朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

2月28日―3月6日

2019年3月10日付

28日 安全確認できない子、2936人

厚労省 虐待、疑い含め143人

 厚生労働省は、保育園や小中学校などに通っていなかったり、乳幼児健診を受けていなかったりして安全確認ができていない子どもは全国で2936人いると発表した。虐待を受けているか、虐待情報がある子どもは143人だった。東京都目黒区で5歳の女の子が虐待により死亡したとされる事件を受け、昨年6~11月に市区町村を通じて緊急調査を実施した。
 安全確認ができていない子どもの内訳は就学前が2480人、小学生263人、中学生147人など。市区町村が調査を続けている。

3月1日 来春卒業の学生の就活「解禁」

採用の前倒し進む

 来春に大学を卒業する学生の就職活動が「解禁」された。各地で企業説明会が始まった=写真は千葉市美浜区のまくはりメッセで開かれた合同説明会を訪れた学生ら。
 日本経済団体連合会(経団連)が決めている就職活動日程は1日が企業説明会、6月1日が面接の解禁日だが、採用は前倒しが進む。今年も学生優位の「売り手市場」と見られるが、インターンシップ(就業体験)などを通じて既に活動を始め、内定を得た学生もいる。

合同説明会を訪れた学生らの写真
(C)朝日新聞社

1日 辺野古反対の民意 首相に伝達

玉城沖縄県知事

 沖縄県のたまデニー知事が首相官邸でしんぞう首相と会談した。米軍てん飛行場(沖縄県わん市)の移設をめぐり、2月24日の県民投票での埋め立てに「反対」が7割を超えた結果を伝えた。工事の中止を求めたが、首相は応じなかった。
 官邸前では「辺野古を埋めるな」と市民らによるデモが行われた=写真。

市民らによるデモの写真
(C)朝日新聞社

2日 新型出生前診断、検査施設を拡大

学会が示す条件緩和

 胎児にダウン症などがあるかを調べる「新型出生前診断」について、日本産科婦人科学会は、施設の条件を大幅に緩める案を理事会で了承した。条件を満たした産科医院でも検査できるようになり、検査施設は倍増するとの見方もある。一般の意見なども聞き、夏にも運用を始める。
 学会のルールと関係なく検査する認可外の施設が相当数あるとみられる。結果の説明が不十分で、妊婦が戸惑う事態も起きている。学会は連携施設を増やし、認可外で検査を受ける妊婦を減らしたい思惑がある。

新型出生前診断
 原則35歳以上の妊婦が受けられ、せんしょくたいの本数が通常とは異なるダウン症など三つの可能性があるかが高精度でわかる。国内では2013年に始まった。産科医と小児科医が常勤し、遺伝の専門外来があるなどの条件を満たす総合病院を認可施設としている。現在は92カ所ある。

3日 米新型宇宙船、ISSに到着

ベンチャーが無人の試験飛行

 米宇宙ベンチャーのスペースXが開発した新型の宇宙船「クルードラゴン」が、2日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした=写真。今回は無人の試験飛行。
 最大7人乗りの有人宇宙船。約180キロの物資のほか、マネキンが乗せられ、センサーで重力や加速度を測る。ISSに5日間とどまる計画で、無事終了すれば、米航空宇宙局(NASAナサ)は7月にもクルードラゴンに2人の宇宙飛行士を乗せて試験飛行する。

3日 東京マラソン、中大・堀尾選手5位

学生初、MGC出場権獲得

 13回目となる東京マラソンが東京都庁前から東京駅前の42.195キロで争われた。中央大学4年で初マラソンのほりけんすけ選手が2時間10分21秒で日本勢トップの5位に入った=写真。東京五輪の代表選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC、9月15日)の出場権を学生で初めて得た。
 優勝はビルハヌ・レゲセ選手(エチオピア)で2時間4分48秒。日本記録保持者のおおさこすぐる選手(ナイキ)は29キロ地点で棄権した。

中央大学4年で初マラソンの堀尾謙介選手の写真
(C)朝日新聞社

4日 新天皇即位の一般参賀、5月4日

当初の予定より早く

 宮内庁は、皇太子さまの新天皇即位(5月1日)を祝う一般参賀を5月4日に皇居で開催することを発表した。当初、即位を内外に示す「即位礼せい殿でん」(10月22日)の後の10月26日に予定されていたが、即位から時間をおかないほうが良いと判断し、前倒しされた。
 じょうこうじょうこうごうとなる天皇、皇后両陛下は出席しない。新天皇のほか、新皇后となるまささまやこうとなるあきしののみやさま、さまをはじめ皇族方の出席については検討中という。集まった人々の祝意に応え、新天皇がおことばを述べることも検討されている。

