朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月20日―7月27日

2017年7月30日付

20日 物価上昇率2%達成を先送り

日銀

 日本銀行は金融政策決定会合で、目標の「物価上昇率2%」の達成時期の見通しを「2019年度ごろ」に1年延ばした。目標の達成時期を先送りしたのは6回目で、日銀への信頼が揺らいでいる。
 日銀は13年4月から、銀行から大量の国債を買うなどして世の中にお金を供給し、経済を活性化させようとする「異次元かん」政策に取り組んでいる。しかし企業は賃金を上げることに慎重で、節約したいと考える消費者も多く、日銀が思うようには景気はよくなっていない。

20日 東大理3入試に面接復活

18年度入学者

 東京大学は、2018年度入学者の選抜要項を発表した。前期日程の2次試験は、主に医学部に進む理科3類で、学力試験に加え、別の日に面接試験をする。
 東京大学によると、理科3類の面接試験は11年ぶりの復活。10分程度の個人面接で、人間的な成熟度や医学部への適性、コミュニケーション能力などから、医療や医学研究にふさわしい資質があるかを評価する。学力試験の得点が高くても不合格になることもあるという。

21日 横綱・白鵬が歴代最多1048勝

名古屋場所で39度目V

 大相撲の横綱・はくほう(32)が名古屋場所13日目で大関・たかやすを下し、通算1048勝目を挙げた。前日に並んだ元大関・かいおうの歴代最多記録を抜いて単独1位となった=写真は色紙を手に笑顔を見せる白鵬。初土俵から17年目での達成について「去年のけがからしたら、夢みたい」と振り返った。
 せんしゅうらくの23日、横綱・はるを破り、2場所連続39度目の優勝を決めた。

横綱・白鵬が1048勝のプラカードを笑顔で持っている写真
(C)朝日新聞社

21日 福島第一原発で「燃料デブリ」か

東電 水中ロボットが撮影

 東京電力は、福島第一原子力発電所3号機の水中ロボットによる調査で、原子炉圧力容器から溶け落ちたとみられるかたまりを確認したと発表した。圧力容器の下に垂れ下がっていたり、構造物の上に溶岩のように積み重なったりしていた。東電は、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の可能性が高いとしている。
 ロボットによる調査は今年、1~3号機で相次いで行われたが、デブリのような物体をとらえたのは初めて。
 3号機の原子炉格納容器の底付近にも燃料デブリとみられる塊があったと22日、発表した。今後、得られた映像を分析し、燃料取り出しの方針を決める際の判断材料にする。

福島第一原発3号機の内部調査の図
(C)朝日新聞社

21日 東京・日本橋の景観取り戻す

国交相 首都高を地下化

 いしけいいち・国土交通相は、国の重要文化財の日本橋(東京都中央区)の上を走る首都高速道路の地下移設に向けて取り組むと語った。景観改善が理由だが、数千億円とされる費用負担などは今後、東京都などと協議する。着工は2020年の東京五輪・パラリンピック後になる見通し。
 日本橋は江戸幕府が1603年に設け、五街道の起点となった。日本橋の上の首都高は、1964年の東京五輪開催に向けて建設された。

22日 シンクロ、種目名が変更へ

アーティスティックスイミングに

 国際水泳連盟(FINA)は、水中での技の完成度や美しさ、表現力などを競う水泳種目「シンクロナイズド・スイミング」の種目名を「アーティスティック(芸術的な)スイミング」に変えると決めた。競技内容をイメージしやすい名称にするという。変更時期は不明だが、2020年東京五輪では新たな名称で実施される見通し。
 30日までハンガリーのブダペストで開かれている世界選手権で、日本はチーム・テクニカルルーティンとフリーコンビネーションで銅メダルを獲得した。

22日 秋田各地で豪雨被害 

新幹線の線路脇が崩落

 ばいぜんせんの影響で23日にかけて、秋田県の各地で豪雨による被害が発生した。県内11カ所の観測地点で22日から24時間の降水量が観測史上最大を記録。県南のだいせん市など3市1町の計約2万6千人に避難指示が出された。23日には大仙市でもの川とふくない川がはんらんし、浸水被害が出た。
 秋田新幹線も走る大仙市のJRおう線では、線路脇の地盤が2カ所、最大60㍍にわたって崩れた=写真。

地盤が崩れたJR奥羽線沿線脇の写真
(C)朝日新聞社

秋田県の地図

24日 消費者庁、徳島オフィス開設

「地方創生」の目玉施策

 消費者庁は、徳島県庁内に初の地方拠点となる「消費者行政新未来創造オフィス」を開設した。東京・かすみせきの中央省庁の移転は、しんぞう政権が掲げる「地方創生」の目玉施策。当初は消費者庁の全面移転も検討されたが、庁内外から多くの問題点が指摘され、一部業務の拠点設置にとどまった。
 全面移転の可否は3年後をめどに判断するとしている。

