新型肺炎、国内初の死者　80代女性

ＷＨＯ　「ＣＯＶＩＤ―19」と命名

　中国の湖北省武ぶ漢かん市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、日本政府のチャーター機の第4便が7日、東京・羽田空港に到着した。帰国を希望した日本人と中国籍の配偶者ら計198人を運んだ。これで希望者の大半が帰国したという。感染の疑いがあり、重い肺炎で入院していた60代の日本人男性が8日、武漢市で亡くなった。外務省が発表した。
　先月29日に第1便で帰国し、千葉県のホテルなどに滞在していた197人は、検査で全員が陰性だったため、13日までに帰宅した。
　厚生労働省は13日、新型コロナウイルスに感染した神奈川県の80代の女性が亡くなったと発表した。感染者の国内の死亡例は初めて。中国への渡航歴はないという。

　・新型コロナウイルスによる肺炎の名前が「ＣＯＶＩＤコビッド―19」になった。世界保健機関（ＷＨＯ）が11日、発表した。コロナウイルス（ｃｏｒｏｎａｖｉｒｕｓ）と病気（ｄｉｓｅａｓｅ）の文字を組み合わせたという。19は確認された2019年のこと。
　・安あ倍べ晋しん三ぞう首相は12日、中国からの入国の拒否について、湖北省だけでなく、感染者が増えている浙せっ江こう省にも広げると表明。浙江省に滞在したことがある外国人と、浙江省が発行した旅券（パスポート）を持つ外国人の入国を13日からしばらくの間、拒否する。
　厚労省は13日、集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号から、検査の上、高齢者や持病のある人たちを下ろすことを決めた。
　・プロ野球の阪神や中日、ＤｅＮＡは、2月の練習試合でジェット風船を使った応援＝写真＝を控えてほしいと呼びかけた。風船は口で膨らませるため、飛び散ったつばから感染する危険性を減らすのがねらい。
　芸能界では予防のため、観客とのハイタッチや握手の演出を控えたり、イベントを延期したりする動きが広がっている。

 
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　・中国政府は14日、新型コロナウイルスの感染による中国本土の死者が1483人に達したと発表した。感染者は計6万人を超えた。
　日本国内の感染者は13日夕方時点で計247人（クルーズ船の感染者を含む）。

中国・武漢市から帰国し、感染していないとわかるまでホテルにいる宿泊客に向け、応援メッセージを砂浜に映し出す地元の人たち＝11日、千葉県勝浦市
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中国疾病対策センターが公開した新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真

6日　虐待通告、最多の9万7842人

7割が心理的虐待　警察庁

　虐待の疑いがあるとして、2019年、警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数は、前の年より2割以上多く、9万7842人に上った。警察庁が発表した。統計が残る04年から増え続け、最多を更新。心が傷つけられる「心理的虐待」が7万441人で、全体の7割を占めた。そのうちの6割は、子どもの前で親が配偶者らに暴力を振るうなどの「面前ＤＶ」だった。

児童相談所
　18歳未満の子どもに関する行政機関。児童福祉法に基づき、都道府県と政令指定都市に設置が義務付けられている。児童福祉司や児童心理司といった専門スタッフが相談にあたり、児童虐待などで緊急に保護する必要があると判断された子どもは、一時的に保護する。児童相談所虐待対応ダイヤル「189（いちはやく）」で24時間365日、相談を受け付けている（通話料無料）。

6日　今年の桜、早めに咲きそう

福岡の3月20日　最速予想

　日本気象協会が全国の桜の開花予想日を発表した。最も早いのは福岡市の3月20日で、東京都心が21日。今後も暖冬の傾向が続くため、開花は全国的に平年より早まるという。
　3月中に開花すると予想される主な場所は、愛知県名古屋市と高知市が22日、広島市が23日、大阪市が25日、鹿児島市が31日。東北は4月上旬から中旬にかけてで、北海道札幌市は5月1日の予想。

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7日　真珠湾で初の原爆展開催へ

広島市・長崎市　ミズーリ記念館で

　広島市は、米国・ハワイの真珠湾に浮かぶ戦艦ミズーリ記念館で、長崎市とともに7月上旬～9月に原爆展を開くと発表した。ハワイでの開催は初めて。
　太平洋戦争は1941年12月、日本が真珠湾を攻撃したことで始まった。45年8月、米軍が広島と長崎に原爆を投下。9月にミズーリの上で日本が降伏文書に調印し、戦争が終わった。
　広島市と長崎市は原爆の恐ろしさと平和の大切さを伝えるため、95年から19カ国51都市で計59回、原爆展を開催。今回は被爆者の写真パネルや遺品など、広島平和記念資料館と長崎原爆資料館が所有する資料を展示するとみられる。

真珠湾
　米国のハワイ・ホノルルにある湾。パールハーバーとも呼ばれる。1941年12月8日、旧日本海軍の機動部隊が真珠湾を攻撃し、米側は戦艦などが沈没、約2400人が亡くなった。この攻撃で太平洋戦争が始まった。日本側の宣戦布告が遅れ、米国では「だまし討ち」との批判がある。

7日　日本製鉄、呉製鉄所を閉鎖へ

2023年に　鉄鋼の需要減少で

　鉄鋼メーカー国内最大手の日本製鉄は、生産設備を大きく減らす計画を発表した。2基の高炉があり、鉄鋼製品の加工・出荷までを一貫して担う呉くれ製鉄所（広島県呉市）＝写真＝を2023年9月末までに閉ざす。また、和歌山製鉄所（和歌山市など）の高炉2基のうち1基を22年9月末までに休止する。
　鉄鋼を求める量が減り、設備も古くなったため、各地の製造拠点で過剰な生産能力を削減する。製鉄所はそれぞれの地域の産業を支えてきたため、雇用への影響が心配される。

