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2020年5月31日付
政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開き、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県の緊急事態宣言を解いた。4月7日に7都府県で出され、一時全国に広がった宣言は、47都道府県のすべてで解除された。
安倍晋三首相は記者会見で「全国で新規の感染者は50人を下回り、一時は1万人近くいた入院患者も2千人を切った」と説明。5月31日としていた期限より前に宣言を解いたことについて「わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができた」と語った。
政府は解除基準の目安として「直近1週間の新しい感染者が10万人あたり0.5人程度以下」と示していた。北海道と神奈川県は24日時点で、これを上回っていた。しかし、医療の体制がある程度整ったことなどから、政府が専門家から意見を聞く諮問委員会に「総合的に判断をしていただいた」と述べた。
外出やイベントの開催などについては「感染防止対策をすることを条件に、本格的に再開していく」と表明した。首都圏など一部の学校は休校が続いているが、緊急事態宣言が解かれたことで、6月1日までに再開しそうだ。
一方で、首相は「次の流行のおそれは常にある」と強調。再び感染が拡大した場合は、緊急事態宣言を出す可能性があるとした。
イベントの再開や外出自粛の解除については約3週間ごとに地域の感染状況を評価し、段階的に拡大していく方針を都道府県に通知した。
コンサートや展示会は25日以降、屋内の入場者数の上限を施設の定員の50%の範囲内で100人(屋外は200人)までに制限する。6月19日からは入場者数の上限を千人まで広げ、無観客でのプロスポーツの開催を認める。7月10日からは入場者数の上限を5千人まで認め、移行期間後の8月以降は入場者数に関係なく定員の50%まで認めるとした。
外出については、5月末までは県をまたぐ不要不急の移動の自粛を求める。6月1日以降は、最後まで緊急事態宣言が出ていた北海道、東京、埼玉、千葉、神奈川以外の移動は認め、6月19日以降は全国での移動を認める。
緊急事態宣言が解除された翌日、駅方面に向かう人で混み合う東京・渋谷のスクランブル交差点=26日
どちらも(C)朝日新聞社
新型コロナウイルスの感染が広がったことを受け、来年の夏に延期された東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長=写真=は20日、来年の開催が無理になった場合は中止とする見通しを示した。英国のメディアのインタビューに答えた。
大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は21日、オンラインの記者会見で「直接聞いていないので、コメントは控えたい」と話した。
(C)朝日新聞社
新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めをされたり、その見通しがあったりする働き手が1万人を超えたことを厚生労働省が22日、明らかにした。5月に入ってから7千人増え、雇用情勢が急速に悪化している可能性がある。
4月末時点では3771人だったが、連休明けの5月7日以降は1週間におよそ3千人のペースで増え、今月21日時点で1万835人に急増した。
各地の労働局が把握できた範囲のデータにとどまっており、実際に解雇や雇い止めにあっている人は、さらに多いとみられる。詳しい分析はしていないが、宿泊業や観光業、飲食業などで目立つという。
政府は27日、新型コロナウイルスの対策を盛り込んだ今年度の第2次補正予算案を閣議決定した。総額は31兆9114億円で、1次補正の25兆6914億円を上回り、補正予算としては過去最大になった。働き手を守ったり、規模の小さな会社や店が事業を続けていけるように助けたり、コロナ患者に対応した医療関係者をねぎらったりする費用に使われる。すべて国の借金である「国債」でまかなう。
2次補正予算案は、今の国会で6月中旬ごろの成立を目指す。
世界の感染者は約569万人、死者数は約35万5千人(27日現在)。感染者数の多い国は米国、ブラジル、ロシアの順。
日本国内で確認された感染者はクルーズ船の723人を含め1万7526人。うち退院者は1万4801人(28日現在)。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外国からの入国制限を強化したことで、4月の訪日外国人客数は前年同月より99.9%減の2900人だった。下げ幅は3月の93.0%より大きくなり、今の調査方法となった1964年1月以来、最大となった。観光庁が発表した。
減少は7カ月連続。国別では、昨年最も訪日客が多かった中国がわずか200人。韓国や台湾、米国も各300人にとどまった。1カ月間の訪日客数が1万人を下回るのは64年以来初めてという。
(C)朝日新聞社
