朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

10月14日―10月22日のニュース

2020年10月25日付

16日 授業で風刺画使用の教員殺害される フランス

 フランス(仏)・パリ近郊の中学校近くで、この学校の男性教員(47)が遺体で見つかり、仏検察の対テロ部門が捜査を始めた。教員を殺害したとみられる男(18)は、治安当局に射殺された。
 教員は今月上旬、授業で表現の自由を取り上げた際に、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を生徒たちに見せた。イスラム教徒にとっては、ムハンマドの風刺は許しがたいことで、教師は事前に「必ずしも見る必要はない」と生徒たちに伝えていたという。
 18日にはパリやリヨンなど仏の各都市でついとう集会が開かれた。

16日 iPSで「視細胞」、患者に移植

 兵庫県神戸市立神戸アイセンター病院が、iPS細胞からつくった「視細胞」の組織を、失明のおそれがある網膜の病気の患者1人に移植したと発表した。安全性の確認が主な目的で、移植した網膜組織が拒絶されないか、しゅようができないかを1年かけて評価する。
 iPS細胞を使った目の病気への臨床研究は3種類目。
iPS細胞とは
 体の様々な細胞や組織になる能力を持つ万能細胞の一つ。人工多能性かん細胞ともいう。けがや病気で傷ついたり失われたりした組織の細胞をつくり、治療する「再生医療」などに役立つと期待される。


18日 「鬼滅の刃」封切り3日で46億円の興行収入

 アニメ映画「劇場版『めつやいば』無限列車編」が16日に全国403館で封切られ、週末3日間だけで約342万人の観客を集めた。興行収入は約46億2311万円。配給会社によると、16日の観客数と興行収入が平日の歴代1位、17~18日は同じく土日の歴代1位となった。

 19日 ASEANとの連携強化を表明 菅首相が初の外遊

 初めての外遊でベトナムを訪れていたすがよしひで首相が、首都ハノイで東南アジア諸国連合(ASEANアセアン)に向けて演説した。巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国の海洋進出を念頭に、南シナ海の緊張を高める行為に反対する立場を改めて示し、ASEANとの連携を強めるとした。ASEANが昨年示したインド太平洋に関する展望について、日本の外交方針「自由で開かれたインド太平洋」構想と共通点があるとして支持した。
 初外遊ではこの後、インドネシアも訪問した。
「自由で開かれたインド太平洋」構想
 国際ルールを守ることや航行の自由といった価値観を共にする国々との連携を広げ、地域の繁栄と安定を進めるという考え方。2016年にしんぞう前首相が発表。菅政権が引き継いでいる。

19日 中国のGDPが4.9%増える 感染対策後に急回復

 中国が発表した2020年7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、前年同期比で4.9%増えた。新型コロナウイルスの感染が広がった1~3月期は前年同期比で6.8%減。統計を取り始めて初のマイナスだったが、厳しい感染対策が成果を上げ、その後は急回復している。

19日 東京五輪にサイバー攻撃?

 英国の外務省は、ロシア軍の情報機関が東京五輪・パラリンピックの来年夏への延期が決まる前に、大会関係者や関係組織にサイバー攻撃を仕掛けていたと発表した。詳細は明らかにしていない。ロシアは「一度もしたことはない」と関与を否定。東京五輪の大会組織委員会は攻撃があったかどうかには触れず、「業務に影響するような被害はない」としている。
サイバー攻撃とは
 インターネットを通じて、コンピューターやシステムに不正に侵入し、データを盗んだり破壊したり書き換えたりすること。

20日 菅首相、初の所信表明へ

 政府は、臨時国会を26日に召集することを閣議決定した。会期は12月初旬までの40日程度となる見通し。菅義偉首相の就任後、国会で本格的に議論を戦わせるのは初めて。開会日に菅首相が、政治の方針を訴える所信表明演説をする予定。
臨時国会とは
 毎年1回、1月に召集される通常国会(憲法ではじょうかい)に対して、内閣が必要と認めた場合などに臨時に開かれる国会。憲法では「臨時会」という。

