朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月22日―7月30日

2020年8月2日付

新型コロナ 収まらない感染、岩手・離島にも

●国内感染者 累計3万人超える(7月26日)

 国内の新型コロナウイルスの感染者は7月26日、新たに836人が確認され、累計で3万人を超えた。都市部だけでなく、人口約5千人の離島・ろん島(鹿児島県与論町)で累計34人など、各地で感染が広がっている。

●在宅勤務7割「再徹底を」(26日)

 新型コロナウイルス感染症対策を担当する西にしむらやすとし経済再生相は26日の記者会見で、テレワーク(在宅勤務)や時差出勤をはじめとした感染防止対策の再徹底を、近く経済界に求める考えを示した。企業でのテレワークの取り組みが一時より減ったとして、「ぜひテレワークを後戻りすることなく、時差出勤も(合わせ)多様な働き方を推進してほしい」と述べた。同日夜には自身のツイッターに、経済界に要請する項目として「テレワーク7割・時差通勤、大人数の会食を控える」などと投稿した。

●GoToトラベル割引での販売開始(27日)

坊っちゃん列車の写真
「Go To」が始まり、「坊っちゃん列車」再開に人が集まった=7月23日、愛媛県松山市
(C)朝日新聞社

 政府の観光支援策「Go To トラベル」の対象となる旅行商品について、一部の旅行会社が27日、割引価格での販売を始めた。これまでは割引前の価格で購入した後、割引分を返してもらう手続きが必要だったが、この手間がいらなくなる。ただ、いまも準備が整っていない事業者は多い。

●感染、初の1000人超 岩手で初確認(29日)

 新型コロナウイルスの国内の感染者は29日、新たに1264人が確認された。1千人を超えるのは初めて。岩手県で初となる新規感染者が確認され、感染者ゼロの都道府県はなくなった。このほか、大阪や愛知、福岡、沖縄など9府県で、1日あたり過去最多の感染者を更新した。感染経路がわからない人や重症者も増えている。

●都、酒提供店などに「夜10時まで」要請(30日)

 東京都は30日、過去最多の367人の新たな感染者を確認した。いけ知事は臨時記者会見で、都内全域の酒類を提供する飲食店と、全カラオケ店を対象に8月3~31日、営業時間を午後10時までに短縮するよう要請。全面的に要請に応じた中小事業者に協力金20万円を支給する。


 世界の感染者は約1722万人、死者は約67万人。
 日本国内で確認された感染者はクルーズ船の723人を含め3万5604人。うち退院者は2万4838人(7月30日現在)。

22日 最低賃金、上げないと結論

厚労省の審議会

 最低賃金の今年の改定について、厚生労働省の審議会は「現行の水準を保つのが適当」という答申をまとめた。引き上げ額の目安を示さないのは、世界的な経済危機「リーマン・ショック」があった翌年の2009年以来、11年ぶり。過去4年は毎年、約3%のペースで引き上げてきた。今年は新型コロナウイルスの影響が大きく、引き上げの目安を示すのは難しいとした。

最低賃金
 会社などが労働者に支払う1時間あたりの賃金で、最も低い額。この賃金を下回る場合、罰則がある。審議会の結論を参考に、都道府県ごとに決める。

23日 中国の火星探査機、発射成功

人類が生活できるか探る

 中国で、火星探査機「てんもん1号」をのせた大型ロケットが打ち上げられた。天問1号は中国が初めて火星への着陸をめざす無人探査機。来年2月にも着陸を試みる。
 国営中央テレビによると、天問1号は火星の軌道を回る周回機と、地表を走る探査車を搭載した着陸機で構成。探査車は高さ1.85メートル、重さは約240キロ。
 中国当局は探査の主な目的として、火星の地質や気候などの調査をあげる。火星には氷や大気があり、将来的に人類が生活できるかどうか可能性を探る狙いもある。

24日 在ヒューストン中国総領事館が閉鎖

スパイ活動の疑いで 中国も報復

 米テキサス州ヒューストンにある中国総領事館が閉鎖された。スパイ活動と知的財産を盗み取ったことを理由に、米政府から閉鎖を命じられていた。
 米司法省高官は同日、ヒューストンの中国総領事館の職員が、研究機関に所属する研究者たちに対し、情報収集を指示していたと明らかにした。
 一方、中国・せんせいにある米国総領事館が27日、中国政府の要求により閉鎖された。中国外務省は、ヒューストンの中国総領事館が先に閉鎖されたことへの報復措置として正当な対応だと強調しており、対立は一層強まりそうだ。

閉鎖された米国総領事館の写真
閉鎖された米国総領事館=27日、中国・四川省成都
(C)朝日新聞社

24日 筒香選手、デビュー戦で本塁打

米メジャーリーグ

 23日に開幕した米・大リーグで、プロ野球Deディーエヌエーから移籍1年目のレイズつつごうよしとも選手(28)=写真=が、ブルージェイズ戦に3番三塁で初出場し、五回の第3打席で2点本塁打を放った。2死一塁から外角球を左中間へはじき返し、主軸起用に応える一発でメジャーデビューを果たした。
 西武から移籍したレッズあきやましょう選手(32)は、タイガース戦の六回に代打で出場し、メジャー初打席でセンター前にタイムリーヒットを放った。

