朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月8日―7月16日

2020年7月19日付

新型コロナ 感染拡大警戒の中、消費喚起も

●「Go Toトラベル」前倒し、東京を除外

 新型コロナウイルスの影響で急減した消費をかんする政府の「Go To キャンペーン」のうち、観光分野を支援する「Go To トラベル」について、あかかずよし国土交通相は10日、7月22日から一部を先行して始めると発表した。まず旅行代金の割引から行い、旅行先での飲食や買い物に使えるクーポン券の発行は9月からとする。
 政府は16日、「Go To トラベル」について、東京都民と都内への旅行を対象外としたうえで、22日から実施することを決めた。当初、全国一律で始める予定だったが、東京の感染者数が増えていることなどから方針を転換した。

●沖縄・米軍基地で集団感染(11日)

 沖縄県は11日、県内にある米軍基地で、7日からの5日間で米軍関係者計61人が新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした。感染者が出たのはてん飛行場(わん市)とキャンプ・ハンセン(町など)、米軍まきみなと補給地区(キャンプ・キンザー、うらそえ市)の3カ所。
 その後も感染者数は増え、県によると16日現在、米軍関係の感染者数は計134人となった。

新型コロナの感染者が出た米軍基地の地図

●世界の新規感染者、最多23万人(12日)

 世界保健機関(WHO)は、世界の新型コロナウイルスの新規感染者数が12日に23万超にのぼり、過去最多になったと明らかにした。新規感染者のうち、米国とブラジルが約半分を占める。

●国立大 出題範囲は各大学の判断で(13日)

 コロナによる長期休校で学習に遅れが出た高校生がいるため、文部科学省が各大学に今年度に行う入学試験で配慮を求めたことを受け、国立大学協会は13日、一般選抜(2次試験)の出題範囲について、「必要な措置を最大限講じ」ることを求めながらも、具体的な対応は各大学の判断に任せることを決め、発表した。
 一方、高3で学ぶことが多い地理歴史・公民や理科などについては、来年1月の大学入学共通テストの成績の2科目活用は変えないと表明。ただし、新型コロナウイルスに感染するなどして、2月25日以降に行う一般選抜の前期日程や3月12日以降の後期日程を受けられなかった受験生のために、3月22日以降に追試を行う方針を示した。各国立大は今後、今回の方針にのっとって試験の概要を決め、今月中に発表する。

国立大の主な入試日程表

●感染者増、都は警戒レベルを最大に(15日)

 新型コロナウイルスの対策について厚生労働省にアドバイスする専門家組織の会合が14日、開かれた。感染者数は全国的に増加傾向で、感染経路が分からない人も増えているため、注意が必要だとしている。
 一方、東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、都は15日、感染状況について、専門家による評価に基づいて設定する警戒レベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。
 東京都は16日、新型コロナウイルスの感染者が新たに286人確認されたと発表した。1日あたりの感染者数としては10日の243人を上回り、過去最多。都内の感染者数は8日連続で100人を超えた。


 世界の感染者は約1374万人、死者は約58万人。
 日本国内で確認された感染者はクルーズ船の723人を含め2万4443人。うち退院者は1万9473人(16日現在)。

8日 河井夫妻を起訴

公職選挙法違反で

 参議院議員のかわあん容疑者が初当選した昨年7月の参議院議員選挙をめぐる買収事件で、東京地方検察庁特別捜査部は、夫で前法務大臣の衆議院議員、かつゆき容疑者を公職選挙法違反の罪で起訴した。票の取りまとめを頼むために、地元議員ら100人に計約2900万円の現金を渡したとされる。案里議員についても、このうち5人に対する計170万円の買収罪で起訴した。

