朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月23日―4月30日

2020年5月3日付

新型コロナ 世界の死者、20万人超え

●軽症の人は自宅よりホテルで(4月23日)

 新型コロナウイルスの軽症患者について、とうかつのぶ厚生労働相は4月23日、ホテルなど宿泊施設で療養することを基本とする方針を示した。これまでは宿泊施設のほか自宅での療養も認めていたが、軽症と診断され、自宅で入院を待っていた埼玉県の男性が亡くなったことが22日に分かり、方針を転換した。

●政府、全国で「入店制限を」(23日)

 政府は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国の知事に対し、商店街やスーパーの混雑時に、入店制限を要請するよう求めた。商店街やスーパーは、休業要請の対象外であるため、混雑が起きているとの指摘も出ていた。

入店が制限された店の前で待つ人たちの写真
入店が制限された店の前で待つ人たち=4月22日、東京都港区

●休校決定、94%に 文科省発表(24日)

 文部科学省は24日、臨時休校中(22日正午時点)の幼稚園、小中学校、高校などが91%、実施予定も含めると94%にのぼると発表した。6日夜の時点では4割ほどだったが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための緊急事態宣言の対象が全国に広がり、急増した。

●世界の死者20万人超える(25日)

 新型コロナウイルス感染による世界の死者が26日、20万人を超えた。米国のジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センターが集計した。死者は4月3日に5万人を超えて以降、週に約5万人のペースで増えている。
 この日時点で死者が最も多いのは米国(5万3934人)。イタリア、スペイン、フランス、英国も2万人を超えている。

新型コロナウイルスによる世界の死者数のグラフ
(C)朝日新聞社

●ジョンソン英首相、公務復帰(27日)

 英国のジョンソン首相=写真=が27日、公務に復帰した。新型コロナウイルスに感染し、一時は集中治療室に入っていた。ジョンソン首相は、感染の拡大をとどめられているとした一方で、「2度目の感染ピークが来るリスクを認識しなければならない」と話し、外出制限や商店の閉鎖などの対策を続けることに理解を求めた。
 英国の死者数は25日に2万人を超え、世界でも有数の多さ。

英国のジョンソン首相の写真
(C)朝日新聞社

●治療薬候補「レムデシビル」近く承認へ(27日)

 新型コロナウイルスの治療薬の候補「レムデシビル」が、近く承認される見通しになった。この薬が海外で承認されれば、日本政府は、国内の審査を簡略化できる「特例承認」を認める考え。
 レムデシビルは、エボラ出血熱の治療薬を目指して開発された。ウイルスの増殖を抑えるしくみが、新型コロナウイルスにも効果があるのではないかと期待されている。米国や日本、韓国などが共同で臨床試験を進めている。

●10万円給付 補正予算が成立(30日)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国民1人当たり一律10万円の現金給付などを盛り込んだ今年度補正予算が30日、参議院本会議で可決、成立した。総額は25兆6914億円。予算の成立を受け、早い自治体では5月にも現金給付が始まる見通しだ。
 補正予算には自民、公明の与党に加え、立憲民主党や国民民主党などでつくる野党統一会派、日本維新の会、共産党などが賛成した。補正予算に盛り込まれた今回の緊急経済対策では、中小・小規模事業者向けに最大200万円を給付する制度なども含まれている。

 日本国内で確認された感染者の総数はクルーズ船の723人を含め1万5025人。うち退院者は4117人(30日時点)。

23日 4月の景気判断「急速に悪化」

悪化の表現、リーマン後初めて

 政府は、4月の日本の景気についてまとめた「月例経済報告」を公表し、「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」との見方を示した。
 「悪化」という言葉を使うのは、リーマン・ショック後の2009年5月以来、約11年ぶり。

リーマン・ショック
 米国の大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」が、2008年9月15日に経営が立ち行かなくなったことをきっかけに起こった世界的な不景気。

