朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

10月16日ー10月23日

2019年10月27日付

16日 五輪マラソン、札幌開催を検討

IOC発表 暑さ対策で

 国際オリンピック委員会(IOC)は、2020年東京五輪の男女マラソンと競歩について、暑さ対策として、会場を東京から札幌に移す計画を発表した。五輪を象徴する種目を開催都市から移す異例の判断だが、すでに国際陸上競技連盟から了承を得ているという。10月30日から11月1日まで東京であるIOC調整委員会で、大会組織委員会や東京都などと議論する。組織委は「選手の健康は組織委にとっても最重要事項」とのコメントを発表した。
 9月下旬からカタール・ドーハで開かれた世界選手権で、両競技を真夜中に実施したにもかかわらず棄権する選手が続出。IOCは危機感を強めていた。

国際オリンピック委員会(IOC)
 1894年に設立され、本部はスイスのローザンヌにある。開催地や実施する競技など、五輪のあらゆることを決める権限がある。現在206の国と地域が参加している。公用語はフランス語と英語。

17日 いじめ最多の54万3933件

18年度 文科省調査

 文部科学省は、2018年度に全国の小中高校などで起きたいじめや不登校の件数を発表した。いじめは前年度から約13万件増えて、過去最多の54万3933件に達した。年間30日以上欠席した不登校の小中学生も、16万4528人で過去最多となった。
 学校別のいじめの件数は、中学校が9万7704件(前年度比1万7280件増)、高校が1万7709件(同2920件増)などだった。13年に法律でいじめの定義を「いじめられた子どもの立場で判断する」と見直したことなどから、学校側にささいなトラブルでも把握する姿勢が定着してきているという。

いじめと不登校の件数のグラフ
(C)朝日新聞社

17日 英国とEU、離脱条件で合意

早期離脱めざす首相に議会は反発

 10月31日に期限が迫った英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、英国のジョンソン政権とEUが、離脱の条件で合意した。焦点となっていた英領・北アイルランドの扱いについて、双方が妥協した内容だ。EU首脳会議でも承認された。
 一方で英国議会下院は19日、英国が離脱の条件を定めた協定案について、採決の先送りを決めた。協定案が19日までに下院の承認を得られない場合、延期申請を義務づけた法律に基づき、ジョンソン首相は19日、離脱を来年1月末に延期するよう求める文書をEU側に送った。
 下院は22日、ジョンソン政権がEUと合意した離脱協定案の関連法案をスピード審議するための動議を否決した。EUとの合意の上で10月末までに離脱することは絶望的になった。3度目の延期になる見通し。

英国・アイルランドの地図
(C)朝日新聞社

18日 即位パレード、11月10日に延期

台風被害に配慮

 政府は、天皇陛下の即位に伴う祝賀パレード「しゅくおんれつ」を11月10日に延期することを閣議決定した。台風19号の被災者に配慮した。寒さや日没を考慮し、当初の予定より30分早い午後3時に皇居・宮殿を出発する。パレードは、天皇陛下が即位を宣言する10月22日の「そくれいせい殿でん」の後に予定されていた。

18日 中東海域に自衛隊派遣へ

米の「有志連合」には参加せず

 政府は、中東情勢の安定と日本に関係する船舶の安全確保を理由に、ホルムズ海峡周辺のオマーン湾など、中東への自衛隊派遣を検討することを決めた。情報収集の強化が目的だ。友好国イランに配慮して、米国主導の「有志連合」構想・海洋安全保障イニシアチブへの参加は見送る。
 中東情勢をめぐっては、6月に日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻がホルムズ海峡付近のオマーン湾で攻撃された。イランの犯行と主張する米国は有志連合を結成する方針を表明。日本に参加を求めていた。

サウジアラビア周辺の地図
(C)朝日新聞社

18日 恩赦55万人実施を閣議決定

26年ぶり 多くは「復権」

 政府は、天皇陛下が即位を宣言する「即位礼正殿の儀」に合わせ、約55万人におんしゃを行うことを閣議決定した。22日に政令を公布、施行した。大半は罰金刑で制限された資格を復活させる「復権」で、重病者の刑の執行停止なども個別に審査して判断する。今の憲法下での恩赦は11回目で、天皇、皇后両陛下が結婚した1993年以来、26年ぶり。
 きんちょうえき刑を受けた人の罪をなかったことにするたいしゃとくしゃや刑期を短くする減刑は行わない。

18日 日本も月探査計画に参加へ

米主導で

 国際協力で月を有人探査する計画について、政府の宇宙開発戦略本部(本部長・しんぞう首相)は、日本も参加すると正式に決めた。計画を主導する米国は、アポロ計画以来となる飛行士の月着陸を2024年に予定しており、その後、日本人飛行士も月に降り立つ可能性がある。
 米航空宇宙局(NASAナサ)の計画では、月の軌道上に宇宙ステーション「ゲートウェー」を建設し、月面にも基地をつくる。
 ただ、計画はトランプ政権の意向で大きく変わっており、各国の分担や費用負担も決まっていない。

