朝日中高生新聞
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今年の通常国会、見どころは?

2020年1月19日付

 戦後201回目の国会が20日に始まる。首相が主催する「桜を見る会」の問題について安倍晋三首相がどう説明するのか、注目だ。カジノを日本につくる計画をめぐって国会議員が逮捕される事件も起き、このまま計画を進めていいのかも問われる。

政治の行く末決める

花形の予算委員会 議員は東奔西走

 毎年1月に始まる国会は「通常国会」と呼ばれる。秋ごろに開かれることがある「臨時国会」などと合わせ、今回は戦後201回目だ。
 通常国会では、首相が今年何をしたいのか説明する「施政方針演説」に続き、各党の幹部の「代表質問」がある。そして国会の花形と言われる「予算委員会」で、首相や大臣が出席して新年度の予算案を話し合う。ここでは予算に限らず、国の政治の全般にわたる質問を受ける。
 会期が始まると、国会議員は忙しい日々を送る。「本会議」には全員が出席し、法律案や予算案などへの賛否を表明する採決をする。予算、外交、農業、教育などテーマごとに分かれた「委員会」にも割り振られて出席する。
 国会でどんな質問をするか事前に考える「質問作り」も大切な仕事だ。役所の官僚に話を聞いたり、現場を見たりする。
 国会の外でも朝から晩まで、政党の会議に出席したり、食事をしたりしながら、情報交換や仲間集めをしている。
 通常国会は150日間で、6月まで。さらに1度だけ延長できる。
 ただ、今年は夏に東京五輪・パラリンピックや東京都知事選挙があるので、大幅な延長はないとみられている。このころになると、来年10月で任期の終わる衆議院議員の選挙がいつあるかも、政治では大きな注目点になる。

野党の追及は

桜を見る会、カジノに批判集中か

 昨年に続き、今国会でも「桜を見る会」が最大のテーマになりそうだ。3千万~5千万円ほどの税金を使い、首相がいろいろな分野で活躍する人を招待する行事のはずが、首相の地元で選挙を応援する後援会の人たちが多く招待されていたことが、問題になった。野党は「税金を使って、支援者をもてなしたのではないか」と批判している。
 前の国会の終盤では、首相がすすんで説明せず、多くの疑問点が残った。今国会では首相が出席して答弁する予算委員会がさっそくあり、注目だ。
 昨年末に国会議員が逮捕された事件では、カジノを含む統合型リゾート(IR)という施設が話題になった。安倍内閣は「成長戦略」と呼び、国内外からたくさんの人が訪れ、経済が成長すると説明している。
 ただ、今回の事件のように不正なお金が流れていないか、そもそもギャンブルに依存する人が増えないかなど、野党が批判を強めている。野党の一部は廃止法案を出す予定で、議論がどうなるのか注視したい。
 中高生の将来にかかわる課題もテーマになる。日本では「少子高齢化」が大きな問題になっている。将来受け取る年金などの社会保障を改革する法案が議論される見込みだ。

解説者
さち子
朝日新聞政治部記者

自民党の仕事始めであいさつする安倍晋三首相の写真
自民党の仕事始めであいさつする安倍晋三首相=7日、東京都千代田区
どれも(C)朝日新聞社

国会の衆議院本会議場の写真
首相の施政方針演説などが行われる国会の衆議院本会議場=2019年11月

カジノをめぐる問題について省庁の担当者などにヒアリングする野党の議員らの写真
カジノをめぐる問題について省庁の担当者などにヒアリングする野党の議員ら=7日、国会内

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