朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

3月18日―3月27日

2020年3月29日付

新型コロナ 世界で死者2万人超える

WHO「パンデミック加速している」(23日)

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は23日、パンデミック(世界的な大流行)が「加速している」と記者会見で述べた。WHOに最初の報告があった日から感染者が10万人になるまで67日、それから20万人まで11日、さらに30万人に増えるまでわずか4日しかかからなかったことに危機感を示した。

ラグビートップリーグ今季中止(23日)

 感染の拡大を防ぐため、ラグビーのトップリーグは23日、4月からの再開をめざしていた残り6節42試合の中止を決めた。2003年度の創設以来初めてリーグ不成立となり、順位は確定しない。

学校再開のガイドライン公表(24日)

 文部科学省は24日、学校再開に向けたガイドラインを作り、全国の教育委員会などに通知した。再開する際は、集団感染が起きやすい「三つの条件」を避けるため、①換気の徹底②手が届く距離に多くの人が集まらないこと③近距離での会話や大声での発声を控えることを求めた。
 子どもたちには毎朝体温を測ること、手洗いやせきエチケットの徹底、十分な睡眠や適度な運動、バランスのとれた食事を心がけるよう求めた。マスクはまだ手に入りにくいため、ハンカチなどで手作りすることを勧める。

集団感染の「三つのリスク」を説明したベン図

東京五輪、1年程度延期へ(24日)

 東京五輪・パラリンピックの開催をめぐり、しんぞう首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が24日、電話で協議し、1年程度の延期を検討することで合意した。IOC理事会も延期を承認した。延期は近代五輪史上初めて。
 20日にギリシャから宮城県の航空自衛隊まつしま基地に聖火が到着=写真。26日から聖火リレーが福島県で始まる予定だったが、実施は見送られた。新たな大会日程にあわせ、改めて日程を決める。被災地で巡回展示されていた聖火は福島県内で保管される。

航空自衛隊松島基地に聖火が到着したときの写真
(C)朝日新聞社

東京都、週末の外出自粛を要請(25日)

 東京都のいけ知事が25日、記者会見を開いた=写真。新型コロナウイルスの感染者が大きく増えたことから、都民に対して、この週の平日はできるだけ自宅で仕事をすること、夜間の外出を控えること、週末は不要不急の外出を自粛することを求めた。埼玉県や神奈川県も26日、同様に県知事が県民に求めた。

記者会見を開く小池百合子都知事の写真
(C)朝日新聞社

海外渡航の自粛を要請(25日)

 日本政府は25日、感染の広がりを受け、世界全体を対象に、不要不急の場合は、海外に行くことをやめるよう呼びかけた。各国の治安や政治情勢などをふまえ、安全対策の目安とする「危険情報」を、4段階のうち上から3番目にあたる「レベル2」にした。世界全体を対象にレベル2に引き上げるのは初めて。

政府、対策本部を設置(26日)

 日本政府は26日、新型コロナウイルス対策のための特別法に基づく「政府対策本部」を設置した。専門家の意見を聞きつつ、緊急事態宣言を出すか検討する手続きも可能となる。

世界で死者2万人超える(26日)

 新型コロナウイルスによる世界の死者数が26日、計2万人を超えた。米国の大学が世界保健機関(WHO)や各国政府の発表をもとに集計した。イタリアが7500人超、スペインが4千人超で全体の半数以上を占めた。感染が急増している米国でも1千人を突破した。

「移動自粛」5都県知事が共同要請(26日)

 東京、神奈川、千葉、埼玉、山梨の1都4県の知事は26日、共同メッセージをまとめた。「感染者の爆発的な増加やロックダウン(都市封鎖)を回避するため連携し、断固たる決意を持って対策を進める」と確認し、都民や県民に、人混みへの不要不急の外出自粛や時差出勤、在宅勤務の実施などを求めた。

世界のコロナ感染者50万人超える(27日)

 新型コロナウイルスの感染者数が27日、世界で50万人(累計)を突破した。米国の大学の集計。米国の感染者数は8万人を超え、中国やイタリアを抜いて世界で最多となった。

 日本国内の感染者はクルーズ船の723人などを含み、2113人(26日午後10時半時点)。

ストレスを感じたら、心のケアを

 新型コロナウイルスの感染拡大や臨時休校で、多くの子どもたちがストレスを感じている。全国の児童精神科クリニックでつくる「日本児童青年精神科・診療所連絡協議会」が、子どもたちの心のケアのポイントをまとめ、ホームページで公開した。保護者向け、教職員向け、子ども向けの3部構成=下は子ども向けの一部。

●新型コロナウイルスに関するテレビやネットを見て、気持ちがしんどくなるなら、あまり見ないようにしましょう
●家族や友達と話す時間をもちましょう
●気持ちがしんどくなったら、家族や学校の先生などに相談してみましょう

日本児童青年精神科・診療所連絡協議会のウェブサイト(https://jascap.info/)から抜粋

18日 森友問題 自殺職員の妻が提訴

国と元財務省理財局長に損害賠償求める

 財務省が学校法人森友学園(大阪市)に国の土地を大きく値引きして売り、そのやりとりを残す公文書を改ざんした問題に関わり、自殺した財務省近畿財務局のあかとしさん(当時54)の妻が、国とがわのぶ寿ひさ・元財務省理財局長に損害賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こした。
 妻側は、自殺は改ざんに加担させられたからだなどと主張。「佐川局長の指示」などとする赤木さんの手記を公開した。

