朝日小学生新聞
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しゅうだんなかひつよう  「はたらかないアリ」 2わりいるよ

2016年3月7日付

ほっかいどうだいがくがわえいすけさんらけんきゅう

 イソップどう「アリとキリギリス」では、アリははたらものとしてえがかれています。げんじつのアリのかいでは、しゅうだんなかやく2わりがふだんはほとんどはたらきません。でも、この2わりのアリは、じゅうようやくわりたしていることがほっかいどうだいがくじゅんきょうじゅがわえいすけさんらのけんきゅうでわかりました。「はたらかないアリ」はなぜいるのでしょうか。(こんどう

きんべんアリがつかれたときこうたい

 アリは、「コロニー」とばれるしゅうだんつくものです。コロニーは、はんしょくせんもんにするたいじょおうアリ)と、エサをあつめたり、ようちゅうじょおうをしたりするなどのろうどうせんもんにこなすたいはたらきアリ)からなります。
 せっせとはたらくイメージがつよいアリ。しかし、がわさんによると、アリのコロニーにはやく2わりぶんからだをなめたり、もくてきもなくあるいたりする「はたらかないアリ」がいるそうです。この2わりは、はたらくアリだけをしても、またおなわりあいあらわれることがたしかめられています。
 アリは、ほかのコロニーときょうそうするため、こうりつげて、エサをかくしなければなりません。しかし、はたらかないアリがいるとこうりつげてしまいます。なぜ、こうりつをさまたげるはたらかないアリがいるかは、ながねんなぞでした。
 がわさんらのチームは、アリにはたまごなど「つねに、だれかがはたらいていないとコロニーをそんぞくできないごと」があることにちゅうもく。二つのシステムで、どちらがコロニーをながそんぞくできるかを調しらべました。一つは、ふだんはたらかないアリがはたらきアリがつかれてはたらけないときにはたらくシステム、もういっぽうぜんいんがいっせいにはたらくシステムです。

いっせいにはたらいてぜんいんダウンしたら
しきそんぞくできなくなる

 コンピューターシミュレーションでくらべたところ、はたらかないアリがいるシステムのほうが、はたらきアリがつかれたときでも、たまごなどのごとをできるアリがいるため、ながそんぞくしました。
 また、1ぴきずつちがういろをつけてたいしきべつしたうえで、1かげつじょう、8コロニー(1コロニーにつき150ぴき)でこうどうかんさつしました。すると、はたらきアリがやすんでいるときに、はたらいていなかったアリがはたらくことがわかりました。
 がわさんは「はたらくアリと、はたらかないアリのちがいは『はんのういき』の」といます。はんのういきとは、「どのくらいのげきはんのうしようとするか」をあらわあたいで、アリははんのういきひくいものからじゅんはたらきます。
 「はたらかないアリははんのういきたかいだけで、『はたらきたくない』というわけではありません。いっせいにはたらくとみんながはたらけなくなったときしきそんぞくできなくなります。はたらかないアリは、てきじょうきょうをのがれるためにいるとかんがえられます」
 にんげんしきでもおなじことがえるかもしれないというがわさん。「こうりつもとめすぎると、しきそんぞくおおきなダメージがてしまうのうせいがあります。みなさんがおとになってしきうんえいするときさんこうにしてほしいとおもいます」

長谷川英祐さんの写真
長谷川英祐さん

働かないアリがいるときといないときを説明したイラスト
イラスト・ふじわらのりこ

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