朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

12月3日―12月10日

2020年12月13日付

3日 ドコモ、新プランで大幅値下げ

 携帯電話大手のNTTドコモが、来年3月に導入する新しい料金プラン「hamo」を発表した。データ使用量20ギガバイトで税抜き月2980円。若者を主な顧客と想定している。乗り換えにかかる事務手数料も無料とし、ネットで手続きを完結できるようにする。
 すがよしひで政権が携帯業界に値下げを求めて以降、KDDI(au)、ソフトバンクを含めた大手3社が値下げを表明したことになる。競争が激しくなる半面、利用者にとっては選択肢が増えそうだ。

4日 大飯原発の設置許可を取り消し

 2011年の東日本大震災後、再稼働した関西電力の原子力発電所、おお3、4号機(福井県おおい町)の安全性に問題があるとして、近畿6府県や福井県などの住民約130人が、国の原子力規制委員会が関電に与えた設置許可の取り消しを求めた訴訟の判決が大阪地方裁判所であった。裁判長は、規制委の判断に「かんしがたい不合理がある」と述べ、許可を違法として取り消した。
 東京電力福島第一原発事故の後、設置許可の取り消しを認めた司法判断は初めて。他の原発でも安全性の見直しを迫られる可能性がある。

6日 はやぶさ2のカプセルが帰還

 小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の重力圏に帰還し、宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)が小惑星「リュウグウ」の砂が入っているとみられるカプセルをオーストラリア南部の砂漠で回収した。カプセルは8日に日本に到着した。JAXAが開封し、中身を確認する。
 月より遠い天体に着陸した探査機が帰還するのは、2010年の初代はやぶさ以来2例目。6年50億㌔にわたる探査計画だった。はやぶさ2本体はカプセルを切り離した後、新たな探査の旅へ出た。次に目指すのは地球と火星の間を回る直径30㍍ほどの小惑星で、さらに100億㌔を飛んで31年に到着する見通しだ。
はやぶさ2
 2010年に小惑星「イトカワ」の砂を持ち帰った初代はやぶさの後継機として289億円をかけて開発され、14年に打ち上げられた。小惑星「リュウグウ」に2度着陸し、史上初の人工クレーター作製などにも成功した。

6日 福岡国際マラソン、一般参加・吉田選手が初優勝

 第74回福岡国際マラソン選手権大会が福岡・平和台陸上競技場発着で開催され、一般参加でマラソン2回目のよしゆう選手(23)が日本歴代9位タイの2時間7分5秒で初優勝した。
 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、沿道での応援自粛を呼びかけて実施。海外ランナーの招待を見送るなど規模を縮小し、出場選手は昨年の458人から86人に減った。

7日 パリ五輪、ブレイクダンス採用

 国際オリンピック委員会(IOC)はオンラインの理事会で、2024年パリ五輪の実施競技と種目を正式に決定し、ブレイクダンスを初採用した。スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンも初実施となる来夏の東京五輪に続いて選んだ。
 ブレイクダンスは音楽に合わせながら体を使って表現する競技で、1対1で踊って採点で勝敗を決める。東京五輪の追加競技だった野球・ソフトボールと空手は追加候補から外れた。

8日 GDP、年率22.9%増に上方修正

 内閣府が公表した7~9月期の国内総生産(GDP)2次速報は、物価変動の影響を除いた実質で、4~6月の前期と比べて5.3%増、年率換算では22.9%増だった。算定基準を一部変更した影響もあって、11月公表の1次速報(年率21.4%増)から上方修正され、記録的な伸びがさらに広がった。
 個人消費が前期と比べて5.1%増(1次速報は4.7%増)に修正されるなど、内需の上ぶれが上方修正の主因となった。新型コロナウイルスによる危機で戦後最悪の落ち込みとなった前期からの反動で大きく伸びたが、水準で見れば、取り戻したのは前期に減った分の約6割にとどまる。

8日 日本の小4、理科の平均得点低下

 のべ64カ国・地域の小学4年と中学2年が参加した2019年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSSティムズ)で、日本の小4理科の平均得点が03年以来初めて低下した。理科の勉強が楽しいと答えた小4の割合は過去最多の92%で、学習意欲をどう学力につなげるかが課題として浮かんだ。
 中2数学は594点(前回比プラス8点)で前回に続き過去最高を更新し、順位を一つ上げて4位。中2理科は570点(同マイナス1点)で一つ下げて3位だった。
 国・地域別では、いずれの科目・学年もシンガポールの平均得点が最高。韓国、台湾、香港など東アジアが上位に目立った。

8日 小池都知事「30年までにガソリン車ゼロに」

 東京都のいけ百合子ゆりこ知事は都議会で、都内でのガソリン車の新車販売について、乗用車は2030年までに、二輪車は35年までにゼロにすることを目指すと表明した。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などへの切り替えを促すため、メーカーとも連携しながら具体的な取り組みを検討していくという。
 都は昨年末に公表した「ゼロエミッション東京戦略」で、二酸化炭素の排出量を50年までに実質ゼロとする計画を示している。


