、家電への支出増
新型コロナウイルスの感染の広がりで家庭が使うお金が減り、使い道も大きく変わった様子が、総務省が公表した2020年分の家計調査でわかった。
暮らしに欠かせなくなったマスクなど保健用消耗品は、前年比で8割増えた。家具や家電への支出も増えた。一方、レジャーや外食は減少が大きく、パック旅行費は7割減、ファッションに使うお金も減った。
7日 沖縄・浦添市長選、現職が3選
沖縄県浦添市長選が投開票され、無所属現職の松本哲治氏(53)=自民、公明推薦=が、玉城デニー知事や立憲、共産、社民、沖縄社会大衆の各党が支援する無所属新顔で前市議会議員の伊礼悠記氏(38)を破り、3選を果たした。
選挙では、米軍那覇軍港(那覇市)の浦添市への移設の是非が争点となり、容認する松本氏が勝利した。
7日 里見女流名人、名人戦防衛
将棋の第47期女流名人戦五番勝負の第3局が、千葉県野田市で指され、里見香奈女流名人(28)=清麗、女流王位、倉敷藤花と合わせ女流四冠=が、挑戦者の加藤桃子女流三段(25)に勝ち、対戦成績3勝0敗で防衛を果たした。
里見名人は、女流タイトルの通算獲得数が43期となり、清水市代女流七段(52)と並んで史上最多タイとなった。女流名人戦は12連覇で、女流タイトル戦連覇の最多記録を更新した。
8日 ミャンマー全土で抗議デモ
ミャンマーで国軍が権力を握ったクーデターから1週間。国軍に対する抗議デモが各地で続き、この日も市民らがアウンサンスーチー氏の解放などを求めて街を行進した。地元メディアによると、最大都市ヤンゴンなど全土で計10万人超が参加したという。首都ネピドーでは警察が放水してけが人が出た。
抗議デモは日本でも行われている。7日に東京や名古屋、大阪の各地で相次いであり、東京のミャンマー大使館前では、参加者たちが声や歌で抗議した。
8日 ヒマラヤ氷河崩れ洪水か 死者・不明者約200人
インド北部ウッタラカンド州で洪水が起き、同州の首相は18人が亡くなり、約180人が行方不明になっていると発表した。ヒマラヤ山脈の氷河が崩れたことが原因とみられている。
洪水があったのはガンジス川上流部の地点。下流の二つのダムを壊し、橋や住宅を流した。政府は救助活動を進めるとともに原因を調べている。氷河が崩れたことに、地球温暖化の影響を指摘する声が出ている。
8日 戸建ての液状化危険度マップ 国交省が作成呼びかけ
国土交通省は、戸建て住宅にしぼった液状化危険度マップを作る方法の素案を初めてまとめた。2011年の東日本大震災では、千葉など9都県で約2万7千戸が液状化の被害を受けた。全国の自治体に作製を呼びかけ、住民に自宅の危険度をわかりやすく伝えることがねらい。
液状化
地震が起きた時、揺れによって地盤が液体のような状態になること。建物が沈んだり、傾いたりする被害をもたらすことがある。
8日 火砕流から30年、車両掘り起こし
1991年6月3日の雲仙・普賢岳(長崎県)の大火砕流に巻き込まれて火山灰に埋まった車3台が、長崎県島原市で30年ぶりに掘り起こされた。
火砕流では43人が犠牲になり、報道関係者16人とタクシー運転手4人が亡くなったのが車が掘り起こされた付近だった。住民たちは3月、一帯を災害遺構として整え、車を保存展示する。
平成の雲仙・普賢岳噴火
1990年11月17日、198年ぶりに噴火活動を始め、火口から出た溶岩がドームを形成。ドーム崩落による火砕流や土石流が頻発し、96年6月に終息宣言が出るまで火砕流は9千回以上に及んだ。
9日 小林化工、116日間業務停止
爪水虫など皮膚病の飲み薬に睡眠導入剤が混入した問題で、福井県は、製造した小林化工(福井県あわら市)に116日間の業務停止命令を出した。法令違反は40年ほど前から繰り返され、社長ら経営陣も違法だとわかっていたと指摘した。厚生労働省によると、医薬品医療機器法違反としては、最長の業務停止処分。
小林化工によると、今月8日時点で239人が健康被害をうったえ、薬が影響したとみられる交通事故は22件起きている。
10日 「えひめ丸」沈没事故から20年
愛媛県立宇和島水産高校(同県宇和島市)の実習船えひめ丸がハワイ沖で米国の原子力潜水艦に衝突されて沈没し、生徒ら9人が亡くなった事故から20年を迎えた。同校では、「えひめ丸事故追想の日」式典があり、遺族や生存者、在校生ら265人が犠牲者を悼み、海の安全を祈った。
11日 バイデン氏と習氏が電話協議 コロナで協調姿勢も
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が、電話で協議した。バイデン氏は中国の不公正な経済の習わしや、香港への統制強化などに懸念を表明した。
習氏は中国の国家主権、領土の保全など核心的利益について、米国は中国を尊重すべきだと述べ、対立が目立った。一方、両氏は新型コロナウイルスの対応など、協力できる点も探る姿勢で一致した。
米中首脳の協議は、1月のバイデン政権発足後初めて。
新型コロナ関連ニュース
●新宿の人出、昨春の4倍
新型コロナウイルス対策を担当する西村康稔経済再生相は8日、緊急事態宣言下にある地区の主要駅の人出のデータを示した。7日(日曜)午後3時時点の人出を、最初の緊急事態宣言が出た昨年4月~5月の日曜と比べたものでは、新宿駅(東京都)や横浜駅で4倍▽梅田駅(大阪府)で5倍▽博多駅(福岡県)で3.3倍――となった。
西村氏は「油断すると、また感染が増えるということになりかねない」と、警鐘を鳴らした。
国内の新規感染者数は、10日午後8時現在で新たに1887人が確認された。1日あたり2千人を下回るのは4日連続。死者は121人増え、5日ぶりに100人を超えて過去最多。病床の逼迫は解消されない状況が続く。
●英、ワクチン副反応を報告
英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は5日、国内で接種が進む新型コロナウイルスワクチンの安全性に関する定期報告をまとめた。
約740万回の接種で、副反応が疑われた症状は2万2820件と、1千回におよそ3件だった。深刻なアレルギー反応は114件で、10万回に1~2件の割合と明らかにした。「ワクチンの安全性は高く、メリットはリスクを上回る」と結論づけた。
●WHO、英ワクチン接種推奨
世界保健機関(WHO)は10日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発した、新型コロナウイルスのワクチンの接種を推奨する見解を示した。接種の対象を18歳以上の全年齢とし、8~12週間の間隔を空けて2回接種することを勧めている。
このワクチンをめぐっては、高齢者を対象にした臨床試験(治験)のデータが限られるため、各国の判断が割れている。
●WHO「武漢研究所から」否定
中国・武漢で新型コロナウイルスの起源を調べていた世界保健機関(WHO)の調査団は9日、約2週間の調査を終えて記者会見を開いた。米国・トランプ前政権が、武漢ウイルス研究所から出たのではないかと疑っていたが、調査団は「可能性は極めて低い」とした。
調査団は、動物などを介してヒトに感染した可能性が最も高いとし、範囲を中国に限らず調査を続けたい考えを示した。
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世界の感染者は1億774万、死者は236万。
日本国内で確認された感染者は41万2091人、死者は6804人(11日現在)。
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。
