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朝日小学生新聞 2020年6月6日付け
イラスト・佐々木恵子
熱中症以外にも、長時間マスクをつけることで心配されるのが、肌へのできものや日焼けです。肌あれを防ぐ方法やマスクの選び方などを、皮膚科の専門医に聞きました。(佐藤美咲)
汗をかいたら顔をふきふき
東京八丁堀皮膚科・形成外科の院長、平山真奈さんは、マスクによる肌あれの原因の一つに「蒸れ」を挙げます。特に密閉性がある不織布マスクは、布マスクに比べて蒸れやすいといいます。
「これから気温が高くなると、汗をかき、マスクの中は蒸れやすくなります。すると、あせもなどの湿疹が発生しやすくなります」
めがねをかけている場合は、目の周りにあせものような湿疹ができてしまうこともあります。マスクの中にたまった蒸気が鼻のわきから出てしまい、めがねにこもってしまうからです。
平山さんは「蒸れを防ぐために、汗をかいたと思ったらハンカチやタオルなどで顔をふきましょう」とアドバイスします。
蒸れのほかにも、マスクの摩擦で肌あれを引き起こしてしまうことがあります。
肌への負担を少しでも軽くするために平山さんがすすめるのは、ガーゼマスクなどやわらかい素材のものです。肌全体があれてしまっている場合は、やわらかい素材のものでぬい目の細かいマスクをすすめます。
「さらにガーゼのような布をマスクと顔の間に1枚はさむと、肌への負担が軽くなります。肌があれているときはしっかり薬などをぬったうえでマスクをつけるようにしましょう」
洗顔の後は忘れずに保湿!
平山さんは、マスクによる肌あれを防ぐために、「ふだんから肌の状態を整えておくことが大切です」といいます。朝はもちろん、家に帰ったらウイルスをとりのぞく意味もふくめ、顔を洗うようにしましょう。その後、忘れずに保湿をすることが重要です。
「保湿剤や化粧水などを使って、しっかり保湿をしましょう。肌がしみてしまうようであれば湿疹が出ている可能性があります。その場合は、病院で診察を受けてください」
平山さんは、一日でおさまらない赤みが続いたり、気が散るほどのかゆみがあったりする場合も病院で相談することをすすめます。
肌あれのほかにも、マスクをして外出することで、マスクにおおわれていない部分が日焼けをしてしまうと心配する人もいるかもしれません。
しかし、「マスクをしている部分も紫外線対策は万全ではありません」と平山さん。「マスクも紫外線を通してしまうので、顔全体に日焼け止めをまんべんなくぬってからマスクをしてほしい」とアドバイスします。
「日焼けでほてった場合、その部分をおうちで冷やすようにしてくださいね」