朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

2月14日―2月21日

2018年2月25日付

14日 米フロリダの高校で乱射、17人死亡

19歳の元生徒を拘束

 米フロリダ州パークランドの高校で銃の乱射事件があり、郡警察によると生徒ら17人が死亡した=写真は15日の追悼式で犠牲者をいたむ人々。警察は高校の元生徒(19)を容疑者としてこうそくした。
 捜査当局によると、容疑者は午後2時すぎに校舎に侵入し、ライフルを乱射した。ライフルは合法的に購入したものだった。銃規制を推進する団体のまとめでは、今年に入って米国の学校での発砲事件は18件目。
 17日には現場近くの都市で、銃規制強化を求める集会が開かれた。21日には全米各地で抗議デモがあった。

追悼式で犠牲者をいたむ人々の写真
(C)朝日新聞社

15日 カズ、最年長ゴールでギネス認定

J2 横浜FC

 サッカー・Jリーグ2部(J2)の横浜FCのうらかずよし選手(50)が、各国・地域のリーグで得点した最年長プロ選手としてギネス世界記録に認定された=写真。50歳14日、昨シーズン3月12日のJ2群馬戦でのゴール。三浦選手は「すぐに破られる記録だと思っている」と、自らの記録更新を宣言した。

認定証を持った三浦知良選手の写真
(C)朝日新聞社

16日 年金開始「70歳超も選択肢」を検討

高齢社会対策大綱を閣議決定

 中長期的な高齢社会対策のもとになる、新たな「高齢社会対策大綱」を政府が閣議決定した。少子高齢化による人手不足を補うために、希望する高齢者が働き続けられるよう、環境を整えることを柱にしている。
 年金の受け取り開始を「70歳を超えてから」も選択できるように検討する。現在は原則65歳で、60歳から70歳の間で選べ、66歳以降は遅くなるほど受給額が増えるしくみ。また、公務員の定年引き上げの検討、高齢者の起業支援のための融資などを挙げている。

高齢社会対策大綱に盛り込まれた主な施策をまとめた表
(C)朝日新聞社

16日 荻田泰永さんに植村直己冒険賞

日本人初 無補給、単独徒歩で南極点

 1月に日本人で初めて無補給、単独徒歩で南極点到達に成功した冒険家のおぎやすながさん(40)が、勇気ある冒険家らに贈られる2017「うえむらなお冒険賞」を受賞した。
 2000年に初めて北極圏を歩いて以降、18年間で15度、計9千キロ以上を移動した。今回は「南極はどんな世界が広がっているのか、わくわく感」を求め、昨年11月から50日間かけて南極点にたどり着いた。次の目標は「北極点への挑戦」。過去に2度挑み、いずれも途中で断念しているという。

16日 日銀総裁・黒田氏再任へ

株価上昇や雇用改善を評価

 しんぞう内閣は、日本銀行のくろはるひこ総裁(73)=写真=を再任する人事案を国会に示した。衆参両院の同意を得て正式に決定する。4月9日付で、任期は2023年までの5年。
 黒田氏は13年3月に総裁に就任。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の柱となる大幅な金融緩和を推し進め、株価の上昇や雇用改善の実績が政権から高く評価された。

日本銀行(日銀)
 日本の中央銀行として、一般の銀行とは異なる役割を持つ。紙幣(日本銀行券)を発行する(発券銀行)、国の資金を預かって出し入れする(政府の銀行)、一般の銀行に対して資金を貸し出したり、預かったりする(銀行の銀行)の三つ。こうした機能を通じて世の中に出回るお金の量を調整し、物価や金融システムの安定を図っている。

日本銀行の黒田東彦総裁の写真
(C)朝日新聞社

16日 ロシア国籍13人と3社を起訴

米大統領選に不正に干渉

 2016年の米大統領選にソーシャルメディアを使って不正に干渉したとして、ロシア国籍の13人と関連企業3社を起訴したと、マラー米特別検察官が発表した。一連のロシア疑惑の捜査で、選挙介入に直接関係した立件は初めて。
 起訴状は、被告らが米国人になりすまし、ツイッターなどに民主党の候補者だったヒラリー・クリントン氏の中傷や、トランプ氏支持に仕向ける書き込みをしたとしている。

16日 全国学力調査 出題形式見直しへ

「知識」「活用」を一本化

 文部科学省は、小学6年生と中学3年生を対象に2007年度から毎年行っている全国学力・学習状況調査の出題形式を見直す考えを明らかにした。毎年実施してきた国語と算数・数学は、基本的な知識を問う「A問題」と、知識を使って考えたり表現したりする力を問う「B問題」を分けて出題してきたが、19年度の調査から一本化するという。
 昨年3月に改訂された小中学校の新学習指導要領は「知識」と「思考力・判断力・表現力」との関係を重視している。このため、学力調査もA問題とB問題を切り離さず、一本化すべきだと判断した。

16日 金井さん、ISSで船外活動

日本人で4人目

 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のかなのりしげ宇宙飛行士(41)は、地球からの補給船などをつかむロボットアームの部品を交換するため、白い宇宙服を着て船外に出た。
 日本人飛行士の船外活動は、2012年のほしあきひこさん以来約5年4カ月ぶりで、4人目だ。

