楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

全校で毎週「新聞タイム」

 

 

 

 東京都北区東十条小学校(児童数400人)は週1回、「新聞タイム」を設けています。約3年前から始めた活動で、1時間目が始まる前の15分間、全学年の子どもたちが教室で新聞を読んでいます。

 


気になる記事を切りぬいたり、感想を書いたりする子どもたち=東京都北区の東十条小で

 

 

 

 

自然に広がる社会への興味

 

 子どもたちは数種類の新聞から気になる記事を選び、100字程度の感想を書きます。4年1組の教室をのぞくと、子どもたちが新聞を真剣な表情で読んだり、記事を切りぬいたりしていました。大橋菜々香さんは、朝小に連載中の「おしえてさかなクン」の記事を選びました。さかなクンが東日本大震災の被災地、岩手県の水族館をたずねた話です。「生き物が好きだからこの記事を選びました。アオウミガメなど被災地の生き物のようすが分かりました。『新聞タイム』を毎週、楽しみにしています」
  石田くんは、一般紙の震災の記事に注目しました。飼い主とはなれた犬が家族のもとに帰ってきたという記事です。「感想を書くのが難しいけど、続けているうちに長く書けるようになりました。犬が飼い主に会えてよかったです」
  「記事に難しい漢字があったら辞書を引くようにしています」と話すのは今岡陸くん。記事を理解したい気持ちから自然に調べる習慣が身についたそうです。
  校長の関口修司先生(55歳)は20年以上前から、新聞を使った教育活動に力を入れています。ねらいは、子どもたちに社会への興味を広げてもらうことです。
  写真やグラフがのっているのも新聞の良い点だと考えています。「写真はどのような場面か、グラフはどのような情報を伝えているかなどを考えることができ、資料を読み解く力につながると思います」と関口先生。
  長く続けていると、子どもに変化があらわれるといいます。「新聞は『難しい漢字が並んでいて苦手』という子どもが続けているうちに、『今日はどんなニュースがあったの?』という姿勢に変わり、すすんで新聞を開くようになりました」

 今後も、新聞づくりや新聞をテーマにした発表会に取り組んでいく予定です。

 

 

記事はワークシートに貼って見出しや感想を書きこみます

 

 

 

 

 

2011年5月24日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
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