朝日小学生新聞
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■プロ家庭教師の安浪京子先生が、中学受験への親の関わり方をQ&A形式で答える連載です■

第153回は「過去問の点数が全然取れません」というお悩みへの答えです。

Q.過去問の点数が全然取れません。

A.9月に入ると、塾から過去問に取りかかるよう指示があります。過去問の取り扱い方については塾や先生によって論が様々なので、混乱されている方も多いと思います。

だからこそ過去問の進め方については、お子さんの状況とマッチし、ご家庭の納得のいく情報を信頼してついていきましょう。
特に「開始時期」「取り組む年数」「同じものに何回取り組むか」は、お子さんの状況や志望校によって変わってきます。塾の指示で一斉に「よーいドン」できるものでもありません(※1)。

そんな中、すでに過去問を解き始めて「全く点数が取れない…」と落ち込まれている方の相談が後を絶ちませんが、ここで塾のカリキュラムを考えてみましょう。
多くの進学塾では、6年生8月末で一通りの内容が終わり、9月から総復習及び志望校対策に入るように組まれています。つまり、過去問対策は「これからやっていくもの」であり、「4科合計で50点以上足りない」というのは、ごく普通の事なのです。

例えば「“規則性”が苦手なのに、毎年大問で“規則性”が出る」ならば、今すべきは過去問ではなく、規則性のテコ入れです。大問1つで約20点。対策をしなければ、毎回20点分落とすことになります。
頻出分野の対策をせずに過去問に取り組むのは、貴重な過去問の無駄遣いですし、何より本人や家族が落ち込みます。

特に分野と単元特性のはっきりしている「算数/理科」については、必ず学校の出題傾向を分析し、そのための手をうち、それから取りかかりましょう(※2)。

むしろ、現時点で「第一志望に余裕で届いている」状態ならば、過去問は一旦ストップさせるべきです。最後の仕上げ時期(12,1月)に解く過去問がなくなってしまい、子どもは解くスピード感、問題取捨選択眼などを忘れます。何より、子どもは安心すると慢心します。
「入試にピークを持ってくる」これを肝に銘じて、くれぐれも過去問をむやみに解き散らかさないようにしてくださいね。

【きょうこ先生からのお知らせ】
(※1)オンライン中学受験カフェにて『過去問セミナー』をアップします(10月3日予定)。有料会員様向けとなりますが、ぜひご活用ください。
中学受験カフェ https://juken-chugaku.com/
(※2)『算数の過去問分析』については10月1日にセミナーを実施します。申し込まれた方はアーカイブもご覧頂けます。https://kakomonnote.peatix.com/

その他、9月30日に『関西受験」悔いなく本番を迎えるために今すべき3つのこと』を開催します。関西受験は受験日程組みが鍵を握ります。ぜひ参考になさってみてください。 http://ptix.at/lmYO3m

【プロフィール】
安浪京子先生
 1976年、岐阜県生まれ。中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表。オンラインサイト『中学受験カフェ』https://juken-chugaku.com/ 主宰。受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、このメルマガ連載をまとめた書籍『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)、『きょうこ先生監修 中学受験合格手帳2022』など。

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