17日 コソボ独立宣言から10年

政治腐敗 欧州で最貧国

 旧ユーゴスラビア・セルビア共和国の自治州だったコソボが独立を宣言してから丸10年となった。
 コソボは鉱物や農業・観光資源に恵まれるが、欧州で最も貧しい国の一つだ。政府はEU(欧州連合)加盟などの課題に向けた取り組みを強調するが、政治家らのはいが発展を遅らせているとの市民の不満は強い。

コソボの地図
(C)朝日新聞社

17日 藤井棋士 史上最年少で六段

朝日杯で優勝 羽生竜王、広瀬八段破り

 将棋の最年少棋士、ふじそう五段(名古屋大学教育学部附属中3年、15)が、第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝・決勝で、よしはる竜王(47)、ひろあきひと八段(31)を相次いで破って優勝し、史上最年少で「六段」に昇段した。15歳6カ月での棋戦優勝は、とう九段(78)の15歳10カ月を抜き、最年少記録。
 日本将棋連盟常務理事のもりしたたく九段(51)は「まんがの世界」と驚く。2017年6月に公式戦29連勝の記録を作り、それから半年ほどの間に「さらにすごみを増しています」。
 六段に上がるのは平均的に20代半ばといわれ、それよりも10歳早いスピード昇進。藤井新六段の強さは「集中力や読みの強さなどの才能、若さに加えて将棋にまじめに取り組む姿勢がどれも極めてすぐれ、バランスが取れていること。最近の対局では逆転勝ちが少なくなり、安定している」と分析する。
 日本将棋連盟には約160人のプロ棋士(四段~九段)が所属。昇段には「公式戦で100勝」「すべての棋士が参加する棋戦で優勝」など、段ごとに「規定」がある。藤井新六段は16年10月に四段になり、18年2月1日に「順位戦C級1組に昇級」で五段になっていた。
 順調にいくと、5月の竜王ランキング戦の成績次第で七段に。そのまま勝ち進み、羽生竜王からタイトルを奪うことができれば、今年中に八段になる可能性もある。(寺村貴彰)

羽生善治竜王と藤井聡太五段の対局中の写真
羽生善治竜王(右)と準決勝で対局

優勝カップを手にする藤井聡太新六段の写真
優勝カップを手にする藤井聡太新六段=どちらも17日、東京都千代田区
どちらも(C)朝日新聞社

19日 資料不適切と厚労省が謝罪

裁量労働制の国会答弁で

 「働き方改革関連法案」をめぐり、厚生労働省は、裁量労働制に関する国会答弁の根拠となったデータが不適切だったことを認め、謝罪した。一般労働者の労働時間の方が長いという結果が出やすい調査をもとに、裁量労働制で働く人と労働時間を比べていた。安倍晋三首相は14日、このデータをもとにした1月29日の「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」との答弁をてっかいしていた。
 野党6党は、裁量労働制の対象拡大を含む同法案について、今国会への提出をやめるよう政府に求める方針で一致した。

裁量労働制
 実際に働いた時間でなく、事前に決められた労働時間に基づいて残業代込みの賃金を支払う制度。研究者や新聞記者など、仕事の進め方や時間をある程度自分で決められる働き手に適用されるが、長時間労働を招くとの指摘がある。

20日 俳人・金子兜太さん死去

前衛俳句運動の中心

 戦後日本を代表する俳人で、ぜんえい俳句運動の中心となったかねとうさん=写真=が、急性呼吸そくはく症候群で死去した。98歳だった。
 埼玉県生まれ。海軍士官として南洋トラック島で太平洋戦争の終戦を迎えた。代表句に「わんきょくし火傷し爆心地のマラソン」など。反戦と平和を訴え続け、安全保障関連法案への反対が広がった2015年には、「アベ政治を許さない」をごう(筆で文字を書くこと)した。

金子兜太さんの写真
(C)朝日新聞社

20日 退位の礼など「国事行為」に

陛下退位に伴う9儀式

 政府は、今の憲法になって初となる天皇陛下の退位の礼について、天皇の国事行為として行う方針を示した。退位の礼は2019年4月30日、皇太子さまの即位の礼は5月1日に実施し、計9儀式を国事行為とする。3月半ばに基本方針をまとめる。

国事行為
 天皇が行うこととして憲法で定められている行為。内閣総理大臣の任命や法律などの公布、国会の召集、衆議院の解散などがある。内閣の助言と承認を必要とし、その責任は内閣が負う。

21日 2040年度、大学進学者12万人減

文科省 現在より2割少ない試算

 2040年度に大学に進学する人は、17年度より12万人減り51万人弱になる――。文部科学省は将来の大学進学状況を初めて詳細に試算し、中央教育審議会(中教審)の部会に示した。大学進学率は上がり続けるものの、18歳人口が大幅に減るため、大学進学者数も現在より2割少ない結果となった。
 現在の全国の大学の定員は合計で約60万人。試算によると、このままで推移した場合、40年度には進学者が定員の約84%まで落ち込む。中教審は今後、40年ごろの大学や高等教育のあり方について議論する予定で、大学の数や定員も焦点の一つになりそうだ。
 一方で、女子の大学進学率は49.1%から56.3%まで伸びると予測している。

18歳人口と大学進学者数の2040年度までの推計グラフ
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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