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2015年5月17日付
だが、2000年代以降のデジタル化の進展によりCDの売り上げを追うだけでは、音楽の流行の全体像をつかみきれなくなってきた。
日本レコード協会の調べでは、国内のCD生産枚数は05年の約3億枚から14年は約1億7千万枚に激減。国際レコード産業連盟によると、昨年初めて全世界のデジタル販売の売上高がCD・レコードなどを逆転した。お金を払わず、ユーチューブで聴くだけで満足する若者も増えている。
時代の変化を受け、米国の音楽業界誌ビルボードの日本版ランキングは、CD売り上げだけでなく、ダウンロードやツイッターでの反響などを集計。近く、ユーチューブの再生回数も反映する予定だ。
本社チャートディレクターのシルビオ・ピエトロルオンゴさんは「音楽界は、CDという『モノを所有する』あり方から、配信など『音楽にアクセスする』モデルへ転換しつつある。現在の音楽市場を正確に反映したい」と述べる。
一方、オリコンの小池恒社長は「動画サイトは無料なうえ、再生回数を操作される恐れもある。配信についても検討しているが、『パッケージ(CD)しか出さない』というポリシーの人もおり、関係者全員の協力を取り付けるのは大変困難」と話している。
ネットに対抗し、インストアライブなど「リアル」で集客するケースも増えてきた=2014年12月13日、東京都渋谷区のタワーレコード渋谷店
(C)朝日新聞社
解説者
神庭亮介
朝日新聞デジタル編集部前文化くらし報道部
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