朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

1月24日―1月30日

2019年2月3日付

24日 終末時計、滅亡まで「残り2分」

米科学者ら「新たな異常な状態」

 米国の科学者らは、地球滅亡までの時間を示す今年の「終末時計」を公表し、昨年と同じ「残り2分」とした=写真。昨年6月の米朝首脳会談で核をめぐる言葉の応酬は遠のいたものの、冷戦期の1953年以来の最悪の状態が続いており、「世界は『ニュー・アブノーマル』(新たな異常な状態)になっている」と警告している。
 終末時計は米科学誌が47年から毎年公表している。滅亡の時を午前0時に見立て、核戦争の危機などが高まると時計の針を進め、遠のくと戻す。開始当初は残り7分だった。トランプ氏が米大統領選に当選して以降、時計の針は1分進んでいる。

残り2分を示す終末時計の写真
(C)朝日新聞社

24日 ルノー、ゴーン会長退任決める

後任に仏ミシュランCEO

 フランスの自動車会社ルノーは、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されたカルロス・ゴーン被告(64)=写真=の会長兼CEO(最高経営責任者)からの退任を決めた。後任の会長にフランスのタイヤ大手ミシュランのCEOが就くなどの人事も決めた。
 ルノーと3社連合を組む日産自動車、三菱自動車は、昨年11月の逮捕直後に会長職を解いている。グループの主導権をめぐる日産とルノーの争いは新たな局面を迎える。

カルロス・ゴーンの写真
(C)朝日新聞社

24日 国の基幹統計 4割に問題

23統計

 「毎月勤労統計」をめぐる厚生労働省の不正調査問題を受け、政府が56ある基幹統計が正しく調査されているか点検した結果、4割にあたる22の統計に計31件の間違いなど何らかの問題があったことがわかった。点検結果をまとめた総務省が発表した。28日には厚労省所管の「賃金構造基本統計」でも不正が発覚。問題のある基幹統計は23に増えた。
 統計を所管する総務省は今後、調査結果を同省の統計委員会にはかり、233ある一般統計も含めて点検する。

基幹統計
 国の公式な統計のうち、特に公共性が高く重要な56の統計。政府が政策を立てるときの根拠となる。調査の手法や対象などを変更するには総務相の承認を得る必要がある。

25日 外国人労働者、146万人に

厚労省 6年連続過去最多

 日本で働く外国人の数は昨年10月末時点で、146万463人だった。1年前と比べて約18万人(14.2%)増え、6年連続で過去最多を更新した。厚生労働省がこの日、発表した。
 人手不足に悩む企業の積極的な活用が続いており、この5年間で倍増した。在留資格別で最も多いのは、永住権を持つ人や日本人と結婚した人などの「永住者ら」。4月からは外国人労働者の受け入れ拡大を目指す新たな在留資格も導入され、今後も増加が続くとみられる。

外国人労働者の推移のグラフ
(C)朝日新聞社

25日 ブラジルで鉱業用ダム決壊

死者多数 有害重金属も流出か

 ブラジル南東部にあるブルマジーニョで、鉱山から採掘した土砂をためる鉱業用のダム(1976年建設)が決壊し、近くの集落などが土砂にのみ込まれた。死者は少なくとも65人、行方不明者も288人に上っている(29日時点)。
 東京ドーム10個分を超える計1270万立方メートルの土砂が流出したとみられる。土砂には有害な重金属が含まれている可能性もある。

ブラジル、ブルマジーニョを示す地図
(C)朝日新聞社

26日 大坂選手が全豪オープン初V

テニス 世界ランキング1位に

 テニスの4大大会の一つ、全豪オープン女子シングルスで、おおさかなおみ選手(21)がチェコのペトラ・クビトバ選手(28)を破り、初優勝。この結果を受け、28日発表の世界ランキングで男女を通じアジア勢で初の1位になった。

27日 嵐、活動休止を発表

2020年末で

 男性5人組のアイドルグループ「嵐」が東京都内で会見し、来年12月31日で活動を休止すると発表した=写真。解散は否定している。
 リーダーのおおさとしさん(38)が「それぞれの道を歩んでもいいのではないか」と提起したのがきっかけだったと説明。グループで活動を続ける道はないか話し合ったが、「5人じゃないと嵐じゃない」との思いで一致、昨年6月に決めたという。
 嵐は1999年にCDデビューし、NHK紅白歌合戦にも09年から10年連続で出場している。

記者会見する嵐の写真
(C)朝日新聞社

27日 関脇・玉鷲が初優勝

大相撲初場所

 東京の国技館で行われた大相撲初場所は千秋楽のこの日、せきわけたまわし(34)が13勝目を挙げ初優勝した=写真。34歳2カ月での初優勝は、年6場所制となった1958年以降で2番目の高齢記録。モンゴル出身の優勝力士は7人目となった。
 スポーツの経験がなく18歳で来日。初土俵から15年間、一度も休場することなく本場所の皆勤を続けている。

