世界中に人気広がる 日本のまんがとアニメ

出典:朝日小学生新聞 2018年5月25日付

 平成生まれのもので時代をふり返るシリーズ第2弾です。ポケットモンスター(ポケモン)やONE PIECEが生まれた平成は、日本のまんがやアニメが世界中に広がった時代でした。日本のアニメに影響を受け、人生を決めた外国人もいます。(寺村貴彰)

NARUTO読んで女流棋士に
 ポーランドで1991(平成3)年に生まれたカロリーナ・ステチェンスカさん(26歳)は、小さいころから日本のアニメが大好きでした。16歳のとき、日本の忍者まんが「NARUTO」で登場人物が指していた将棋に興味を持ち、勉強を重ねて2017年、ついに外国人初の女流棋士になりました。

わたしたち平成生まれ
棋士の道を決定づけたまんが「NARUTO」を手にするカロリーナさん
=2018年5月8日、東京都渋谷区の東京・将棋会館

 ポーランドはとても親日的な国で、日本のアニメが数多く放送されています。「美少女戦士セーラームーン」「ドラゴンボール」や「ポケモン」などが人気。翻訳された単行本が置いてある本屋もあるそうです。

人生を変える存在
 単行本が発売される日を、数か月前から楽しみにしていたカロリーナさん。日本のまんがはほかの国の作品と比べて「キャラクターのかわいらしさやストーリー性が人気」といいます。例えば、あたふたしている動きから「あわてんぼう」だろうと、絵から性格を読み取れる、といったことです。大きな目はかわいらしく、「ズゴゴー」などの擬音もおもしろいのだそうです。

 今はボクシングまんが「はじめの一歩」に夢中のカロリーナさん。「日本のまんがに出会わなかったら今の私はありません。人生を変えるくらいの存在なんです」

わたしたち平成生まれ

「コンテンツ」が横に広がる
 日本のアニメ文化にくわしいデジタルハリウッド大学(東京都)学長の杉山知之さんは、「アニメにおける『平成』は、国際的に認められた30年。世界中の人が日本アニメに気がついた時代」と話します。

 日本のアニメは平成より前から世界中で見られていましたが、それらが日本の作品とはほとんど知られていませんでした。1990年代後半にインターネットが広がり、ブログなどの口コミで一気に作品と日本が結びつきました。今は、どこの国の本屋にも日本のまんがが並んでいますが、平成以前にはまず考えられませんでした。

キャラクターのかわいさ ストーリーのおもしろさ
 「日本のよさは多様性があるところです。日本は第2次世界大戦に敗れ、『日本人とはこうあるべき』というはっきりした基準がなくなりました。宗教や歴史観にしばられないため、アメリカやヨーロッパにはない、楽しくてワクワクするストーリーが生まれるのです」と杉山さん。

 なかでもポケモンは、海外向けに制作や提供にかかわる「コンテンツ産業」として初めて成功した作品です。ゲームからアニメや映画に広がり、主題歌や小説、CMなど、「横に広げていくことがビジネスになると気がついたのが平成の特徴といえます」。

 最近では電子出版が広がり、プロでなくても簡単に作品を発表できる機会が増えました。本屋に並んでいなければ発見されなかった小さな才能が、SNSがきっかけで花開く例が実際に起こっています。

 杉山さんは「小学生っていろんなことがおもしろいでしょう。今もっている『ワクワクする気持ち』を決して忘れないでください。平成の次は、そんな夢を持ち続け、創造力をもって大きく育った人が勝つ時代だと思います」と話します。


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