8日 菅野投手、大リーグ移籍目指す

 巨人は米国の大リーグ移籍を目指すすがともゆき投手(31)=写真=について、ポスティングシステム(入札制度)の手続きを大リーグ機構に申請し、受理されたと発表した。今季は日本記録を更新する開幕投手からの13連勝をマーク。2017、18年に続く3度目の最多勝と初の勝率1位に輝いた。
ポスティングシステム
 日本から大リーグへの移籍を望む選手と交渉する権利を、大リーグ球団が日本の所属球団から入札で得る制度。選手は交渉する球団を選べない。

9日 75歳以上、医療費2割負担へ

 75歳以上の医療費の窓口負担見直しをめぐり、政府・与党は新たに2割負担となる所得基準について「単身世帯の年金収入で200万円以上」を軸とすることで大筋合意した。対象者数は約370万人。
 75歳以上の高齢者は約1815万人。いまの窓口負担は原則1割で、現役並み所得(単身で年収約383万円以上)の約130万人が例外的に3割を負担している。
 

9日 レジ袋、72%の人が店頭で辞退

 プラスチック製レジ袋の有料化をすべての小売店に義務づけた結果、過去1週間でレジ袋を店頭で受け取らなかった人が72%に達し、94%の人がマイバッグを持っていることがわかった。環境省が公表した。
 11月下旬、北海道や関東、九州などに住む15~79歳の男女を対象に2千人規模のウェブ調査をした。7月の義務化前の今年3月の辞退率は30%。環境省は義務化で年内に60%にする目標を掲げていた。
 辞退率が最も高かった年代層は60代以上で84%。最も低かったのは20代の57%だった。
 

9日 反トラスト法違反でFBを提訴

 米国の連邦取引委員会と計48の州・特別区などの司法当局は、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで米フェイスブック(FB)をワシントンの連邦地方裁判所に提訴した。FBが2012年に写真投稿アプリ「インスタグラム」、14年にメッセージアプリ「ワッツアップ」を買収したことについて、ライバル企業を取り込んで競争をはばむ行為だと断定。これら二つの事業の分離も視野に入れたせい措置を求めた。
 米司法省が10月にグーグルを反トラスト法違反で提訴したのに続き、当局側が巨大IT企業への規制強化を狙う大きな節目となる。

10日 オンラインでノーベル賞授賞式

 ノーベル賞の授賞式が開かれた。今年は新型コロナウイルスの流行により、オンライン形式での開催。受賞者は各国でメダルなどを受け取った。
 平和賞を受賞した国連世界食糧計画(WFP)は、団体を代表してビーズリー事務局長がWFPのローマ本部から参加。「戦争や気候変動、飢えの政治的・軍事的な利用、パンデミックのために2億7千万人が飢餓に近づいている。対応できなければ飢餓のパンデミックが起きる」と危機感を示した。

新型コロナ関連ニュース

●旭川市に自衛隊医療支援
 北海道は8日、あさひかわ市で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、医療体制が危機に陥ったことから、政府に自衛隊の災害派遣を要請した。陸上自衛隊が9日、クラスター(感染者集団)が発生した病院や障がい者施設に入り、医療支援を始めた。看護師や准看護師の資格を持つ看護官ら2チーム計10人が、今後2週間にわたって活動する。
 大阪府のよしむらひろふみ知事も同様の派遣を要請していて、防衛省は調整を続けている。ただ自衛隊側の医療人材にも余力は乏しく、医官(医師)と看護官(看護師)はそれぞれ約1千人いるが、コロナの患者を受け入れている各地の自衛隊の病院で対応などに追われている。
●追加経済対策に73兆円
 政府は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた今年度3回目となる経済対策を閣議決定した。国の直接の支出は30.6兆円、財政投融資などを加えた財政支出は40.0兆円となり、民間が使うお金も含めた総額の事業規模は73.6兆円に上る。
 対策は3本柱で、事業規模は新型コロナの感染防止策が6兆円▽コロナ後に向けた経済構造の転換と好循環の実現が51.7兆円▽国土きょうじん化のための公共事業が5.9兆円。菅義偉首相は今回の対策により、国内総生産(GDP)を3.6%程度押し上げる効果を見込んでいる。
 観光支援策「Go To トラベル」と飲食店支援策「Go To イート」は来年6月末まで延長する。
●英でワクチン接種開始
 新型コロナウイルスのワクチンの接種が英国で8日始まった。感染すると重症化のリスクが高い80歳以上の高齢者や介護施設の職員、医療従事者らが最初の接種対象。当面は80万回分を確保し、各地の拠点病院で接種を進める方針だ。
 ワクチン接種はロシアや中国で一部始まっているが、日本に供給が予定されているワクチンでは初めて。大規模な臨床試験(治験)の結果を踏まえて承認されたのも、世界で初となる。
   ◇
 世界の感染者は約6948万人、死者は約158万人。
 日本国内で確認された感染者はクルーズ船の723人を含め17万3277人。うち退院者は14万3665人(10日現在)。
 
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。
 

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る