米IT大手のグーグルとアップルは、各国の公衆衛生当局のアプリ向けに、新型コロナウイルスの感染者に接触していた人にスマートフォンで通知できる機能の提供を開始した。今後、当局によるアプリの配布が始まれば、スマホを通じた感染者の接触追跡がスタートすることになる。日本の厚生労働省もこの機能を使う考えで、アプリ開発を急いでいる。
この仕組みは、各国当局のアプリを入れたスマホの保有者同士が一定時間、近距離で接すると、スマホが無線通信規格「ブルートゥース」で互いに相手端末の匿名コードを記録。後日、感染が分かったスマホ保有者がアプリで申告すると、過去14日間で「濃厚接触があった」と当局が判断した人に通知が届く。
国際宇宙ステーション(ISS)に、宇宙飛行士の食料や大型バッテリーなどの物資を運ぶ無人補給船「こうのとり(HTV)」をのせたH2Bロケット9号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた=写真。
HTVは25日、ISSに到着。宇宙飛行士がロボットアームを操作してキャッチした。26日未明には、ISSと結合。1~2カ月ほどISSにとどまり、大気圏に再突入して燃え尽きる。
HTVとH2Bはいずれも今回が最後の飛行。次回からは輸送能力を高めたHTV-XとH3ロケットにバトンタッチする。
ISS
International Space Stationの略。地球の地上約400キロ上空を周回する有人宇宙施設。1984年に米国が開発の計画を呼びかけ、98年に建設が始まった。日本、ロシア、フランスなど計15カ国が協力して2011年に完成。幅約109メートル、長さ約73メートル。
(C)朝日新聞社
天下統一をはたした豊臣秀吉とみられる江戸時代の木像(豊国大明神像)が、大阪市旭区の大宮神社で見つかった=写真。市の教育委員会が発表した。等身大で、現代から近い時代の像を除けば、秀吉の木像の中で最大という。
ヒノキ材を使った像で、高さ81.9センチ。長いまゆやひげが特徴。昨年、改修工事にともなう調査で確認された。
(C)朝日新聞社
フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんが亡くなった。22歳だった。生前、SNSで自身に向けられる批判に悩んでいたことを示す書き込みをしたとみられている。
シェアハウスで生活する男女6人の恋愛模様を観察する番組。木村さんが参加していた最新シリーズは、昨年5月からネットフリックスで約190カ国・地域で先行配信された。
捜査関係者によると自宅には遺書のようなものも残され、警視庁は自殺とみて調べている。
中国で22日に開幕した全国人民代表大会(全人代)で、今の社会や政治を変えようとする香港の人たちを抑え込もうと、中国政府が法整備を進めていることが明らかになった。これを受けて香港でこの日、数千人の市民が反対の声をあげた。
香港では「一国二制度」のもと、自由や人権が守られてきた。それらが中国本土並みに制限されるとの危機感がある。
全人代は28日、香港で反政府的な言動を取り締まる「国家安全法制」の導入を決めて、閉幕した。
一国二制度
一つの国のもとに、二つの異なる政治や経済のシステムがある状態。香港が中国に返還された1997年から2047年までの50年間、社会主義の中国と異なる制度を維持することが約束された。言論・報道・出版の自由、集会やデモの自由などが保障されている。
政府は、最終学年の小学6年と中学3年が少人数のクラスで学べるように、公立小中学校に教員3100人を追加で配置することを決めた。新型コロナウイルスの影響で休校していた学校の再開にあたり、感染を防ぎながら学習の遅れを取り戻すことが狙い。分散登校で、学級を二つに分けるときなどの指導にあたる。最終学年は次の年度に学習を繰り越せないため、優先することにした。
さらに、夏休みや放課後の補習などにあたる学習指導員、授業の準備などを手伝うスタッフは、ほかの学年も含めて計8万1800人を追加する。
プロ野球をとりまとめる日本野球機構と12球団は、6月19日にセ・パ両リーグが同時に開幕すると発表した。緊急事態宣言の全面解除を受けた決定で、しばらくは観客を入れないで試合をする。公式戦を無観客で行うのは史上初。
開幕は約3カ月遅れとなった。143だったレギュラーシーズンの試合数は120を予定している。
無観客で行われたソフトバンクー阪神のオープン戦=2月29日
(C)朝日新聞社
昨年7月、京都アニメーション第1スタジオ(京都市)が放火され、36人が亡くなった事件で、京都府警察は、容疑者の男(42)を殺人などの疑いで逮捕した。男は事件発生直後に現場近くで取り押さえられ、やけどの入院治療が続いていた。取り調べに耐えられるまでに回復したと、府警が判断した。
男は、容疑を認めているという。
神奈川県川崎市で私立カリタス小学校の児童らが襲われ、2人が亡くなり、18人が重軽傷を負った事件から1年となった。同校ではオンラインで追悼ミサが行われた。
スクールバスを待っていた児童らが刃物を持った男に襲われ、6年生の女の子と、保護者の男性が亡くなった。教頭は、今も登校できない子がいて、「夜眠れない」「背後が怖い」という訴えがあったと明らかにした。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の専門家など、スクールカウンセラーを増やして対応しているという。
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。