朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月13日―7月19日

2017年7月23日付

13日 ノーベル平和賞・劉暁波さん死去

中国、国外での治療認めず

 中国の民主化を訴えて投獄されたままノーベル平和賞を受賞した、人権活動家で作家のリウシアオポーさんが、入院先の病院で亡くなった。61歳だった。
 劉さんは今年6月に末期の肝臓がんと判明。国外での治療を受けることを求めていたが、中国政府は最後まで出国を認めなかった。中国政府に対しては、国内外で批判が高まっている。
 遺体は15日に火葬され、その日のうちに海に散骨された。中国当局は国内に墓ができれば、ついとうする人々が集まり、反政府運動につながりかねないと警戒したとみられる。劉さんの遺族に近い支援者は、遺族は散骨に反対したとしている。

13日 首相、閉会中審査に出席へ

24・25日に実施

 学校法人「学園」の獣医学部新設問題をめぐり、自民党は、野党が求めていたしんぞう首相が出席する予算委員会の閉会中審査を受け入れる考えを民進党に伝えた。自民、公明両党は実施に否定的な考えを示してきたが、内閣支持率が下げ止まらないことへの危機感から、首相の判断で受け入れに転じた。
 自民、民進両党は19日、24日に衆議院予算委員会で、25日に参議院予算委員会でそれぞれ実施することで合意した。

13日 第五福竜丸の内部を撮影

水爆実験に遭遇 3度改修

 63年前、太平洋のビキニかんしょうで米国の水爆実験に遭遇した静岡県やい市のマグロはえ縄漁船・第五ふくりゅうまるの内部を、朝日新聞社が特別な許可を得て、撮影した。
 船内は、くち果てて黒っぽくなっていたり、くぎが飛び出したりしている部分もある=写真。船は1947年に造られ、改造と改修を3度行った。船は現在、東京都江東区の夢の島公園にある第五福竜丸展示館にある。老朽化しており、保存のために見学者には公開されていない。

第五福竜丸
 かつて静岡県の焼津港の遠洋マグロ漁船だった船。1954年3月1日、ビキニ環礁周辺で操業中に米国の水爆実験に巻き込まれ、乗組員23人がばく。半年後に無線長のやまあいきちさんが亡くなった。「ビキニ事件」「第五福竜丸事件」と呼ばれ、広島、長崎への原爆投下に次いで原水爆禁止運動の原点になった。

第五福竜丸の船内の写真
(C)朝日新聞社

13日 いじめの相談、SNSでも

文科省が検討

 いじめに悩む子どもからの相談をSNSで受けられる仕組みをつくろうと、文部科学省の有識者会議で検討が始まった。子ども同士のコミュニケーションで電話よりLINEなどが使われるなか、SNSで相談を受けられるようにするのが狙い。
 文科省は現在も、電話によるいじめ相談の窓口を設けている。今度は新たにSNSからの相談にも応じる仕組みを設ける考え。SNSの場合、文字でのやりとりが中心になり、電話よりも相手の状況がつかみづらいのが課題だ。一方、いじめの証拠となる画像などを簡単に送受信できるメリットもある。

14日 ISSに助っ人 カメラロボ

飛行士の負担1割軽く

 国際宇宙ステーション(ISS)の中を飛び回り、宇宙飛行士の代わりに画像を撮影するボール形ロボットの試験を始めたと、宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)が発表した。
 ロボットは「IntイントBallボール」と名付けられ、直径約15㌢、重さ約1㌔の球形。つく宇宙センター(茨城県つくば市)から遠隔で操作し、機体表面にある12個の穴から空気を噴出してISSの日本実験棟「きぼう」内を移動する。二つの目のような部分の間にあるカメラを使い、実験や機器の点検用の画像を撮影する。
 JAXAによると、ISSに滞在する飛行士の作業のうち、カメラによる撮影や準備が1割を占める。ロボットが撮影を引き受けることで、浮いた時間をほかの実験などにあてられるという。

16日 衆院選区割り改正法施行

小選挙区、戦後最少465に

 衆議院議員選挙の小選挙区の定数を6減らし、19都道府県の97選挙区で線引きを見直す改正公職選挙法がこうされた。「一票の格差」は、2020年時点の見込み人口をもとにすると、最大で1.999倍。「違憲状態」とされる2倍を下回った。
 97選挙区での線引きの見直しは過去最大規模。次の衆院選から小選挙区の定数は、青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島で1ずつ減って289、比例区が4減って176となる。合わせて465は戦後最少。

一票の格差
 選挙区ごとに議員定数と有権者数が異なることから生じる一票の重み(投票価値)の違い。最高裁判所は一票の格差が2倍を超えた直近3回の衆院選について、いずれも違憲状態と判断していた。

衆院選小選挙区の定数配分見直しの図
(C)朝日新聞社

17日 韓国、北朝鮮に軍事会談を提案

赤十字会談も

 韓国は北朝鮮に対し、軍事境界線付近での挑発行為を相互停止するための南北軍事会談と、離散家族の再会事業に向けた赤十字会談の開催を提案した。ムンジェイン政権は南北の対話を柱の一つとしているが、北朝鮮が核開発や軍事挑発をやめないままの提案で、文政権の政策が国際的に批判を浴びる可能性もある。