河井克行容疑者の写真
河井克行容疑者

河井案里容疑者の写真
河井案里容疑者
どちらも(C)朝日新聞社

9日 石炭火力発電、輸出要件を厳格化

政府のインフラ戦略

 政府は、石炭火力発電を輸出する際、相手国の脱炭素化に向けた方針を確かめられない場合は原則として公的支援を行わないなど、要件を厳格にすることにした。日本のインフラ輸出戦略を決める「経協インフラ戦略会議」を開き、正式に決定した。石炭火力の輸出に国際的な批判が強まる中、国内の石炭火力政策に対する影響をねんし、輸出禁止までは踏み込まなかった。
 昨年12月に開かれた第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COPコップ25)では、グテーレス国連事務総長が「石炭中毒」という強い表現で石炭火力からの脱却を呼びかけていた。

10日 プロ野球とサッカーJ2に観客

8月1日からさらに緩和か

 プロ野球とサッカーJリーグのスタジアムの観客席に、サポーターやファンが戻った。新型コロナウイルスの感染対策として政府が示すガイドラインにもとづいて、5千人または最大収容数の50%のうち、少ない方の人数を上限に観客を入れての開催がスタートした。
 プロ野球はZOZOゾゾマリンスタジアム(千葉市)などで5試合、JリーグはJ2岡山―北九州の1試合がシティライトスタジアム(岡山市)で行われた。入場時の検温が義務化され、使用する座席の間隔を空けた。
 8月1日からは入場者数の上限をさらに緩める方針だが、感染状況を注意深く見ながら、7月20日前後に判断するという。

井上晴哉選手の本塁打を喜ぶロッテファンの写真
ロッテ―西武戦で、井上晴哉選手の本塁打を喜ぶロッテファン=10日、千葉市のZOZOマリンスタジアム
(C)朝日新聞社

10日 アヤソフィアをモスクに

トルコ 世界遺産

 トルコの最大都市イスタンブールの世界遺産アヤソフィア=写真=をめぐり、トルコの裁判所は「イスラム教礼拝所(モスク)から博物館に変えた1934年の政府決定は無効」との判断を出した。エルドアン大統領は直後にアヤソフィアをモスクに戻す命令を出した。政治と宗教を分けるこれまでの考え方から一転。イスラム勢力が勢いを増すとみられる。
 アヤソフィアはビザンツ帝国時代の537年にキリスト教会として建てられたが、1453年にイスラム教のオスマン帝国がモスクに改修。その後、トルコ共和国の「建国の父」アタチュルクが、無宗教の博物館とした。

世界遺産アヤソフィアの写真
(C)朝日新聞社

11日 池袋暴走、現場そばに慰霊碑

事故のない未来へ

 東京都しま区で昨年4月、高齢者の車が暴走して12人が死傷した事故を受け、亡くなった母子をいたれいが現場そばの公園に建てられ、除幕式が行われた。式典で遺族のまつながたくさん(33)は「慰霊碑を見て、事故のない優しい社会にしたいと思ってもらえれば」と話した。
 慰霊碑は2メートル四方の台座の上に、数字のゼロをモチーフに事故根絶を願う球体がのったデザインで、事故のない未来へのつぼみを表現している。

慰霊碑のそばに立つ松永拓也さんの写真
慰霊碑のそばに立つ松永拓也さん=11日
(C)朝日新聞社

11日 羽生結弦選手に最優秀選手賞

ISUスケーティング・アワード

 国際スケート連盟(ISU)は、新設した「ISUスケーティング・アワード」の受賞者を発表した。最優秀選手賞に、昨季のグランプリ(GP)シリーズで2勝した羽生はにゅうづる選手(25)=写真=が選ばれた。
 オンラインで行われた表彰式に参加した羽生選手は、競技に臨む姿勢について「プレッシャーを感じるからこそ、強くなっていける。大きな期待に応えたい、100%ではなく、120%で応えたいと常に考えています」と話した。