19日 水俣病 犠牲者慰霊式

特措法施行から10年

 みなまた病の犠牲者慰霊式が、熊本県水俣市の「水俣病慰霊の碑」前で営まれた。
 公式確認から63年経ち、患者認定しないまま被害者救済を図る水俣病被害者救済法(特措法)の施行から10年となった。患者や遺族、原因企業チッソの関係者、いずみしんろう環境相ら計約830人が出席した。
 2009年施行の特措法は「あたう限りの救済」をめざしたが、救済策から漏れるなどした1700人以上が国などに損害賠償を求める訴訟を起こしており、「最終解決」には程遠い。

水俣病
 チッソ水俣工場(熊本県水俣市)が不知火しらぬいかいに流した廃水に含まれたメチル水銀が原因の公害病。1956年5月1日、水俣保健所に届けられ、公式確認された。熱さに気づきにくいなどの感覚障害や、ふらつきといった運動失調などの症状がある。認定患者2283人のうち、1951人(10月18日現在)が亡くなった。

20日 ラグビー、日本4強逃す

W杯準々決勝 南アに敗れ

 ラグビーの第9回ワールドカップ(W杯)日本大会は、初めて8強に進んだ日本が東京スタジアム(東京都調布市)で南アフリカとの準々決勝に臨み、3―26で敗れた=写真は試合後、健闘をたたえ合う日本と南アフリカの選手。
 1次リーグを4戦全勝で勝ち抜いた日本は前半、トライで先行されたが、ボールを支配して攻め続け、むらゆう選手(30)がペナルティーゴールを決め、2点差で折り返した。しかし、疲れが見えた後半は自陣で反則を繰り返してリードを広げられ、連続トライを許した。
 第1回大会から連続出場している日本のW杯通算成績は8勝23敗2分け。うち7勝は前回と今回の2大会であげた。前回大会からの連勝は6で止まった。

ラグビーワールドカップ決勝トーナメントの写真
(C)朝日新聞社

20日 カヌー羽根田選手が五輪決定

4大会連続

 カヌー・スラロームの東京五輪の日本代表選手最終選考会を兼ねたNHK杯国際競技大会の準決勝、決勝が東京であった。男子カナディアンシングルのたく選手(32)=写真=が日本選手トップの3位に入り、4大会連続の五輪出場を決めた。
 羽根田選手は2016年のブラジル・リオデジャネイロ五輪で銅メダルを取っている。

羽根田選手の写真
(C)朝日新聞社

21日 藤井七段、羽生九段に勝利

王将戦 挑戦権争いの首位に

 将棋の高校生棋士、ふじそう七段(17)=写真=が、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第69期王将戦の挑戦者決定リーグ戦でよしはる九段(49)に勝った。リーグ戦は7人の総当たり戦。藤井七段はリーグ成績を3勝1敗として、王将への挑戦権争いで、首位に立った。2連勝だった羽生九段が敗れたことで全勝者が消え、2勝1敗のひろあきひと竜王(32)、羽生九段が追う展開になった。
 藤井七段は最年少タイトル挑戦、羽生九段はタイトル獲得100期への挑戦がかかっている。

藤井聡太七段の写真
(C)朝日新聞社

22日 天皇陛下、即位を宣言

即位礼正殿の儀

 天皇陛下が即位を宣言する「即位礼正殿の儀」が、皇居・宮殿で行われた。憲法によって定められた国事行為で、この日は今年に限って祝日となった。
 天皇陛下は天皇の代替わりを象徴する調度品「たかくら」に立ち、「国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たす」と宣言。「国民の幸せと世界の平和」を常に願う、とも述べた。
 陛下は「こうぜんのほう」と呼ばれるそくたい姿。皇后さまは髪を大垂髪おすべらかしに結い、古式ゆかしいじゅうひとえに身を包んだ。高御座は奈良時代から即位儀式に用いられてきたとされ、現在のものは大正時代に作られた。
 参列者は、あきしののみやご夫妻をはじめ11人の皇族方、安倍晋三首相、衆議院と参議院の議長、最高裁判所長官の「三権の長」や、全国の知事ら各界の代表者に加え、191の国や国際機関からの代表合わせて1999人。ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問、英国のチャールズ皇太子らが儀式を見守った。

23日 八村選手、NBAデビュー

先発では日本選手初

 バスケットボール男子の日本代表で、米プロNBAから日本選手として初めてドラフト1巡目でウィザーズに指名されたはちむらるい選手(21)が、米テキサス州ダラスで行われたマーベリックスとの開幕戦に先発出場し、初得点も挙げた=写真。
 先発でのデビューは日本選手で初めて。試合は100―108でウィザーズが敗れたが、八村選手は14得点10リバウンドと活躍した。

マーベリックスとの開幕戦のときの八村塁選手の写真
(C)朝日新聞社

23日 ソフトバンク、3年連続日本一

プロ野球 日本シリーズ

 プロ野球の日本シリーズの第4戦が東京ドームであり、パ・リーグ2位の福岡ソフトバンクホークスが、セ・リーグ覇者の読売ジャイアンツ(巨人)を4―3で破って4連勝とし、3年連続10度目の日本一を達成した=写真。
 日本シリーズ3連覇は1990~92年の埼玉西武ライオンズ以来。

ソフトバンク優勝の時の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る