20日 学校の連絡も「脱はんこ」

 学校の連絡手段を「紙」から「デジタル」にし、はんこを省くようにと、文部科学省が全国の教育委員会や都道府県に通知した。保護者や教員の負担を減らす狙いがある。
 現在、多くの学校では、行事への参加申し込みやアレルギーの確認などをプリントで知らせ、必要があれば保護者にはんこを押してもらっている。今後はインターネット上でアンケートや欠席連絡をするなど、デジタル化が進みそうだ。

20日 米国版はやぶさ、小惑星に着陸

 米国版「はやぶさ」とも言われる探査機「オシリス・レックス」が、地球から3億2千万㌔離れた小惑星ベンヌへの着陸に成功した。米航空宇宙局(NASAナサ)が発表した。地表の砂を採取し、2023年秋に地球に持ち帰る予定。

20日 米司法省がグーグルを独占禁止法違反で提訴

 米国の司法省は、IT企業の米グーグルが検索や検索広告での独占的な地位を使って競争をはばんだとして、ワシントンの連邦地方裁判所に反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴した。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載するスマートフォンに、自社の検索アプリを標準設定させる取り決めをし、競争企業を排除したなどとしている。
 

21日 首都圏のJR17線、来春から終電繰り上げ

 JR東日本は、来春のダイヤ改定で、首都圏の在来線の17線で終電時刻を繰り上げると発表した。繰り上げ幅は最大37分程度。一律に終電時刻を早めるのは、1987年の同社発足以来、初めて。
 新型コロナウイルスの影響で深夜の乗客が減ったことに加え、保守作業の時間を確保して、作業の効率化と働き方改革を進めるためだとしている。

21日 AIなど世界で8500万人の職奪う

 新型コロナウイルスへの対応で、職場への人工知能(AI)やロボットの導入が進み、今後5年間に世界で8500万人の雇用が奪われる――。そんな予測を盛り込んだ報告書を、世界経済フォーラムが発表した。
 最も需要が減る職種はデータ入力係。役員秘書、給与会計係が続いた。一方、最も需要が高まる職種はデータ解析。AIやビッグデータの専門家といった、AIやロボットなどの導入に対応する役割で、9700万人の雇用を生む可能性があるという。
 また、働き手には、分析して思考する力や、創造性・柔軟性がより求められるとしている。

新型コロナ関連ニュース

●フランス、4週間の夜間外出禁止令
 フランスのマクロン大統領は14日、新型コロナウイルスの感染悪化が止まらないとして、パリなど九つの都市圏で17日から少なくとも4週間、夜間外出禁止令を出すことを明らかにした。違反者には135ユーロ (約1万7千円)の罰金を科し、繰り返せば1500ユーロ (約18万5千円)を科す。フランスでは10日に約2万7千人が感染。1カ月前から3倍以上に増えた。
●プロ野球の満席実験を了承
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は15日、プロ野球の試合を満席に近い状態で行う、政府や企業などによる検証実験を了承した。会場となる横浜スタジアム(横浜市)は来年夏の東京五輪にも使われ、五輪を見据えた実験となる。10月30日~11月1日の横浜DeNAベイスターズ―阪神タイガースの3連戦で実施。収容人数約3万4千人に対し、8割から始め、最終的に満席にする計画という。
●アビガン承認を国に申請
 新型コロナウイルスの治療薬候補「アビガン」について、富士フイルム富山化学が16日、厚生労働省に製造販売の承認を申請した。今後、厚労省が審査する。11月にも承認される見込み。承認されれば、日本で開発された薬としては初となる。ただ、動物実験で胎児に奇形が出るおそれがあるとわかっており、妊娠中やその可能性のある女性らには使えない。
●感染者差別なくすプロジェクト 文科省
 新型コロナウイルスに感染した人たちへの差別や偏見をなくそうと、文部科学省が学校向けの動画や教材、ポスターなどを作った。病気、不安、差別を「三つの感染症」とし、それらの連鎖を断ち切る方法を考えさせる内容。動画の一部はユーチューブで公開し、教材などは利用を希望する学校に届ける。
  ◇
 世界の感染者は約4158万人、死者は約113万5千人。日本国内で確認された感染者はクルーズ船の723人を含め9万6083人。うち退院者は8万8325人(22日現在)。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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