朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

5月9日―5月17日

2018年5月20日付

9日 ソフトバンク内川選手、2千安打

プロ野球 史上51人目

 プロ野球ソフトバンクのうちかわせいいち選手(35)が西武戦でプロ通算2千安打を達成した=写真。プロ野球史上51人目。1800試合目での到達は、右打ちではラミレスさん(DeNA)、ながしましげさん(巨人)に次ぐ3番目の早さで、全体の9番目。35歳9カ月での達成は、全体では11位タイの年少記録。

内川聖一選手の写真
(C)朝日新聞社

9日 マハティール氏、再び首相に

マレーシア 独立後初の政権交代

 マレーシアで連邦下院議員選挙(定数222)の投開票が行われ、マハティール元首相(92)=写真=が率いる野党連合が過半数を制して勝利した。1957年の独立以来、初めてとなる政権交代が実現し、マハティール氏が10日、首相に就任した。
 マハティール氏は1981年から22年にわたり首相を務め、日本などの発展に学ぼうと「ルックイースト(東方)政策」を唱えて経済成長を実現した。今回は、政府系ファンドからの資金流用など疑惑が指摘されるナジブ前首相(64)への批判から、野党に転じて選挙に臨んだ。92歳という高齢での再登板は世界的にも異例。

マハティール元首相の写真
(C)朝日新聞社

10日 熊本城の小天守 浮かんだ?

崩れた石垣の解体進む

 2016年4月の熊本地震で大きな被害を受けた熊本城(熊本市中央区)の天守閣などの復旧現場が報道機関に公開された。柱や壁が損傷した小天守は、建物の重みがかかって足元で崩れた石垣の解体が進み、宙に浮いたような状態となっている=写真。
 熊本市は大天守の外観を19年までに復旧。小天守を含めた全体の復旧は、21年春の完了を目指す。

石垣の解体が進み、宙に浮いたような状態となっている熊本城の小天守の写真
(C)朝日新聞社

10日 事実婚7人、夫婦別姓求め提訴

「法の下の平等」問う

 夫婦別姓を望む婚姻届の受理を拒まれた事実婚の男女7人が、夫婦同姓を定めた民法の規定は「法のもとの平等」を保障した憲法違反だとして、国や自治体に損害賠償などを求め、東京地方裁判所や同立川支部、広島地裁に提訴した。同姓にしなければ法的に結婚できないのは不平等だと主張している。
 夫婦同姓は民法750条で定められており、最高裁判所も2015年、この規定を「合憲」と判断した。しかし、内閣府が2月に発表した世論調査の結果で、選択的夫婦別姓制度に賛成する人の割合が4割を超えて過去最高を記録。今回の原告らは改めて裁判で民法の規定について問いたいという。

10日 セブン、ネットコンビニ全国へ

来年度内に

 セブン―イレブン・ジャパンは、スマートフォンで注文できる「ネットコンビニ」を来年度内に全国展開すると発表した。2万店を超す店舗網を生かし、ネットと実店舗を融合させて攻勢をかける。
 スマートフォンで届け先や店舗を選択し、店で扱う弁当や総菜など約2800商品の中から注文できる。24時間注文可能で、最短2時間で届く。昨年10月から実証実験をしている北海道の札幌・たる地区の25店舗では、注文が一日平均3件、単価は約2千円だった。

11日 もんじゅ経費1兆1300億円

会計検査院が調査

 ほぼどうしないまま廃炉となる高速増殖げんけい「もんじゅ」(福井県つる市)について会計検査院が調べたところ、研究や開発のために少なくとも1兆1313億円の経費がかかっていたことがわかった。このうち約4割を占める保守管理費のなかには、交換予定の機器の点検など必要性に疑いのある契約が複数含まれていた。検査院がこの日、国に報告した。
 国は2047年度までに廃炉を完了させる計画で、最低でも3750億円がかかると見込む。検査院は、廃炉費用に人件費などが含まれていないことを挙げ、さらに費用が増加する可能性を指摘した。

もんじゅ
 日本原子力研究開発機構が福井県敦賀市につくった「高速増殖原型炉」。発電しながら自分で使う燃料も増やすので「夢の原子炉」といわれる。1995年にナトリウムがもれる事故があってからほとんど動いていない。

もんじゅの位置を示した地図

11日 ISSから放つ超小型衛星増やす

JAXAが方針 20年度には年100機

 宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)は、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から超小型衛星を放出する能力を大幅に高める方針を固めた。この日、ケニアなどの3機の放出に成功。2020年度には、現在の約20倍の年100機規模にして、独自の衛星打ち上げが難しい新興国の利用も促す。
 超小型衛星は10センチ立方、重さ数キロ程度。市販の電子部品を使い、短期間に安く作ることができる。数百機を使って、地上のインフラ監視や通信網の構築などの活用が見込まれる。世界でベンチャー企業の参入が相次いでいる。

12日 中国・四川大地震から10年

遺族の批判封じ込め

 8万7千人超の死者・行方不明者を出した2008年の中国・せん大地震から10年を迎えた。被災地では遺族がれいに訪れ、犠牲者をついとうした。
 シーチンピン国家主席は、復興で世界から注目される偉大な成果を収めたとアピール。ただ、現地では厳戒態勢が敷かれ、校舎の手抜き工事などで被害拡大を招いたと批判する遺族の動きは封じ込められた。