優勝した関脇・玉鷲の写真
(C)朝日新聞社

28日 首相、統計不正問題を陳謝

通常国会が召集

 第198回通常国会が召集された。政府は4月の統一地方選挙や夏の参議院議員選挙を視野に提出法案を58本に絞り、野党との対決を極力避ける方針だが、厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題が表面化。しんぞう首相も施政方針演説で「セーフティーネットへの信頼を損なうものであり、国民の皆さまにおわび申し上げる」と陳謝した。野党は批判を強め、冒頭から激しい論戦となっている。
 開会式には天皇陛下が出席した。宮内庁によると、即位後の出席は今回で82回目。4月末に退位するため、これが最後になる見通し。

29日 景気拡大「戦後最長」

6年2カ月 実感はうすい

 政府は1月の月例経済報告を発表し、国内経済の基調判断を「緩やかに回復している」として昨年12月の表現のまま据え置いた。この結果、景気拡大の長さは6年2カ月となり、戦後最も長くなった可能性が大きい、との認識を示した。
 今回の景気拡大は2012年12月に始まり、この1月で6年2カ月。世界的な金融危機「リーマン・ショック」があった08年まで6年1カ月続いた「いざなみ景気」を抜いたとみられる、という。ただ、賃金や消費は停滞し、この間の実質成長率は年平均で1.2%。1990年前後の「バブル景気」の5.3%や、いざなみ景気の1.6%を下回り、景気拡大の実感は広がっていない。

戦後の主な好景気をまとめた表

29日 特別養子縁組、15歳未満に

見直し案 養親の負担軽減も

 法相のもん機関である法制審議会の部会は、特別養子縁組制度の見直し案をまとめた。「原則6歳未満」としている対象年齢を「原則15歳未満」に引き上げることと、養子縁組の手続きで、親となる人の負担を軽減することが主な柱。法務省は答申を受け、民法改正案などを通常国会に提出する方針。

特別養子縁組
 経済的な事情や虐待などを理由に、生みの親の元で暮らせない子どもと、血縁のない夫婦が法的な親子になる制度。生みの親との法的な関係が消え、戸籍上も育ての夫婦の実の子どもと同じ扱いになる。

29日 東京五輪、国の負担2880億円

1380億円増 さらに膨らむ可能性

 政府がこの日まとめた2020年東京五輪・パラリンピックに向けた予算額の集計で、現時点で国の実質的な負担額が2880億円に上ることがわかった。大会組織委員会が取りまとめた「大会経費」のうち国負担は1500億円とされてきたが、関連経費としてさらに1380億円が予算計上されていた。関連経費は今後も膨らむことが避けられそうにない。
 組織委が昨年末に公表した東京大会の総予算額は1兆3500億円。東京都の五輪関連費などを合わせると、総経費は2兆2980億円になる。

東京五輪・パラリンピックの経費の表
(C)朝日新聞社

29日 EU離脱協定案「修正なら支持」

英議会で可決 EUは再交渉拒否

 英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、英議会下院(定数650)は、一度否決した政府の離脱協定案の一部を変更すれば支持するとの動議を、賛成317、反対301で可決した。これを受け、メイ首相は「議会の支持が得られる見通しがついた」と、EUとの再交渉に意欲を示した。
 だが、EU側は即座に否定。3月末の離脱予定日が迫る中、事態打開はなお見通せない。

29日 iPhone売り上げ15%減

前年同期比 米中摩擦が直撃

 米アップルがこの日発表した2018年10~12月期の四半期決算で、主力のアイPhoneフォーンの売り上げが前年同期と比べて15%減少したことが明らかになった。全体の売上高は4.5%減の843億1千万ドル(約9兆2150億円)、最終的なもうけを示す純利益は0.5%減の199億6500万ドル(約2兆1820億円)で減収減益。売上高が前年同期よりも減るのは9四半期ぶり。
 地域別で、世界全体の売り上げの2割近くを占める中華圏(ホンコンなどを含む)が27%減の131億6900万ドルに急減。米中の通商摩擦や中国経済の減速が直撃した形だ。

30日 夏の甲子園、決勝前にも休養日

暑さ対策で

 今夏の第101回全国高校野球選手権大会で、選手の負担を減らすために休養日が1日増える。準決勝と決勝の間に新設され、計2日になる。大阪市内でこの日開かれた第1回運営委員会で、暑さ対策を採り入れた大会日程が承認された。2013年の第95回大会から、準々決勝と準決勝の間に1日の休養日を設けていた。
 また、比較的涼しい時間帯に試合をするため、1日3試合ある日(開幕日を除く)と準決勝は、第1試合の開始時刻をそれぞれ午前8時(従来は午前9時半)、午前9時(同10時)に変更する。
 開幕は8月6日。決勝は8月21日の予定。

30日 五輪チケット、春に抽選販売

秋以降、先着順

 2020年東京五輪のチケットの販売方法や種類などの概要を大会組織委員会が発表した。最も早くチケット入手の可否が決まるのは抽選による販売で、今年の春から組織委の公式サイトで申し込みの受け付けを開始。6月中旬以降に結果が発表される。
 抽選以外では、先着順による販売が今年の秋以降、公式サイトで始まる。抽選、先着順とも購入には住所、氏名などを組織委の専用サイトで事前登録する必要があり、すでに約125万人が登録している。20年春以降には東京都内での窓口販売も予定。小中学校、高校や特別支援学校を対象に、自治体を通じて一律2020円で販売する「学校連携観戦プログラム」など、一般販売されないチケットもある。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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