24日 辺野古差し止め、地裁へ提訴

最高裁では沖縄県側が敗訴

 沖縄県のながたけ知事は、国がで進める米軍てん飛行場移設のための埋め立て工事=写真は5月=は、県の許可なく海底のがんしょうを壊すことになるとして、差し止めを求めて地方裁判所に訴えた。
 辺野古への移設計画をめぐっては、埋め立ての承認を取り消した翁長知事を国が訴えた裁判で、最高裁判所が昨年12月、判決を言い渡し、県側の敗訴が確定している。沖縄県と政府が再び法廷で争うことになった。

辺野古の米軍基地埋め立て工事の様子の写真
(C)朝日新聞社
沖縄の地図

24日 東京五輪まであと3年

都庁前でイベント

 2020年東京五輪の開会式まで3年となったこの日、東京・新宿の都庁前の広場で都主催のイベントがあった。都議会議事堂の壁面に東京の街やスポーツの躍動感を表す映像(プロジェクションマッピング)が映し出され、大会への機運を盛り上げた。

都庁前の東京五輪イベントの写真
(C)朝日新聞社

24日 閉会中審査で安倍首相が答弁

加計学園の計画「知らなかった」

 学校法人「学園」の獣医学部新設問題をめぐり、安倍晋三首相が衆議院予算委員会の閉会中審査で答弁に立った=写真。「(学園のこうろう理事長と)学生時代からの友人だが、働きかけや依頼は全くなかった」と語り、自身の関与を改めて否定した。1月20日の国家戦略特区認定まで同学園の計画は知らなかったという。
 翌日の参議院予算委員会の閉会中審査でも「1月20日」に初めて知ったとの認識を繰り返す一方で、「申請段階で承知をした」とした過去の答弁について「混同があった」と修正し陳謝した。

閉会中審査で答弁に立った安倍晋三首相の写真
(C)朝日新聞社

25日 文化庁の移転先は京都府警本館

21年度中までに

 東京から京都への全面移転が決定している文化庁の引っ越し先が、京都府警察の本部本館(京都市上京区)=写真=に決まった。移転時期は、建物を改修するため「遅くとも21年度中」となった。
 移転先として4カ所が候補だったが、場所や工事期間、建物の文化的価値などから、1927年に完成した府警本部本館が選ばれた。改修や増築工事に数十億円かかる。
 文化庁全体の7割にあたる約250人が京都に移り、著作権部門や国会対応、外交部門などは東京に残る。長官と次長1人は京都に常駐する。

文化庁の引っ越し先である京都府警察本部本館の写真
(C)朝日新聞社

25日 最低賃金、2年連続で3%上げ

平均848円、25円増 厚労省

 2017年度の最低賃金(時給)の引き上げ額について、厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は、全国の加重平均で25円上げるべきだとの目安をまとめた。実現すれば全国平均は848円になる。
 安倍晋三政権は、最低賃金を毎年3%上げ、全国平均で1千円とする目標を掲げる。今回は昨年に続き、2年連続で3%となる。

最低賃金
 働く人に対して、企業が支払わなければならない最低限の金額のこと。毎年、労働組合や経済団体の代表と大学教授らが話し合い、引き上げの目安となる金額を示す。それを元に都道府県ごとに額を決める。

26日 新国立競技場、五輪後は球技専用

スポーツ庁が方針

 2020年東京五輪・パラリンピックで主会場となる新国立競技場は、大会後はサッカー、ラグビーの球技専用競技場となりそうだ。スポーツ庁が方針を示した=写真は12日、工事のようす。
 五輪では開閉会式や陸上競技などが行われるが、陸上トラックを残さずに観客席を増設して、収容人数を約6万8千人から8万人に増やす。収益を確保するためだが、年24億円と見込まれる管理維持費をまかなえるのか、不透明な部分が多い。

新国立競技場の工事の様子の写真
(C)朝日新聞社

27日 稲田防衛相、辞任へ 

PKO日報問題で引責

 いなとも防衛相(58)=写真=が辞任の意向を固め、安倍晋三首相に伝えた。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の部隊が作成した日報問題で、28日に特別防衛監察の結果を公表し、責任を取るとして、正式に辞任を表明した。
 日報には、昨年7月に現地で「戦闘」があったなどと記されていた。だが、ジャーナリストからの情報公開請求に対し、防衛省は「陸自内で廃棄済み」としていったん不開示を決定。再調査の結果、12月末に電子データが見つかり、今年2月に該当部分を含む日報の内容を公表した。「組織的ないんぺい」に稲田氏の関与が取りざたされる事態となった。
 この問題ではおかとし陸上幕僚長、くろてつろう防衛事務次官も退職する。

稲田朋美防衛相の写真
(C)朝日新聞社

27日 民進党・蓮舫代表が辞任表明

都議選敗北で 野田幹事長も

 民進党のれんほう代表(49)=写真=が、代表を辞任する意向を表明した。今月の東京都議会議員選挙で、民進党の議席は大きく減少。よしひこ幹事長の交代を含む執行部の入れ替えをする考えだったが、批判はおさまらなかった。
 蓮舫氏は昨年9月に代表に就任。後継を選ぶ代表選では、まえはらせい・元外相やえだゆき・元官房長官が立候補する見通し。
 野田幹事長も25日、幹事長を辞任する考えを表明していた。

民進党の蓮舫代表の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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