
- 日曜日発行/20~24ページ
- 月ぎめ967円(税込み)
←2020年3月16日以前からクレジット決済で現在も購読中の方のログインはこちら
2020年3月1日付
安倍晋三首相は2月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、全国すべての小中高校と特別支援学校について、3月2日から春休みに入るまで臨時休校するよう要請した。
「何よりも子どもたちの健康、安全を第一に考え、感染リスクにあらかじめ備える」と述べ、全国一律の休校を要請した。入試や卒業式を行う場合は、感染防止の措置を講じ、必要最小限の人数に限ることも求めた。
北海道内で2月21日、3人の新型コロナウイルスの感染者が確認された。うち2人は中富良野町の小学生の兄弟で、弟は10歳未満。10歳未満の感染が分かったのは国内で初めて。
千葉県は22日、千葉市立中学校の60代女性教諭の感染を発表。石川県は22日、金沢市立中学校の男子生徒の感染を発表した。
感染症の専門家らでつくる政府の専門家会議は24日、「これから1~2週間が(感染の)急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」で山場だとする見解を公表した。
政府は25日、感染拡大を防ぐための基本方針を決定。風邪のような軽い症状なら自宅で療養し、むやみに医療機関を受診しないよう呼びかけた。また、長時間、手が届くくらいの近さで多くの人が会話するパーティーなど、感染しやすい環境に身を置くことを避けるよう求めた。
新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で発言する安倍晋三首相(右から2人目)
=2月27日、首相官邸
(C)朝日新聞社
東京都の小池百合子知事は21日、主催する屋内イベントのうち、500人以上の参加者が集まったり食事を提供したりするものは原則延期か中止にすると発表した。
流通大手のイオンや「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングなど、入社式を延期する企業も出ている。
近畿大学(大阪府東大阪市)は25日、この春の卒業式と入学式を中止すると発表した。
感染拡大を防ぐため、行政機関や企業では、働き手が自宅などで働く「テレワーク」や、通勤ラッシュを避ける「時差通勤」に取り組む動きが広がっている。
安倍首相は26日、国内のスポーツ・文化イベントの開催を2週間控えるよう求めた。
これに先立ち、サッカーJリーグは25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、26日から3月15日まで予定していた全ての公式戦の開催を延期することを決めた。2月29日~3月15日に予定されていたプロ野球のオープン戦は、すべて無観客で開催される。プロスポーツではバスケットボールやラグビー、バレーなどでも、3月中旬までに予定されていた試合の延期や中止、無観客開催などの対応が決まった。
国立美術館の6施設は3月15日まで休館。コンサートの中止も相次いでいる。
J1の開幕戦では、観客の手に消毒液が吹きかけられた
=21日、神奈川県平塚市
(C)朝日新聞社
中国本土の死者は2788人、感染者は7万8824人に達した(27日時点)。
中国は24日、3月5日に開幕予定だった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の延期を決めた。予定されていた習近平国家主席の訪日に影響する可能性がさらに強まった。
日本国内の感染者はクルーズ船を含めて919人(27日午後10時半時点)。
・電車やバスでつり革や手すりなどをさわったら、鼻や口、目などをさわらない
・手洗いは汚れが残りやすい指先や爪の間、親指のまわり、手首などを特に念入りに
・せきエチケットを守る
・ドアノブや手すりはできればアルコール消毒を
・食器や洗濯物は一緒に洗っても大丈夫
・部屋はよく換気する
・看病するときはマスクをつける。ない場合はタオルなどで口をふさぐのもあり
37.5度以上の発熱など風邪の症状がある
・学校や会社を休み外出を控える
・毎日、体温を測り記録
→4日続いたら相談
高齢者、糖尿病、心不全など持病がある人など
→2日続いたら相談
強いだるさ息苦しさ
→すぐに相談
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
気象庁は昨年10月の台風19号を「令和元年東日本台風」と命名した。台風に名前を付けるのは1977年の「沖永良部台風」以来、43年ぶり。千葉県を中心に大規模停電が起きた昨年9月の台風15号は「令和元年房総半島台風」と名付けられた。
同庁は大きな災害をもたらした自然現象には、未来に経験や教訓を伝えるために名前を付けることにしている。台風は家屋の損壊や浸水被害の規模などを基準に命名している。
奈良県は、世界遺産の興福寺(奈良市)にある国宝の五重塔=写真=について、2022年度にも、屋根のふき替え工事などに着手する方針であることを明らかにした。大規模な修理は1901(明治34)年の屋根のふき替え工事以来、約120年ぶり。
奈良県によれば、塔の屋根は過去に瓦が落下するなど劣化が進み、ふき替えが必要とされる。20年度から約2年かけて塔全体の破損状況などを調べる。
興福寺
奈良市にある世界遺産の寺院。8世紀初めに現在の場所に建てられた。高さ約50メートルの五重塔は室町時代に建てられたもので、京都の東寺(約55メートル)に次ぐ国内2番目の高さがある。
(C)朝日新聞社
