朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

11月29日―12月6日

2018年12月9日付

29日 徴用工裁判、三菱重工に賠償命令

韓国の最高裁

 第2次世界大戦中に、広島と名古屋の軍需工場で働かされた韓国人の元徴用工や元女子勤労ていしん隊員らが、三菱重工業に損害賠償を求めた2件の訴訟で、韓国大法院(最高裁)は、同社に賠償を命じた。10月末に新日鉄住金に賠償を命じたのとあわせ計3件の判決が確定した。
 元徴用工への補償は、日本と韓国はともに1965年の日韓請求権協定で解決したという立場。国際法違反だとして日本政府は是正を求めている。同様の12件の訴訟で被告になっている日本企業約70社にも賠償判決が出るのは確実とみられ、日韓関係に影響を及ぼしそうだ。

29日 ペットボトル100%回収・再利用へ

プラごみ対策

 飲料メーカーでつくる全国清涼飲料連合会(全清飲)は、家庭などから出るペットボトルを2030年度までに100%回収・リサイクルするとした計画を発表した。17年度のペットボトルの回収率は約92%。計画では、自動販売機の横に「自販機専用空容器リサイクルボックス」と名称を統一したゴミ箱=写真=を設置し、分別回収を呼びかける。
 全清飲によると、飲料容器全体でペットボトルのシェア(17年)は約72%を占め、年々伸びている。プラスチックによる海洋汚染対策でストロー廃止などの動きが始まる中、ペットボトル商品を多く扱う業界でも取り組みを打ち出すことにした。

自販機専用空容器リサイクルボックスの写真
(C)朝日新聞社

30日 秋篠宮さま 大嘗祭めぐり発言

「国費で賄うことが適当か」

 あきしののみやさまが53歳の誕生日を迎えた。誕生日当日に報道されることを前提に、22日に記者会見し、天皇の代替わりに伴う皇室行事「だいじょうさい」について「宗教色が強いものを国費でまかなうことが適当かどうか」と述べ、政府は公費を支出するべきではないとの考えを示した。政府の決定に、皇族が公の場で異を唱えるのは異例。
 1990(平成2)年に行われた前回の大嘗祭では、国から皇室の公的活動に支出される公費「宮廷費」約22億5千万円が使われ、「政教分離に反する」という批判は当時から根強くあった。

大嘗祭
 新たに即位した天皇が1代に1度限り行う重要な儀式。稲作農業を中心とした古代社会の収穫儀礼に根ざしたもの。中核となる「だいじょうきゅう」では、新天皇がその年に収穫された米などを神々に供え、自身も食し、五穀ほうじょうや国家安寧を祈る。今回は来年11月14~15日の予定。

30日 父・ブッシュ元米大統領亡くなる

第41代 息子は第43代

 米国の第41代大統領、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ氏=写真、1992年撮影=が死去した。94歳だった。第43代大統領で長男のジョージ・W・ブッシュ氏が明らかにした。米国史上2度目となる親子そろっての大統領経験者でもあった。
 88年の大統領選で当選し、翌年にはソビエト連邦(当時)最高会議議長だったゴルバチョフ氏と地中海のマルタ島で会談し、冷戦終結を宣言した。91年の湾岸戦争では多国籍軍を率いてイラク軍を破った。92年の大統領選で民主党のクリントン候補に敗北した。

ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ氏の写真
(C)朝日新聞社

12月1日 「反保護主義」を削除 

G20首脳宣言

 アルゼンチン・ブエノスアイレスでの主要20カ国・地域首脳会議(ジー20トゥエンティサミット)は、首脳宣言を採択して閉幕した。宣言からは、これまで明記されてきた「反保護主義」の文言が初めて削除された。アルゼンチン政府高官によると、米側が強く反発したため。G20閉幕は米中首脳会談の直前で、両国が対立する貿易問題にG20として明確な言及を避けた形となった。米中貿易摩擦が激化する中、各国が協調する枠組みとしてのG20の機能不全が鮮明になった。
 次回のG20は来年6月、大阪で開催。日本は初めて議長国を務める。

G20サミット
 Gはグループの頭文字。先進国のG7(日、米、英、仏、独、イタリア、カナダ)に、ロシアやインド、サウジアラビアなど12カ国と欧州連合(EU)を加えた20カ国・地域による首脳会議。2008年のリーマン・ショックを機に始まり、中国やブラジルなどの新興国も参加。毎年開かれ、首脳会議のほか、財務相・中央銀行総裁、外相、農業相などの関係閣僚の会合もある。

1日 米、対中関税引き上げ見送り

通商紛争「一時休戦」 首脳会談

 米国のトランプ大統領と中国のシーチンピン国家主席が、訪問先のアルゼンチンで会談した。米大統領官邸のホワイトハウスによると、米側が来年1月から予定していた中国に対する制裁関税の10%から25%への引き上げを当面見送り、知的財産侵害などをめぐる争いは90日の期限で交渉する。世界経済に影を落とす通商紛争は「一時休戦」となった。
 米国は知的財産の侵害などを理由に7~9月、3度にわたって中国からの輸入品に追加関税をかけた。中国も報復のため米国からの輸入品に関税を上乗せするなど対立していた。