日本製鉄
　粗そ鋼こう生産量は2018年時点で世界3位。12年に新日本製鉄と住友金属工業が合併して新日鉄住すみ金きんが発足し、19年に社名が日本製鉄になった。新日本製鉄は1901年に官営八幡製鉄所として操業を開始し、戦前、戦後を通じて日本の重工業を支えてきた。施設の一部は、ユネスコの「明治日本の産業革命遺産」に登録されている。

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8日　親子4代で囲碁プロ棋士に

13歳の張心澄さん合格

　囲碁の前名人、張ちょう栩う九段の長女で、中学2年の張ちょう心こ澄すみさん（13）が、日本棋き院いんの棋士採用試験に合格し、プロ入りを決めた。曽祖父は故・木き谷たに実みのる九段、祖父は小こ林ばやし光こう一いち名誉名人で、有名な棋士一家。親子4代続く棋士の誕生は、日本棋院の所属では初めて。
　心澄さんは3回目のプロ試験で合格した。4月1日付で棋士になる。

左から張栩九段、張心澄さん、小林光一名誉名人
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9日　韓国映画「パラサイト」が4冠　

米アカデミー賞　辻さんも2度目

　優れた映画や制作者を表彰する米映画界の祭典、第92回アカデミー賞の授賞式が、ロサンゼルスで開かれた。最高栄誉の作品賞には、韓国映画「パラサイト　半地下の家族」が輝いた。英語以外の外国語映画が同賞を受賞したのは初めて。国際映画賞（旧・外国語映画賞）、脚本賞のほか、ポン・ジュノ監督が監督賞も獲得し、4冠となった。
　米映画「スキャンダル」で、日本出身のカズ・ヒロ（辻つじ一かず弘ひろ）さんがメーキャップ賞を受賞。2018年以来、2度目の受賞となった。
　また、歌曲賞にノミネートされた「アナと雪の女王2」の主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン」を、日本語版でエルサを演じた俳優の松まつたか子こさんが英語版のイディナ・メンゼルさんら世界各国のエルサ役と歌った。

カズ・ヒロさん
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9日　Ｈ2Ａロケットの打ち上げ成功

35回連続、成功率97.6％

　Ｈ2Ａロケット41号機が、鹿児島県の種た子ね島がしま宇宙センターから打ち上げられた＝写真。搭載された情報収集衛星「光学7号機」は予定の軌道に投入された。このロケットは、配管からのガス漏れで1月末の打ち上げが延期されていた。
　Ｈ2Ａの打ち上げ成功はこれで35回連続で、成功率は97.6％。2020年度には後継となるＨ3ロケットが登場する。

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9日　羽生選手、紀平選手が優勝

フィギュア四大陸選手権

　韓国・ソウルで開かれたフィギュアスケートの四大陸選手権で、男子シングルの羽生はにゅう結ゆ弦づる選手（25）が初優勝した。7日のショートプログラム（ＳＰ）で世界最高得点を更新して1位に立ち、この日のフリーでも1位で合計299.42点。男子では初めてジュニア、シニアの主な国際大会をすべて制覇した。
　3位には鍵かぎ山やま優ゆう真ま選手（16）が入った。1月の冬季ユース五輪で優勝するなど、ジュニアの注目選手の一人で、3月には世界ジュニア選手権に出場する予定。
　8日には女子シングルで紀き平ひら梨り花か選手（17）が優勝を決め、男女を通じて初めてとなる大会2連覇を達成した。

左から2位のジェーソン・ブラウン選手（米国）、羽生結弦選手、鍵山優真選手＝9日、どちらも韓国・ソウル
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紀平梨花選手＝8日

10日　公取委、楽天に立ち入り検査

送料無料プランに独禁法違反の疑い

　公正取引委員会（公取委）は、会社などの自由な競争を促す「独占禁止法」への違反の疑いで、サイト運営会社「楽天」に立ち入り検査した。
　楽天は、大手通販サイト「楽天市場」で、一定額以上を買えば、送料を無料にするプランを3月18日から始めるという。これについて、公取委は「出店者側に一方的な負担を強いる恐れがある」としている。

11日　野村克也さん　亡くなる

三冠王、「ＩＤ野球」で球界に足跡

　元プロ野球選手で、監督も務めた野の村むら克かつ也やさん＝写真＝が亡くなった。84歳だった。
　1954年にプロ入りし、65年に戦後初めての三冠王（打率、本塁打、打点の3部門のトップ）に輝いた。引退後、ヤクルトの監督に就任。データを重視する「ＩＤ野球」を掲げた。阪神、楽天でも監督を務め、現在は米大リーグで活躍する田た中なか将まさ大ひろ投手らを育てた。

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11日　ニューハンプシャー州はサンダース氏

米大統領選の民主党予備選

　11月の米大統領選挙に向けて、共和党のトランプ大統領に挑戦する民主党の候補者選びの第2戦として、ニューハンプシャー州で予備選挙があり、バーニー・サンダース上院議員（78）が勝利した。ピート・ブダジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長（38）も迫っており、2人が初戦のアイオワ州党員集会の勢いを維持している。
　一方、世論調査で全米トップだったジョー・バイデン前副大統領（77）は5位に沈んだ。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。