朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

1月30日―2月6日

2019年2月10日付

30日 FRB、金利引き上げを休止

米中摩擦で経済先行き不透明

 米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)は、2015年末から続けてきた金利の引き上げをいったんやめて、市場に流すお金の量を減らす政策も早めに終えると決めた。金利の引き上げで金融を引き締める政策は、景気の過熱を押さえ、急激な悪化なども防ぐねらいがある。しかし、貿易をめぐる米国と中国の争いなどで経済の先行きが見通しにくくなり、金融の引き締めをやや緩めた。
 政策転換の理由について、パウエル議長は会見で、中国や欧州の経済の減速や、米中間の通商交渉をめぐる不確実性などを挙げた。

米連邦準備制度理事会(FRB)
 米国の通貨・ドルを管理し、民間の銀行がお金を貸し借りするときの金利の調節など金融政策をつかさどる「中央銀行」。大統領が任命する7人の理事で構成され、そのうちひとりが議長を務める。

31日 小山田古墳、国内最大級の方墳

奈良・明日香村

 2014年に発見され、7世紀中ごろに造られたとされる奈良県明日香村のやま古墳=写真=について、方形の古墳(方墳)の南辺の長さが80メートル以上になることがわかった。県立橿かしはら考古学研究所が発表した。
 これまでの調査で、北辺の長さは約70メートルとされ、飛鳥時代の国内最大規模をほこる巨大方墳だったとみられる。葬られた人物をめぐる議論にも弾みがつきそうだ。

小山田古墳の写真
(C)朝日新聞社

2月1日 日本とEUのEPA発効

関税ゼロで安くなる輸入品も

 日本と欧州連合(EU)による経済連携協定(EPA)が発効した。輸入品にかかる関税を将来的に日本が約94%、EUが約99%なくすほか、知的財産の保護などのルールも共通化する。世界の国内総生産(GDP)の約3割、貿易額の約4割を占める巨大な自由貿易圏が生まれたことになる。
 EUから日本への輸入ではワインや繊維製品の関税、日本からEUへの輸出では日本酒や緑茶の関税がなくなった。

経済連携協定(EPA)
 国境を越えて、物やお金、人などの行き来をしやすくするため、特定の国や地域の間で結ぶ取り決め。主に関税について定める自由貿易協定(FTA)に対し、EPAは知的財産の保護なども含めた幅広い分野での協力をめざす。

1日 インフル過去最多

厚労省 全国で「警報」レベル

 厚生労働省は、全国約5千カ所の定点医療機関から報告された最新の1週間(1月21~27日)のインフルエンザ患者数が、1カ所あたり57.09人だったと発表した。今の調査方法になった1999年以降で最多。全都道府県で「警報」レベルの30人を超えた。
 全国の推計の患者数は約222万6千人で、前の週から約9万6千人増加。年齢別では5~9歳が約41万1千人と最も多く、10~14歳も約29万人。休校や学年・学級閉鎖をした保育所や幼稚園、小中高校は全国で8928施設に上った。

インフルエンザの定点当たりの報告数の推移のグラフ
(C)朝日新聞社

1日 米国、INF条約からの離脱表明

軍拡競争進む恐れ

 米国とロシアが結んでいる中距離核戦力(INF)全廃条約について、米国のポンペオ国務長官は、離脱すると正式に宣言した。トランプ大統領が昨年、ロシアの兵器が条約違反だとして、離脱の考えを示していた。米国は今後、中距離ミサイルの研究・開発に着手する。
 ロシアのプーチン大統領も2日、条約の実行を停止すると宣言。新型ミサイルを開発する方針を示した。条約は6カ月後に効力を失う見通し。今後は中国も巻き込み、軍備を拡大する競争が進む恐れがある。

中距離核戦力(INF)全廃条約
 地上発射型ミサイル(射程500~5500キロ)を禁じる条約。1987年、米国のレーガン大統領と旧ソ連のゴルバチョフ書記長が調印し、88年に発効。米ソが初めて核兵器削減に同意し、第2次世界大戦後に続いた冷戦の終結につながった。

1日 絶滅の恐れのライチョウ 公開へ

15年ぶり 国内5施設で

 絶滅の恐れがある国の特別天然記念物「ニホンライチョウ」が、上野動物園(東京都たいとう区)など国内の5施設で3月15日から公開される。環境省が発表した。国内でニホンライチョウが公開されるのは15年ぶり。
 環境省は、5施設で2015年から、野生で取った卵を人工的にかえし、生まれたひな同士を繁殖させている。多くの人に保護の必要性を知ってもらうため、公開を決めた。
 ほかの4施設は、どうぶつ王国(栃木県那須町、3月16日から)、おおまち山岳博物館(長野県大町市)、富山市ファミリーパーク、いしかわ動物園(石川県市)。

2日 「未来のミライ」に長編アニメ賞

アニー賞

 「アニメのアカデミー賞」ともいわれるアニー賞が、米国で発表され、長編アニメ賞のインディペンデント作品部門でほそまもる監督の「未来のミライ」が受賞した。
 「未来のミライ」は、生まれたばかりの妹に戸惑う4歳の男の子が、未来や過去を旅する不思議な体験を経て成長する物語。