羽生結弦選手の写真
(C)朝日新聞社

12日 香港民主派予備選、61万人が投票

香港政府は国安法違反調査へ

 9月のホンコン立法会(議会)選挙に向け、民主派の候補者を絞り込む予備選挙が行われた。香港政府が香港国家安全維持法(国安法)にふれる可能性があると警告するなか、投票者数は主催者目標(17万人)の3倍を超える約61万人に達した。
 予備選は、民主派が立法会選で支持票が分散するのを避けるために実施し、51人が立候補。各候補者は「予備選で民意を示そう」などと訴えた。
 一方、香港政府は13日、民主派が行った予備選について、「国安法違反の疑いがある」として調査を進めていることを明らかにした。立法会選の届け出は18日にスタート。国安法違反と認定された候補者はてきはつされ、出馬が認められなくなる可能性がある。

13日 「火球」の隕石発見

千葉県習志野市で

 国立科学博物館は、2日未明に関東上空で目撃されたきゅうの一部が千葉県なら市でいんせきとして見つかったと発表した。落下の衝撃で二つに割れており、それぞれ63グラムと70グラム。合わせると横幅が5センチほどだった。今後、国際隕石学会に「習志野隕石」として登録を申請する。隕石が国内で見つかるのは2年ぶりで、53例目。

13日 「2030年飢餓ゼロ」達成困難に

5年連続増 約6億9千万人

 世界で飢えに苦しむ人が2019年は約6億9千万人となり、5年連続で増えた。国連機関が報告書を発表した。国連の持続可能な開発目標(SDGsエスディージーズ)のうち「30年までの飢餓ゼロ」の達成が危ぶまれる。
 今後、世界経済の停滞などで、新たに約1億3千万人が急性の飢餓状態になる可能性がある。

14日 九州などの豪雨、特定非常災害に

農林水産物被害や土砂崩れなど

 政府は、九州各地などでの豪雨被害を「特定非常災害」に指定した。これで、被災者の運転免許証の更新期限延長などが認められる。2019年の台風19号以来となる7件目の指定。

●熊本 農林水産物被害144億円

 豪雨災害による熊本県の農林水産関係の被害額は、約144億円にのぼることがわかった。山腹崩壊、農地への土砂流入、野菜や果樹のハウス損壊などの被害が報告されている。

●長野、広島 土砂崩れや氾濫

 激しい雨となった地域では、土砂崩れや河川のはんらんが発生した。長野県いい市では12日、土砂崩れに巻き込まれた男性が死亡。広島県東広島市では14日、住宅の裏山が崩れ、親子2人の死亡が確認された。
 また、島根県ごう市を流れるごうの川が14日に氾濫し、住宅が浸水した=写真。今回の豪雨で、15日までに確認された死者は九州で計70人。長野、静岡、愛媛の3県でも計4人が死亡した。

特定非常災害
 地域の日常生活が破壊されるような大きな災害。特定非常災害特別措置法に基づき、閣議決定により指定される。被災した人の権利や利益を守るためのしくみ。

江の川が氾濫して住宅が浸水した様子の写真
(C)朝日新聞社

15日 中高生の英語力 改善傾向

文科省 「英語教育実施状況調査」

 全国の公立学校の中高生のうち、昨年度、政府が目標とする英語力の水準に達した生徒は中3で44.0%(前年度比1.4ポイント増)、高3で43.6%(同3.4ポイント増)だった。文部科学省が「英語教育実施状況調査」の結果を発表した。いずれも改善傾向だった。
 政府は、水準を中3で「英検3級相当以上」、高3で「英検準2級相当以上」とし、目標を「2022年度までに中3、高3ともに50%以上」としている。調査は13年度に始まり、今回で7回目。

16日 藤井七段、最年少タイトル獲得

将棋・棋聖戦 17歳11カ月で

 将棋の高校生棋士、ふじそう七段が、大阪市の関西将棋会館で行われた第91期せい戦五番勝負の第4局で、わたなべあきら棋聖(36)=おう、王将=に勝ち、シリーズ3勝目を挙げて、初めてのタイトルを獲得した=写真。17歳11カ月でのタイトル獲得は史上最年少。これまでの記録を30年ぶりに更新した。棋聖は将棋界に八つあるタイトルの一つ。

初戴冠と書いた色紙を掲げる藤井聡太七段の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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