17日 日本、若年層支援に10億ドル

岸田外相、国連SDGs演説

 きしふみ外相は、米ニューヨークの国連本部で開かれた持続可能な開発目標(エスディーGsジーズ)に関する「政治フォーラム」で演説した。子どもや若年層の教育、保健、格差のせいなどに取り組むため2018年までに10億㌦(約1100億円)規模の支援をしていく考えを表明した。
 会合は日本を含む44カ国が参加し、各国が映像や演説で自国の取り組みを紹介した。岸田外相は、日本政府の取り組みの考え方を「Public Private Action for Partnership」(官と民の連携に向けた取り組み)と表現。世界的なヒット曲で知られるピコ太郎さん=写真、後列右端=の歌になぞらえ、「SDGs版PPAP」を打ち出した。

SDGs(持続可能な開発目標)
 Sustainable Development Goalsの略。貧困や格差をなくし、持続可能な社会を実現するために2030年までに世界が取り組む行動計画。「貧困」「気候変動」など17分野からなり、「妊産婦の死亡率を出生10万人あたり70人未満に削減する」「小売り、消費段階での食料の廃棄を半減させる」といった169の具体的目標が盛り込まれている。先進国も含めた全ての国連加盟国が達成すべき目標として、15年の国連総会で全会一致で採択された。

国連「政治フォーラム」にてピコ太郎さんと一緒にSDGs版PPAPを打ち出した岸田文雄外相の写真
(C)朝日新聞社

18日 医師の日野原重明さん死去

105歳 亡くなる直前まで仕事

 せい国際病院名誉院長のはらしげあきさんが、呼吸不全で亡くなった。105歳だった。日本最高齢の現役医師として、亡くなる直前まで仕事をしていた。
 日野原さんは1911年、山口県生まれ。今の京都大学医学部を卒業後、東京・つきの聖路加国際病院の内科医となった。成人病と呼ばれていた心臓病などを「生活習慣病」と呼んで予防を呼びかけるなどした。
 小中学生を対象に、約30年間にわたって続けた「いのちの授業」では、子どもたちに命のとうとさを伝えることに情熱を注いだ。

日野原重明さんの写真
患者と話す日野原さん=2012年、聖路加国際病院、渡辺英明撮影

18日 民進党・蓮舫代表、戸籍開示

二重国籍の批判うけ

 民進党のれんほう代表=写真=は記者会見で、国籍法に基づいて日本国籍を選んだことを証明する戸籍とうほんの一部などを開示した。党内外で「台湾との二重国籍では」と批判されていることをかわす狙いだが、二重国籍の人への差別を助長しかねないとの批判の声も出ている。
 戸籍の開示には党内の賛否が割れ、専門家から批判が相次いでいる。蓮舫氏は「差別を助長しない社会をつくる」と強調したが、さらなる党勢低迷と混乱を招く可能性がある。

二重国籍
 二つの国の国籍を持つこと。日本の国籍と外国の国籍を持つ人は、一定の期限までに、どちらかの国籍を選択する必要があると、国籍法に定められている。出生地によってほぼ自動的にその国の国籍を与えられている場合や、父母のどちらかが外国人の場合などで、二重国籍となる場合がある。

蓮舫さんの写真
(C)朝日新聞社

18日 サッカー本田選手、メキシコへ

強豪パチューカに移籍

 サッカー日本代表のほんけいすけ選手が、メキシコ1部の強豪パチューカへの入団会見にのぞんだ=写真。クラブ本拠地がある町で、「できる限りチームの力になりたい」とスペイン語で語り、サポーターから大きな拍手が送られた。
 本田選手はイタリア1部ACミランとの契約が6月末で満了となっていた。パチューカでの背番号は2。

本田圭佑選手のパチューカ入団会見の写真
(C)朝日新聞社

18日 トルコでデフリンピック開幕

耳が不自由な人のスポーツ大会

 4年に1度、耳に障がいがある選手が出場する国際スポーツ大会「デフリンピック」が、トルコ・サムスンで開幕した。97カ国・地域から約3千人の選手が参加。30日までの日程で、21競技が行われる。
 腕や足にけっそんなどの機能障がいがある選手と、視覚、知的に障がいがある選手が出場しているパラリンピックとは別の大会で、1924年に第1回大会が開催された。日本からは今回、選手108人が参加している=写真。

デフリンピック開会式の写真
(C)朝日新聞社

19日 九州豪雨 仮設住宅建設へ

災害発生から2週間

 九州北部の豪雨災害が発生から2週間を迎えた。
 多くの建物が被害にあった福岡県あさくら市ととうほう村では、福岡県が応急仮設住宅の建設を始めた。小学校の運動場などに計57戸を、およそ1カ月間で建設する。
 大分県は18日、県内の被害総額は15日現在で約206億円にのぼると発表。昨年4月に起きた熊本地震による大分県内の被害総額約95億円の倍以上になっている。

九州豪雨での不明者を探す自衛隊員の写真
不明者を捜索する自衛隊員
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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