25日 宝塚線脱線事故から15年

密集避けて祈り捧げる

 兵庫県尼崎あまがさき市で2005年にJRたからづか線(ふくやま線)の車両が脱線し、乗客と乗員計107人が死亡し、562人が負傷した事故から15年となった。
 事故の翌年からついとうれいしきがこの日に開かれてきたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中止になった。「祈りのもり」として整備された事故現場には、遺族や負傷者らが密集を避けるため時間をおいて訪れ、祈りを捧げた。

25日 連休初日 人出5~8割減

特定警戒地域の主要駅 ドコモ調べ

 ゴールデンウィーク(GW)を迎えた土曜日のこの日、重点的に新型コロナウイルス対策に取り組む「特定警戒都道府県」の主要駅周辺の人出が、感染が広がる前に比べて5~8割減少した。
 NTTドコモが25日午後3時時点のデータを調査した。1~2月の休日平均と比べた減少率は、新宿駅(東京)78.9%、名古屋駅(愛知)74.2%、梅田駅(大阪)84.9%。

人の姿がまばらな新幹線ホームの写真
人の姿がまばらな新幹線ホーム=25日、JR名古屋駅
(C)朝日新聞社

26日 全国高校総体、初の中止

28日には、全中大会も中止発表

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、8月に開催予定の全国高等学校総合体育大会(全国高校総体、インターハイ)の夏季大会が中止されることになった。全国高等学校体育連盟が決定した。
 全国高校総体が始まった1963年以来、中止は初めて。当初、東京五輪と日程が重なったため、今年は30競技を21府県で開く予定だった。
 日本中学校体育連盟(中体連)も28日、8月に予定していた全国中学校体育大会(全中大会)を中止すると発表した。中体連によると、61年に水泳のみで始まった大会が中止されるのは初めて。

全国高校総体(インターハイ)
 運動部に所属する高校生にとって、最高のひのき舞台。1963年、新潟県で第1回大会が開かれた。

昨年の高校総体の体操の様子の写真
昨年の高校総体の体操の様子
(C)朝日新聞社

27日 日銀、国債購入の上限撤廃

金融緩和で景気刺激

 日本銀行は、金融政策決定会合を開き、追加の金融かん策を決定した。新型コロナウイルスの影響で景気が悪化する中、世の中に出回るお金を増やし、経営に苦しむ会社を支えるなどのねらいがある。
 緩和策のなかで、日銀はこくさいを積極的に買う考えを示した。これまで国債の増発による金利の上昇を抑えるため、買い入れは「年80兆円をめど」としてきたが、上限を設けず、必要な金額を買うという。

国債
 国が財政上の理由で発行する債券。利息を約束して投資家に買ってもらい、資金を調達する。

28日 今年の国勢調査は非対面で

郵送やネット

 たかいちなえ総務相=写真=は、今年10月のこくせい調査を「非対面」で行う方針を明らかにした。
 国勢調査は「最も重要な統計調査」。調査員が各家庭を訪問し、調査票を手渡しして説明することを原則としてきた。今回は、新型コロナウイルス感染症の広がりを防ぐため、郵送やインターネットでの回答などを呼びかける。

国勢調査
 国内に住むすべての人と世帯を対象に、5年ごとに実施。同じ世帯に暮らす人の氏名、性別、生まれた年月、職業、在学・卒業等教育の状況など20項目について調査する。

高市早苗総務相の写真
(C)朝日新聞社

29日 安倍首相「9月入学」を検討

休校長期化に備え

 しんぞう首相は衆議院予算委員会で、休校がさらに長期化した場合に備え、秋から新学期が始まる「9月入学」を検討する考えを示した。国民民主党と日本維新の会への答弁で、「これくらい大きな変化がある中では、様々な選択肢を検討していきたい」などと述べた=写真。
 はぎこういち文部科学相は「社会全体の問題として広く国民の間で認識を共有できるなら、大きな選択肢の一つ」と話した。

答弁する安倍晋三首相の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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