13日 京大、「名物」の立て看板撤去

景観条例違反と指導受け

 京都大学のよしキャンパス(京都市きょう区)の周囲に並んでいた立て看板=写真=がてっきょされた。京都市が昨年10月、景観について規制する条例に反するとして、大学に文書で指導。京大は昨年12月、大学が承認した団体に限り、指定の場所に決められた期間だけ設置可能とする規定を作った。今月に入って設置団体に撤去を通告。抗議する学生たちとの攻防が続いていた。
 立て看板は学生運動が盛んになった1960年代から目立ち始め、数や内容の多様さで「京大名物」といわれることもあった。

京都大学の吉田キャンパスの周囲に並んでいた立て看板の写真
(C)朝日新聞社

14日 米大使館、エルサレムに移転

ガザで抗議デモ、死傷者多数

 米国が在イスラエル大使館をこれまでのテルアビブからエルサレムに移転した。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言したのを受けたもので、イスラエルが建国を宣言して70年の日に合わせた。
 東エルサレムを首都に国家樹立を目指すパレスチナ人の抗議デモが、自治区ヨルダン川西岸地区とガザ地区で行われた。ガザ地区ではイスラエル軍との衝突が起き、少なくとも子どもを含む62人が死亡、2700人以上が負傷した。

エルサレム
 古代ユダヤ王国の神殿の一部とされる「嘆きの壁」、イスラムのげんしゃムハンマドが昇天したとされる「岩のドーム」などがあり、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地とされる。イスラエルは1967年の第3次中東戦争で東エルサレムを占領して市全域を「首都」と宣言したが、国際的には認められていない。

エジプト、イスラエル、ヨルダンを示した地図
(C)朝日新聞社

14日 新潟・小2殺害、23歳男を逮捕

線路上に遺棄した疑い

 新潟市西区で7日に小学2年の女子児童が殺害され、JRえち線の線路上にされた事件で、新潟県警察は近くに住む会社員の男(23)を死体遺棄と死体そんかいの疑いで逮捕した。「車で連れ去って殺した」などと、殺害について関与を認める説明をしているという。
 容疑者は事件当日から逮捕される日まで、「体調が悪い」などとして会社を休んでいた。

15日 沖縄 本土復帰から46年

平和行進で基地や戦跡巡る

 沖縄の施政権が米国から日本に返還された「本土復帰」から満46年を迎えた。県内では11日から3日間、「5・15平和行進」が行われた=写真。沖縄平和運動センターや労働組合などでつくる実行委員会の主催で、全国から延べ5400人(主催者発表)が参加。米軍基地や沖縄戦跡を巡りながら平和の尊さを訴えた。
 国内外からの観光客数は5年連続で過去最高を更新。好調な経済を背景に、長年の課題だった雇用情勢は改善している。

5・15平和行進が行われている様子の写真
(C)朝日新聞社

16日 候補者男女均等法が成立

女性議員増やす努力義務

 選挙で男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に求める候補者男女均等法が国会で可決、成立した。第2次世界大戦後、女性に参政権が認められてから、女性議員を増やすよう後押しする初めての法律。
 いま女性議員は衆議院で約1割、参議院で約2割にとどまり、地方議会でも少ない。法律では各党に、国会や地方議会の選挙で候補者数を男女均等にする努力を求めるが、強制力はない。来年春の統一地方選挙や参議院議員選挙などでの各党の候補者の立て方が注目されそうだ。

最近の選挙の女性候補者と当選者の割合を表した円グラフ
(C)朝日新聞社

16日 iPS、次は心臓病の治療に

大阪大グループ 今年度中にも

 体のさまざまな細胞に変化できるiPS細胞から作った心臓の筋肉(しんきん)のシートを、心不全の患者に移植する大阪大学のグループの臨床研究について、厚生労働省の部会は計画を大筋で了承した。早ければ今年度中にも移植が始まる見通し。iPS細胞から作った細胞を患者に移植する臨床研究の対象としては、目の難病に続いて2番目となる。
 計画では、血管の詰まりで血液が十分届かないために心筋が傷つく「きょけつせい心筋症」が対象。シートは血管をつくらせる物質などを出し、血流を改善することで、患者の心臓の働きを助けることが期待される。

iPS細胞を使う心不全の臨床研究のイメージ図
(C)朝日新聞社

16日 タミフル、10代使用制限解除へ

インフルエンザ治療薬

 厚生労働省の有識者会議は、インフルエンザ治療薬「タミフル」の10代への使用制限を解除する方針を決めた。薬をのんだ子どもがベランダから転落するなど異常行動が相次ぎ、2007年から10代への使用を原則禁止してきたが、タミフルによって異常行動が起きると結論づけられないと判断した。
 タミフルは国内では01年に発売。のみやすい薬として広く使われた。現在は重症化の危険が高い場合などに処方が認められている。研究班は「薬の服用の有無、種類にかかわらず、インフルエンザかん時には異常行動を起こす可能性がある」とした。

17日 関学大が日大に遺憾の意

アメフトの悪質タックル問題

 アメリカンフットボールの日本大学とかん西せい学院大学の定期戦(6日、東京)で、日大の選手が関学大の選手に悪質なタックルをして負傷させた問題で、関学大が記者会見を行った。日大からの回答書について、負傷した選手や保護者に対し、直接の謝罪申し入れがなかったことにかんの意を表明。経緯や事実関係の説明も不十分だとした。
 日大アメフト部は同日、部長と監督が近く、関学大の関係者に謝罪すると発表した。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る