フリマアプリのメルカリは「メルカリステーション」を、東京都の新宿マルイ本館に出店すると発表した。メルカリが実際の店を構えるのは初。未経験の人が、気軽に出品できるようにする試み。来年夏までに全国の10都市で展開する。
店では出品したいものの撮影ができ、売れた商品を発送できるボックスを設置する。出品の仕方などを教える「メルカリ教室」も開くという。
日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会などは、2020年東京五輪・パラリンピックの日本選手団が表彰式や、選手村などで着る公式スポーツウェアを発表した=写真。基調色には、18年の韓国・平昌冬季五輪に続き「サンライズレッド」と名付けた、昇る朝日をイメージした赤とオレンジの中間のような色が採用された。
製作はスポーツ用品大手のアシックスで、コンセプトは日本の伝統美と先端技術を掛け合わせた「ジャポニズム」。全国から集めたジャージーなど約4トンからポリエステルを抽出してシューズなどにリサイクル。ジャケットには暑さ対策として特殊な編み方のメッシュ素材を使用した。通気性は16年ブラジル・リオデジャネイロ五輪のウェアの5倍だという。
サウジアラビアのリヤドで2月22日から2日間にわたり開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が閉幕した。世界経済の成長は「緩やかに上向くと見込まれる」と表現しつつ、新型コロナウイルスによる肺炎の流行を世界経済の「リスク」とし、危機感を共有する共同声明を採択した。
G20
GはGroupの頭文字。日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの主要7カ国(G7)に、ロシア、中国、欧州連合(EU)などを加えた世界の主要20カ国・地域のこと。
天皇陛下は60歳の誕生日を迎え、皇居・宮殿でお祝いの行事があった。一般の人が皇居でお祝いを伝える一般参賀は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、中止となった。
誕生日に先立ち、即位後初となる記者会見に応じた天皇陛下は「憲法を遵守し、象徴としての務めを誠実に果たしてまいりたい」と述べた。還暦の60歳を迎えるのは「もう還暦ではなく、まだ還暦という思い」と語った。
大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付が発表され、西横綱の鶴竜=写真=が大関を兼ねる「横綱大関」と表記された。明治時代まで最高位だった大関は、東西に置くのが原則とされる。今場所は大関が貴景勝1人になったため、1982年初場所の北の湖以来、38年ぶりに「横綱大関」が復活した。
(C)朝日新聞社
マレーシアの首相府は、マハティール首相(94)が辞任する考えを国王に伝えたと発表した。国王は辞任を認める一方、次期首相が決まるまでマハティール氏が暫定首相を務めるよう命じた。
首相の後継者をめぐって与党連合内で対立が深刻化しており、辞任はこれを受けた政治的駆け引きの側面があるとみられている。今後、政局の動きが激しさを増すとみられ、混乱が長引く可能性もある。
エジプトのホスニ・ムバラク元大統領が死去した。91歳だった。ムバラク氏は1981年から30年にわたり大統領を務めた。
国を治めるのに強引な手法をとったことで、民主化を求めるデモ「アラブの春」で、2011年2月に大統領辞任へと追い込まれた。その後、デモ隊への発砲を命じたとして終身刑判決を受けたが、再審で無罪となった。
原爆の影響で病気になり、経過観察のために通院する被爆者も原爆症と認定すべきかが争われた3件の訴訟の上告審判決があった。最高裁判所は、認定申請を却下した国の処分を支持し、原告の被爆者側の訴えをいずれも退けた=写真は判決を受けて会見する原告(左)。
原告は広島や長崎で被爆し、白内障や慢性甲状腺炎になった広島、佐賀、愛知各県で暮らす女性3人。広島と名古屋の両高等裁判所は、広島、愛知の女性をそれぞれ原爆症と認め、国の却下処分を取り消した。一方、福岡高裁は佐賀の女性について、手術が必要な状態ではないとし、女性の訴えを退けていたため、最高裁の判断が注目されていた。
原爆症認定制度
原爆投下時に爆心地から一定の範囲にいた人や2週間以内に被爆地に入った人、その胎児などには被爆者健康手帳が交付され、医療費は無料になる。さらに、国が指定する病気になり、放射線の影響が否定できない人には健康管理手当(月額3万4770円)を支給。「原爆症」と認定されると、より高額な医療特別手当(同14万1360円)が支給される。
(C)朝日新聞社
「将棋ユーチューバー」として活動する折田翔吾さん(30)=写真=のプロ入りが決まった。アマチュアがプロをめざして戦う棋士編入試験五番勝負で3勝目を挙げ、合格したため。4月1日付でプロの四段となる。
折田さんは棋士養成機関「奨励会」でプロをめざしたが、2016年に年齢制限のため退会。アマ大会などで活躍し、編入試験の受験資格を得ていた。
(C)朝日新聞社
2011年の東日本大震災で被災した東北電力女川原子力発電所2号機(宮城県)について、原子力規制委員会は、安全対策の基本方針が新規制基準に適合すると認める審査書を正式に決定した。
再稼働に向けた手続きの焦点は、地元自治体の同意に移る。東北電力は安全対策工事を20年度中に終える計画で、再稼働は21年以降になる見通し。新基準への適合は9原発16基目。
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。