朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

7月31日―8月7日

2019年8月11日付

31日 米FRB、10年半ぶり利下げ

景気先行きにらみ予防的措置

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利の誘導目標を0.25%幅引き下げ、「年2.00~2.25%」にすると決めた。利下げはリーマン・ショック後、初のゼロ金利実施に踏み込んだ2008年12月以来、約10年半ぶり。
 米国の失業率は現在、歴史的な低水準にあり、景気が堅調だが、物価上昇の伸びは6月まで8カ月連続で目標の2%を下回っている。先行きもにらんで、予防的に手を打ったとの位置づけだ。

リーマン・ショック
 米国の大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」が2008年9月15日に経営たんしたことをきっかけに起こった世界的な不景気。企業の経済活動はどんどん縮小していった。日本では、輸出が多い自動車や電気機械産業などで工場の閉鎖が相次ぎ、失業者も多く出た。

8月1日 セブンペイ、3カ月で終了

9月末まで 安全対策に不安

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、スマートフォンで支払いができる「7セブンpayペイ」のサービスを9月末で終えると発表した。開始からわずか3カ月での異例の終了となる。
 コンビニ最大手セブン―イレブンのスマホ決済として注目されたが、セキュリティーが甘く、利用者がお金をだまし取られる被害が続出。セブンHDはサービス終了の理由として、安全対策に時間がかかり、利用者に不安が広がったことを挙げた。

1日 児童虐待15万12000件、最多を更新

昨年度 厚労省発表

 2018年度に全国の児童相談所(児相)が対応した児童虐待の件数は、過去最多の15万12000件(速報値)だったと厚生労働省が発表した。調査を始めた1990年度から28年連続で増加した。
 児相が虐待の知らせを受けてから原則48時間以内に安全確認を行うルールが、1割弱で守られていないこともわかった。
 内容別では、子どもの前で配偶者に暴力を振るうことを含めた「心理的虐待」が8万8389件(55.3%)で最多。次いで「身体的虐待」が4万256件(25.2%)、「ネグレクト」(育児放棄)が2万9474件(18.4%)、「性的虐待」が1731件(1.1%)だった。

児童虐待の件数グラフ画像
(C)朝日新聞社

1日 軽減税率「Q&A」改訂版を公開

国税庁 ファストフード店の例も

 国税庁は10月の消費税増税にあわせて取り入れる軽減税率が、どんな場合にあてはめられるかの「Q&A(問答集)」を改訂し、ホームページに掲載した。ファストフード店や遊園地の売店の例も加わった。
 軽減税率は、外食、お酒を除く飲食料品と、週2回以上発行され、定期購読されている新聞が対象。消費税率が10%に上がっても、これらは8%のまま。ただし、「外食」は持ち帰れば軽減の対象で8%、店内で食べれば10%になるのが原則。ハンバーガーセットを買って店内で一部でも飲食すれば、残りを持ち帰っても消費税はすべて10%になる。

軽減税率Q&A(問答集)改訂版のホームページ画像
(C)朝日新聞社

2日 輸出優遇国から韓国を除外

政府が閣議決定 28日実施へ

 しんぞう内閣は、輸出手続きを簡略化できる「ホワイト国」(輸出優遇国)27カ国のリストから韓国を外す政令改正を閣議決定した。28日に実際に外れる。韓国は反発し、対抗措置を発表。日本を輸出手続きの優遇対象国から外し、世界貿易機関(WTO)への提訴の準備を進める。
 日韓は、第2次世界大戦中に日本の工場などで働かされた人々「ちょうようこう」の問題をめぐり関係が悪化。日本政府は、優遇国の見直しとは無関係としている。

世界貿易機関(WTO)
 自由な貿易を進める国際機関で、貿易のルールを作ったり、「裁判所」のように国同士の貿易紛争を解決したりする。本部はスイス・ジュネーブにあり、世界164カ国・地域が加盟。各国が輸入品にかける税金(関税)を高くして自国の産業を守る「保護主義」が第2次世界大戦につながったという反省から関税貿易一般協定(GATTガット)ができ、それを引き継ぐ形で1995年に発足した。

ホワイト国から除外される韓国の説明図
(C)朝日新聞社

2日 INF全廃条約が失効

米中ロ、新たな軍拡競争の恐れ

 冷戦下の1988年に発効した米国とロシア(旧ソ連)の中距離核戦力(INF)全廃条約が失効した。米国のトランプ政権が2月にロシアに離脱を正式通告した後、条約の規定で6カ月が過ぎたため。米国は中国を加えた新たな軍縮の枠組みを唱えるが、実現のめどは立っておらず、新たな軍拡競争に発展する恐れが強い。
 条約は核弾頭や通常弾頭を搭載する射程500~5500㌔の地上発射型ミサイルの保有を禁じる。米ソ冷戦終結の象徴だった。トランプ大統領はロシアが条約に違反していると主張。さらに、条約の枠外の中国が中距離ミサイルの開発を増強してきたことも離脱の理由とする。

2日 ふるさと納税 最高更新

昨年度 4割増の5127億円

 総務省は、全国の自治体が2018年度に受け入れたふるさと納税の寄付の総額を発表した。前年度と比べ、40.3%増えて5127億円になり、6年連続で過去最高を更新。自治体別で最も多いのは大阪府いずみ市の498億円で、全体の1割弱を占めた。
 ふるさと納税は、自治体を選んで寄付すると、払う税金が減る制度。返礼品競争が過熱し、問題化。そのため、対象となる自治体は今年6月から事前審査制に。泉佐野市など4市町は総務省の「返礼品は寄付の3割以下の地場産品に限る」との通知を守らずに多額の寄付を集めたため、制度の対象外になった。