3日 ローマ法王、アラビア半島初訪問

イスラム教発祥の地

 ローマ・カトリック教会の最高指導者、フランシスコ法王は中東のアラブ首長国連邦(UAE)を訪れた。イスラム教発祥の地であるアラビア半島をローマ法王が訪れるのは初めて。
 法王は4日にイスラム教の指導者らと面会。5日には、首都アブダビの屋外競技場で大規模なミサを開き、「友愛の心で他者を気遣い、平和を守ろう」と呼びかけた。会場にはイスラム教徒を含む約18万人が集まった。

3日 国の障がい者採用、初の統一試験

水増し問題受け

 中央省庁で働く障がい者の数の水増し問題を受け、政府は障がい者を対象にした「国家公務員統一試験」を初めて実施した。676人の採用数に対し、約13倍となる8712人が申し込んだ。この日の1次選考は筆記と作文で、2次選考を経て年度内に採用が決まり、働き始める。政府は法律で定められた雇用率を満たすため、2019年末までに約4千人の障がい者を採用する計画。

3日 サッカー中島翔哉選手が移籍

カタールへ 日本人最高額?43億円で

 サッカー日本代表のなかじましょう選手(24)=写真=が、ポルトガル1部リーグのポルティモネンセからカタール1部のアルドハイルに移籍したと発表された。移籍金は3500万ユーロ (約43億7500万円)と報じられ、日本選手としては2001年になかひで寿としさんがローマからパルマ(ともにイタリア)に移籍した時の約32億円を上回る史上最高額とみられる。

中島翔哉選手の写真
(C)朝日新聞社

4日 日独、G20へ連携確認

首脳会談

 しんぞう首相は、日本を訪れたドイツのメルケル首相と会談した=写真は握手を交わすメルケル首相(左)と安倍首相。自国の産業を守る「保護主義」の広がりを念頭に、自由貿易体制を維持する重要性を確認した。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐっては、条件を決めないまま離脱することを避けるべきだとの考えで一致した。
 6月に大阪で開かれる主要20カ国・地域(ジー20トゥエンティ)首脳会議に向けても引き続き連携する。

握手を交わすメルケル首相と安倍首相の写真
(C)朝日新聞社

5日 米朝首脳会談 27、28日に開催

トランプ大統領、一般教書演説で発表

 米国のトランプ大統領は「一般教書演説」を行い、北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長との2回目の「米朝首脳会談」を今月27、28日にベトナムで開催すると発表した。会談は昨年6月にシンガポールで開かれて以来。今回は「朝鮮半島の非核化」に向けた具体的な進め方について、両首脳が合意できるかどうかが注目される。
 トランプ氏は演説で「弾道ミサイル発射や核実験が止まった」と自身の成果を強調した。

一般教書演説
 米大統領が、今後1年の国内の状況や外国との関係など、政治の方針を示す演説。1月か2月に、連邦議会の上院と下院に説明するのが習わし。

6日 豚コレラ拡大、岐阜など5府県に

愛知で感染 出荷先にも被害

 農林水産省は、岐阜、愛知、滋賀、大阪、長野の5府県の養豚場で、家畜伝染病「とんコレラ」の感染を確認したと発表した。愛知県とよ市の養豚場の豚が感染し、そこから子豚が出荷された5府県の養豚場に被害が広がった。豚コレラは昨年9月、国内の施設では26年ぶりに岐阜県内で確認され、拡大防止策が進められてきたが、被害が一気に広がった。
 5府県では、計約1万6千頭の殺処分が進められている。豚やイノシシ特有の病気で、人には感染しない。

6日 はやぶさ2 22日小惑星に着陸へ

リュウグウで岩石採取に挑む

 宇宙航空研究開発機構(JAジャXAクサ)は、探査機「はやぶさ2」を今月22日午前8時ごろ、小惑星「リュウグウ」に着陸させると発表した。昨年10月に着陸する予定だったが、想定より地表の岩石が多く、安全な場所を探していた。生命に欠かせない有機物や水が含まれる可能性がある岩石の採取が始まる。
 着陸するのは、リュウグウの赤道に近い半径約3メートルの場所。機体の下にある筒状の装置が表面についた瞬間に弾丸を撃ち込み、舞い上がった砂や岩の破片を取り、リュウグウから離れる。

6日 マケドニアがNATO加盟へ

30カ国目

 欧州の国々と米国などでつくる軍事同盟、北大西洋条約機構(NATOナトー)は、旧ユーゴスラビアのマケドニアの加盟を認めた。年内にも30カ国の体制になる。メンバー国ギリシャが加盟をはばんできたが、「北マケドニア」に国名を変更したことで承認に至った。
 「マケドニア」の国名は、古代ギリシャのマケドニア王国に由来する。隣国のギリシャは「マケドニア王国は私たちの歴史の一部」と主張し、1991年のマケドニア独立以来、国名の使用に反対していた。

マケドニアの地図

6日 スパコン京、8月でお別れ

「ポスト京」にバトンタッチ

 理化学研究所は、2011年に計算速度が世界一となった理研計算科学研究センターのスーパーコンピューター「けい」(兵庫県神戸市)=写真=の運用を今年8月に終える、と発表した。同じ場所に置く後継機「ポスト京」を使い始めるため。ポスト京は21年ごろの運用開始をめざす。
 京は熱を出す計算装置を冷ます費用がかかるため、一部を除いて廃棄する。

スーパーコンピューター「京」の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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