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 子どもと海のSDGs「SDGsってなんだろう」出張授業リポート

仙台市立東長町小学校の5年生が授業に参加してくれました。

 仙台市立東長町小学校では、東海大学海洋学部博物館の学芸員、伊藤芳英さんが、2時間目の授業を担当しました。

  伊藤さんはまず、地図を使って静岡県の駿河湾について紹介しました。 「駿河湾は日本一深い湾です。海底の谷は2450メートルの深さがあります」

 伊藤さんがふだん働いている博物館は、駿河湾に面した三保海岸の近くにあります。 三保海岸には、貝殻やヒトデ、ウニなどの生物、ときにはクジラも打ち上がることがあるそうです。

 そして、三保海岸の大きな特徴は、銀色に輝く「ミズウオ」という深海魚が、生きたまましばしば打ち上がることです。

 全長は60センチ~140センチほど。伊藤さんの博物館では、打ち上がった個体を解剖し、海の中でミズウオがどんなエサを食べているのか、調査を続けています。

 長年の調査の結果、昔に比べてごみが見つかる確率が増えているそうです。伊藤さんは、実際にミズウオの胃から出てきた様々なプラスチックごみを学校に持参しました。

 深海魚のミズウオは、食べてもあまりおいしい魚ではありません。でも、ふだん私たちの目に触れることの少ない海の中が、いかにプラスチックごみで汚染されているかを教えてくれる存在なのです。

 授業では、「ミニ実験」も行いました。 静岡市の浜辺で集めた砂に水を加え、容器の中でよくかき混ぜます。すると、色とりどりの小さな粒が浮き上がってきました。

 
「大きさが5ミリ以下のプラスチックごみ。マイクロプラスチックといいます」。伊藤さんが説明しました。海辺の砂の中にひそむマイクロプラスチックの現状を、子どもたちは目の当たりにしました。

 伊藤さんは授業の最後に、「海の自然を大切にするために、まずは自分にできることから、行動してください」と呼びかけました。


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