1日 フランス全土で13万人デモ

燃料税引き上げに抗議

 フランスのマクロン政権に抗議するデモが全国であった。現地メディアによると、13万6千人が参加し、影響で1人が死亡。パリだけで一時400人以上がこうそくされた=写真はパリのがいせんもん前で燃え上がる車両。
 きっかけは、政府が来年1月から、環境政策の一環としてガソリンと軽油の増税を決めたこと。公共交通機関が整備されていない郊外や地方ほど影響が大きくなる。これまで政権は法人減税など「富裕層のため」と受け取られる政策を実行してきたため、国民の不満に火がつき、11月半ばから各地でデモが起こっていた。
 フィリップ首相は12月4日、燃料税の引き上げを6カ月間凍結すると発表した。だが「凍結では不十分」との反発が強く、各地で路上封鎖などの抗議行動が続いた。環境相は5日、「来年は引き上げない」と発言した。

パリの凱旋門前で燃え上がる車両の写真
(C)朝日新聞社

2日 服部選手が日本勢14年ぶりV

福岡国際マラソン

 第72回福岡国際マラソン選手権大会で、初出場の服部はっとりゆう選手(25)が2時間7分27秒で日本選手14年ぶりとなる優勝を果たした=写真。
 服部選手は2020年東京五輪の代表選手を選ぶ来年9月のマラソングランドチャンピオンシップの出場権も獲得した。

服部勇馬選手の写真
(C)朝日新聞社

3日 辺野古への土砂「14日投入」

政府が沖縄県に通知

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)のへの移設計画で、政府は辺野古沿岸部への土砂投入を14日に始めると県に通知した。民間の桟橋さんばしから土砂の搬出も始めた。
 県は、必要な手続きが取られていないなどと指摘し、作業の停止を求めた。政府は作業を中断したが、届けを出すなど「行政指導の根拠は解消された」として5日に再開した。

3日 ソユーズ打ち上げ成功

ロシア ISS無人化回避

 ロシア、米国、カナダの宇宙飛行士3人を乗せたロシアのソユーズロケットが、カザフスタンのバイコヌール基地から打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。10月に起きた同ロケットの打ち上げ失敗事故後、有人ロケットの打ち上げは初めて。ISSが無人となる事態も回避された。
 今年6月からISSに滞在している宇宙飛行士3人は今月中旬には地球に帰還しなければならず、それまでに打ち上げを再開できなければ、ISSが無人となり、運用に支障が出ると懸念されていた。

3日 「そだねー」が流行語大賞

カーリング女子日本代表

 今年の世相を反映した言葉を選ぶ「2018ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が発表された。年間大賞には、韓国・ピョンチャン五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子日本代表チームが試合中に話していた「そだねー」が選ばれた。

 新語・流行語トップ10
・そだねー(年間大賞)
・eスポーツ
・(おおさこ)半端ないって
・おっさんずラブ
・ご飯論法
・災害級の暑さ
・スーパーボランティア
・奈良判定
・ボーっと生きてんじゃねーよ!
・#MeToo

3日 米国版はやぶさ、小惑星に到着

試料を持ち帰る予定

 小惑星から試料を採取して持ち帰る米航空宇宙局(NASAナサ)の探査機「オシリス・レックス」が、目的地となる小惑星「ベンヌ」の上空に到着した。
 同機は2016年9月に米南部フロリダ州から打ち上げられた。2年以上かけて、約20億キロを飛行。現在、地球から約1億2200万キロ離れた場所にあるベンヌ(直径約500メートル)まで約19キロに近づいた。今後1年かけて地表を観察し、試料を採取する場所を選ぶ。
 世界で初めて持ち帰りに成功した日本の探査機はやぶさの米国版で、地球への帰還は23年を見込む。

4日 新駅名は「高輪ゲートウェイ」

JR田町-品川駅間

 JRやまのて線・けいひんとうほく線のまちしながわ駅間(東京都港区)に2020年春開業する新駅の名称が、「たかなわゲートウェイ」に決まった。JR東日本が発表した=写真。新駅は山手線では1971年の西にしにっ駅、京浜東北線では2000年のさいたま新都心駅以来で、カタカナを含んだ駅名はどちらも初めて。
 JR東によると、今年6月の駅名公募に約6万4千件の応募があり、最多は「高輪」で、「しばうら」「しばはま」が続いた。これら計約1万3千種類の駅名について、社内の選定委員会が最終選考した。

「高輪ゲートウェイ」を発表しているするようすの写真
(C)朝日新聞社

6日 米軍2機が空中接触し墜落

高知沖 7人中2人発見

 米軍いわくに基地(山口県)に所属するFA18戦闘攻撃機とKC130空中給油機が午前1時40分ごろ、高知県のむろ岬沖、南南東約100キロの海上で訓練中に空中で接触し、墜落した。防衛省によると、自衛隊が2人を発見し、残る5人の捜索を続けている。民間船舶などの被害は確認されていないという。
 米軍機をめぐるトラブルは相次いでいる。今年6月には市沖約120キロの海上で、空軍基地(沖縄県)所属のF15戦闘機が墜落。11月には、FA18戦闘攻撃機が那覇市沖約290キロ付近でエンジントラブルを起こして墜落した。

6日 水道事業の「民営化」しやすく

改正法が成立

 水道事業を「民営化」しやすくする改正水道法が衆議院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。水道の民営化をめぐっては、海外で水道料金の高騰や水質悪化などのトラブルが相次いでおり、野党側は「審議不十分」などと反発していた。
 改正法は、経営悪化が懸念される水道事業の基盤強化が主な目的。水道を運営する自治体などに適切な資産管理を求め、効率化のため広域連携を進める。さらに、自治体が事業の最終責任を負ったまま、運営権を長期間、民間に売却できる「コンセッション方式」と呼ばれる手法を導入しやすくする。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る