19日 法隆寺「木造天蓋」、国宝へ

「太陽の塔」は登録有形文化財

 世界最古の木造建築とされるほうりゅう(奈良県斑鳩いかるが町)のこんどう天井につるされた「木造てんがい」が、国宝に指定される見込みとなった。文化審議会が文部科学相にとうしんした。
 また、1970年の大阪万博のシンボル「太陽の塔」(大阪府すい市)を登録有形文化財に指定するよう求めた。太陽の塔は、万国博覧会のために芸術家の故・おかもとろうさんが作った建造物。

登録有形文化財
 できてから50年以上たち、歴史的な意味やデザイン、再現が難しい建物や美術工芸品などを国などが選んで登録する。登録されると、修理のための設計監理費の補助や減税のが受けられる。

法隆寺の木造天蓋の写真
2008年に奈良国立博物館で展示された法隆寺の「木造天蓋」=奈良市
どちらも(C)朝日新聞社

太陽の塔の写真
太陽の塔=大阪府吹田市

19日 小4虐待死、父親に懲役16年

千葉地裁

 千葉県市で昨年1月、小学4年生の女の子がぎゃくたいを受けて亡くなったとされる事件で、しょうがいなどの罪に問われた父親の被告(42)の判決が、千葉地方裁判所であった。ちょうえき16年が言い渡された。
 裁判長は、虐待が長期間に及んだことや、女の子を肉体的にも精神的にも追いつめていたことを挙げ、普通では考えられないほどにひどい虐待だったと非難。死者1人の傷害致死罪では「最も重い部類だ」と述べた。

20日 地下鉄サリン事件から25年

霞ケ関駅で遺族らが追悼

 1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件から25年となった。職員2人が亡くなった東京メトロかすみせき駅(東京都千代田区)にはけん台が設けられ、駅員や遺族が犠牲者をいたんだ=写真。

地下鉄サリン事件
 1995年3月20日午前8時ごろ、霞ケ関駅を通る計5本の電車の中で、宗教団体「オウム真理教」の幹部らが一斉に猛毒のサリンをまいた事件。乗客ら14人が死亡し、6千人以上が負傷した。2018年にはまつもと元死刑囚らオウム真理教の元幹部13人に死刑がしっこうされ、19年1月に刑事裁判はすべて終わった。

霞ケ関駅の献花台に手を合わせる女性の写真
(C)朝日新聞社

22日 熊本県知事選 現職が4選

街頭演説などは控える

 熊本県知事選挙が投開票され、無所属で現知事のかばしまいくさん(73)=写真=が、無所属で前熊本市長のこうやませいさん(54)を破り、同県知事として初の4選を決めた。
 蒲島さんは選挙戦では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公務に専念するとして街頭演説などを控えていた。

蒲島郁夫さんの写真
(C)朝日新聞社

22日 朝乃山、11勝を挙げ大関昇進

大相撲春場所

 大相撲春場所はエディオンアリーナ大阪でせんしゅうらくがあり、横綱はくほうが、12勝で並ぶかくりゅうを破り、2場所ぶり44度目の優勝を果たした。
 せきわけあさやま=写真=はおおぜきたかけいしょうに勝ち、11勝目を挙げた。日本相撲協会は25日、朝乃山の大関昇進を満場一致で決めた。新大関の誕生は、令和になって初めて。富山県出身力士では111年ぶりとなる。

朝乃山の写真
(C)朝日新聞社

24日 中学教科書ページ数、約8%増

平成以降で最多 2021年度から

 文部科学省は、2021年度から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。道徳を除く全教科で教科書の平均ページ数が増え、前回の1万481ページから1万1280ページとなり、平成以降で最多となった。今の教科書から7.6%、9年前の前々回検定から20.3%(道徳除く)増えている。
 23社が計115点(157冊)を申請し、106点(145冊)が合格。新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」が重視される。生徒同士の対話を促す活動を増やしたほか、知識だけでなく、学ぶプロセスを丁寧に解説する傾向が強まった。

24日 トヨタとNTT、業務資本提携

「ITの街」づくり

 トヨタ自動車とNTTは、業務資本ていけいをすると発表した。トヨタが静岡県すそ市につくるスマートシティ「ウーブン・シティ」の事業で手を組む。お互いに約2千億円を出資する。

スマートシティ
 IT(情報技術)など先端的な技術を生かした街づくりのこと。再生可能エネルギーを取り入れたり、人工知能(AI)を使って交通システムを効率よくしたりするなど、世界各地で実験が行われている。

25日 遺骨の7割、日本人の可能性低い

シベリアなどの戦没者

 日本政府がロシアのシベリア地域などから持ち帰ったせんぼつ者の遺骨が日本人のものではない可能性がある問題で、厚生労働省の専門家チームは、約7割が日本人の可能性が低いと報告した。厚労省は、日本人の可能性が低いとする遺骨の返還についてロシア政府と交渉を始める。
 第2次世界大戦後、中国東北部などにいた日本の兵士や民間人が、ソ連(今のロシアなど)によりシベリアなどへ連行され、労働を強いられた。政府が埋葬地から1999~2014年に持ち帰った597人分の遺骨などが、日本人ではない可能性が指摘されていた。

25日 リニア新幹線、新車両を公開

JR東海

 JR東海は、リニア中央新幹線の新しい試験車を公開した=写真。これまでの試験車に比べて空気抵抗を13%減らしたほか、営業運転で使う車両のベースとなる機能をすべて搭載した。
 2027年に開業をめざす品川(東京都)―名古屋(愛知県)間は、40分で移動できるようになる見込み。

リニアモーターカー
 電磁石の力で走る最高時速およそ500キロの次世代高速鉄道。磁石の性質(磁力)を使って車体を浮かせて走るため、さつが小さく、超高速で進む。

リニア新幹線の新試験車のおひろめの写真 
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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