筒香嘉智選手の写真
(C)朝日新聞社

26日 やまゆり園事件から4年

遺族「風化させない」

 神奈川県相模さがみはら市の障がい者施設「やまゆり園」で利用者19人が殺害され、26人が重軽傷を負った事件が、発生から4年を迎えた。建て替え工事が進む園舎前では花束がけられ、多くの人が犠牲者をいたんだ=写真。
 この事件では3月、「生産性のない命には価値がない」と主張したうえまつさとし死刑囚(30)に対する判決が確定した。事件で重傷を負ったかずさん(47)の父、たかさん(76)は「植松死刑囚が死刑になっただけではあっという間に風化が進んでしまう。事件のことをもっといろいろな人に話さないと」と語った。

園舎前で花束を手向け、多くの人が犠牲者を悼むようすの写真
(C)朝日新聞社

27日 避難「指示」に一本化へ

政府、「避難勧告」を廃止

 政府は、災害時に市町村が出す避難情報のうち「避難勧告」を廃止し、「避難指示」に一本化する方針を固めた。二つの区分の違いが分かりにくいとの意見があったためだ。内閣府で今後、新たな案を取りまとめ、国会に災害対策基本法の改正案を提出する構え。
 避難勧告と避難指示は1961年に同法で規定された。現在の内閣府の指針では、避難勧告は、避難に必要な時間などを考慮して前もって発令される情報。避難指示は、災害発生の切迫度が高まって住民に重ねて避難を促す場合などに自治体が出す。
 昨年5月、避難情報などを5段階の危険度で示す「警戒レベル」が導入された際、勧告・指示とも上から2番目のレベル「4」に位置づけられた。

警戒レベルの一覧表
(C)朝日新聞社

27日 Jリーグ観客数制限8月末まで

公式戦再開後、初の選手感染も

 サッカー・Jリーグは、観客5千人または収容率50%のうち少ない方を上限とする開催制限を8月末まで延長すると決めた。政府方針に沿うもの。同日、日本野球機構との新型コロナウイルス対策連絡会議があり、試合直前にチーム内に感染者が出た場合の対応について、ガイドラインの見直しを確認した。
 JリーグはJ1名古屋の選手らの感染が判明したため、26日の広島―名古屋戦を中止とした。6月下旬の公式戦再開後、新型コロナウイルスの影響で試合が中止となるのは初めて。

28日 星出さん、民間宇宙船でISSへ

「新時代の到来、肌で感じる」

 宇宙飛行士のほしあきひこさん=写真=が、来年春ごろ打ち上げ予定の米国の民間宇宙船に搭乗することになった。宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)が発表した。
 スペースX社の宇宙船クルードラゴンで国際宇宙ステーション(ISS)に向かい、半年ほど滞在。わかこういち宇宙飛行士に次いで、日本人として2人目となるISS船長を務める予定。
 星出さんは「今回新しい技術やコンセプトで開発された民間宇宙船に搭乗できることは楽しみでもあり、同時に新しい時代の到来を肌で感じている」とコメントした。

星出彰彦さんの写真
(C)朝日新聞社

28日 東北・新潟で記録的な大雨

山形では最上川が氾濫

 停滞する梅雨前線と低気圧の影響で、東北や新潟県などで記録的な大雨となった。気象庁によると、24時間降水量は山形県なが市で206.5ミリにのぼるなど、各地の観測点で観測史上最大を記録した。
 各地で土砂崩れや道路の冠水などが相次いだ。山形県を流れるがみ川がはんらんするなど、複数の河川があふれ、住宅に浸水被害が出た。

氾濫した最上川流域の写真
氾濫した最上川流域=29日
(C)朝日新聞社

29日 「黒い雨」訴訟、原告側が勝訴

広島地裁 区域外も被爆者と認定

 広島への原爆投下後に降った「黒い雨」で健康被害を受けたのに、広島市や広島県から被爆者健康手帳の交付を受けられなかったのは違法だとして、手帳の交付などを求めた訴訟の判決が広島地方裁判所であった。裁判長は原告側の主張を認め、84人全員への手帳の交付を命じた。
 市や県に手帳交付を委託する国は、原爆投下直後の調査で黒い雨が激しく降った「大雨地域」に限って援護対象とする。その他の地域の人を被爆者援護法上の「被爆者」と認めた司法判断となった。

黒い雨
 広島に原爆が投下された後、すすなどを含む黒い雨が降った。1945年の調査をもとに、国は76年、大雨地域にいた人に限って健康診断を無料で受けられるようにした。

黒い雨が降った地域と援護区域を示した地図
(C)朝日新聞社

29日 メッカ大巡礼、国外受け入れず

サウジのイスラム教聖地

 イスラム教最大の聖地、サウジアラビアのメッカを信者が訪れる年1回の「ハッジ」(大巡礼)が始まった。今年は新型コロナウイルスの影響で、国外からの巡礼者は受け入れず、人数を大幅に制限するなど異例の対応をとる。国外からの受け入れ中止は、1932年の建国以来初めてとみられる。

ハッジ(大巡礼)
 イスラム教徒が果たすべき五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)の一つ。財力や体力がある信徒は、一生に一度は巡礼することを課されている。毎年、世界各地から200万人以上が訪れる。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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