3日 米で銃乱射事件が相次ぐ

テキサスでは移民標的か

 米国テキサス州エルパソで銃の乱射事件があり、20人が死亡した。地元警察はテキサス州に住む白人の男を逮捕した。
 男は事件前、移民を中傷するような「犯行声明」をインターネット上の掲示板に投稿していた疑いがある。警察は、宗教や人種が異なる人を受け入れないヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性もあるとみている。
 4日にはオハイオ州デイトンで銃の乱射事件があり、9人が死亡した。

アメリカの地図画像

3日 「表現の不自由展」を中止

愛知 少女像めぐり抗議殺到

 愛知県内で1日に開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会は、企画展「表現の不自由展・その後」を中止すると発表した。あんを表現した少女像=写真=などに抗議の電話が相次いでいた。
 芸術祭の実行委員会会長を務めるおおむらひであき・愛知県知事は「テロ予告や脅迫の電話などもあり、これ以上エスカレートすると(来場客が)安心して楽しくご覧になることが難しいとしている」と理由を述べた。
 企画展については名古屋市のかわむらたかし市長が、少女像などの展示中止を求める抗議文を大村知事に提出していた。愛知県警察は7日、少女像を撤去しなければガソリン缶を持って行くなどと記したファクスを企画展の会場施設に送ったとして、愛知県内の男(59)を威力業務妨害の疑いで逮捕した。

慰安婦を表現した少女像の写真
(C)朝日新聞社

4日 渋野選手、全英女子ゴルフ優勝

日本勢42年ぶり2人目メジャー制覇

 女子ゴルフのしぶ選手(20)が、英国で行われた今季メジャー最終戦の全英女子オープンで優勝した。日本勢のメジャー勝利は、1977年の全米女子プロ選手権を制したぐちひささん以来で、42年ぶり2人目の快挙。
 渋野選手は98年、岡山市生まれ。8歳のときソフトボールとゴルフを始めた。2018年、プロテストに合格。今年5月、国内メジャーを初制覇したが、世界では「無名」の存在だった。

5日 米国、中国を「為替操作国」に認定

「通貨わざと引き下げ」 中国は否定

 米国と中国の貿易をめぐる対立が、通貨にも広がっている。米国の財務省は、中国が自分の国の通貨をわざと安く引き下げているとして「為替かわせ操作国」に認定したと発表した。中国の通貨が安くなると輸出に有利に働き、米国が中国にかける高い関税の影響を和らげることができるため。中国の通貨政策を担う中国人民銀行は6日、通貨の操作を否定した。
 経済の先行きが見通せないことから、世界の金融市場も動揺し、各国の株式市場で株価が大きく下がった=写真。

株価の写真
(C)朝日新聞社

6日 101回目の夏「記憶に残る大会に」

全国高校野球選手権が開幕

 第101回全国高校野球選手権大会が、兵庫県西宮にしのみや市の阪神甲子園球場で開幕した=写真。
 選手宣誓では、春夏通じて初出場のほまれ(愛知)のはやしやまゆう主将(3年)が「101回目の大会を記憶に残る大会にすることを誓います」と高らかに宣言した。
 今大会から選手の負担を減らすため、準決勝と決勝の間に、新たな休養日が設けられた。大会は、計2日になった休養日を含め16日間行われる。順調に日程が進めば、21日に決勝がある。

高校野球開会式の写真
(C)朝日新聞社

6日 原爆投下から74年、犠牲者に黙禱

広島で平和記念式典

 広島への原爆投下から74年となり、広島市中区の広島平和記念公園で平和記念式典が開かれた=写真。約5万人の市民らが参列。原爆投下時刻の午前8時15分に、犠牲者にもくとうを捧げた。
 米国とロシアの中距離核戦力(INF)全廃条約が2日に失効したばかり。「平和宣言」でまつかず市長は日本政府に対して、核兵器禁止条約への署名・じゅんを促したが、安倍晋三首相はあいさつで条約に言及しなかった。

核兵器禁止条約
 2017年7月7日、122カ国の賛成多数で国連で採択された。核兵器の製造や保有、使用に加え、その援助や使用するとのかくも禁止。核実験被害者の支援や汚染された環境の改善措置も盛り込まれている。批准国は今月6日に南米ボリビアが加わり、25カ国になった。発効には50カ国が批准する必要がある。核保有国や、日本は批准していない。

平和記念式典の写真
(C)朝日新聞社

6日 土曜の郵便配達、来秋にも廃止

総務省が法改正の方針

 総務省の有識者委員会は、手紙やはがきなど郵便物の土曜日の配達廃止を認める報告書をまとめた。総務省は、早ければ秋の臨時国会で、郵便のしくみを定めた郵便法の改正を目指す。法案が成立すれば、来年の秋にも土曜日の配達がなくなる。
 郵便事業を担う日本郵便が、土曜日の配達廃止を求めている。人手不足への対策や利益を上げるためで、実現すれば、配達員4万7千人に平日の仕事に回ってもらえるという。

6日 ブロック塀の安全確認81%に

全国の小中高など 文科省調査

 文部科学省は、全国の小中高校や幼稚園などで進めているブロック塀の調査結果を発表した。2018年8月に行った前回調査でブロック塀があった2万280校のうち、安全が確保されたり、ブロック塀を取り除いたりした学校が約半数の1万708校になった。もともとブロック塀がなかった学校と合わせると、全国5万1082校のうち81.5%にあたる4万1648校となった。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る