5日 中国の全人代が開幕

経済厳しく成長目標引き下げ

 中国の全国人民代表大会(全人代)が、首都・キンの人民大会堂で開幕した=写真。政府は2019年の成長率目標を前年の「6.5%前後」から「6~6.5%」に引き下げた。
 目標を引き下げるのは2年ぶり。リーコーチアン首相は政府活動報告で「実体経済がかなり多くの困難に直面している」などと述べ、米国との対立を含め中国が直面する現状への厳しい認識を示した。

全国人民代表大会(全人代)
 中国の国会にあたる一院制の議会。各省や自治区、軍などから選ばれた約3千人の代表が北京に集まる。法律を制定・改正したり、政府や司法機関などの予算や活動をチェックしたりする。

北京の人民大会堂で開幕した全国人民代表大会の写真
(C)朝日新聞社

5日 iPS細胞の角膜移植、臨床へ

厚労省、阪大の研究了承

 さまざまな組織に成長するiPS細胞からつくった目の角膜の細胞を患者に移植する計画が、厚生労働省に条件付きで了承された。実施する大阪大学のチームは、早ければ6月にも1人目の移植を予定している。
 対象は「角膜じょうかんさいぼうへい症」の患者4人。この病気は黒目の表面をおおう「角膜」を新たにつくる「幹細胞」がけがなどで失われ、視力が落ち、失明することもある。第三者のiPS細胞を角膜の細胞に変化させ、シート状にしたものを移植する。
 厚労省は2例目の移植の半年後、中間報告をしたうえ、その後2人に移植するよう求めた。

iPS細胞からつくった角膜の細胞を移植するイメージの図
(C)朝日新聞社

5日 磯崎新さんにプリツカー賞

建築のノーベル賞 日本人8人目

 建築家のいそざきあらたさん(87)が、「建築のノーベル賞」とも言われる2019年のプリツカー賞を受賞することが決まった。主催する米ハイアット財団が発表した。授賞式は5月にフランスで行われる。日本人の受賞者は14年のばんしげるさんに次いで8人目。
 磯崎さんは前衛的な作風で知られ、実作と理論の両面でポストモダン建築をリードした。代表作に「水戸芸術館」「ロサンゼルス現代美術館」「北九州市立美術館」=写真=などがある。

プリツカー賞
 1979年に設立された建築賞。日本人はたんけんぞうさん(故人)、まきふみひこさん、あんどうたださん、じまかずさん・西にしざわりゅうさん(SANAAサナア)、とうとよさん、ばんしげるさんが受賞している。賞金は10万ドル。

北九州市立美術館の写真
(C)朝日新聞社

5日 はやぶさ2、地下物質採取へ

「リュウグウ」で 4月上旬着手

 宇宙航空研究開発機構(JAジャXAクサ)は、4月上旬に探査機「はやぶさ2」の衝突装置を使って小惑星「リュウグウ」の地表にクレーターを人工的に作ると発表した。地下の砂や石を採取するのが目的で、成功すれば小天体では世界初。地下の物質は、太陽光などの風化を受けていないため、水や有機物が地表より多く含まれているとされ、貴重な試料となる。
 2月の着陸時の画像も公開した=写真。着陸直後、資料を採取するために撃ち込んだ弾丸や噴射によって、大量の砂や石が飛び散る様子が映っている。着陸地点を「たまてばこ」という愛称で呼ぶことも決めた。

6日 ゴーン前会長、保釈

10億円納付 108日目で

 私的な損失を日産自動車に付け替えるなどしたとされ、会社法違反(特別はいにん)などの罪で起訴された前会長のカルロス・ゴーン被告(64)=写真=が、東京地方裁判所にしゃく保証金10億円を納め、東京こうしょから保釈された。昨年11月19日の最初の逮捕から、108日目で身柄こうそくを解かれた。
 前会長の保釈請求は2回退けられていたが、新しく就いた弁護人が2月28日に3回目の保釈請求をし、地裁に認められた。住居に監視カメラを設けることやインターネットの使用禁止などが条件とされた。

保釈されたカルロス・ゴーン被告の写真
(C)朝日新聞社

6日 小4虐待死、父は傷害致死で起訴

母は手助けした罪 千葉地検

 千葉県市の小学4年の女の子が自宅で死亡した事件で、千葉地方検察庁は、容疑者の父親(41)を傷害致死の罪で、母親(32)を傷害ほうじょの罪でそれぞれ起訴し、発表した。2人はともに傷害容疑で逮捕されていたが、父親については、虐待と死亡に因果関係があったとして、より重い罪に切り替えた。

6日 池江選手「しんどい。でも負けたくない」

ツイッターに21日ぶり投稿

 白血病を公表した競泳女子のいけ選手(18)=写真=が、自身のツイッターに2月13日以来、21日ぶりに投稿した。「しんどい」と治療の苦しさをつづっている。
 全文は次の通り。
 思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍 しんどいです。 三日間以上ご飯も食べれてない日が続いてます。 でも負けたくない

競泳女子の池江璃花子選手の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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