楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

スクラップで「私の1冊」

 

 

 

 新聞をより楽しく読む方法の一つに「新聞スクラップ」があります。気になる記事を切りぬき、調べたことや感想をそえて1冊にまとめれば、自分だけの作品になります。読む力や書く力がつくだけでなく、視野も広がります。

 

 

▲内藤さん(東京都・4年)は去年、「食べる」をテーマに新聞スクラップ帳をつくりました

 

 

まず興味ある記事を

 

 新聞スクラップに決まった方法はありませんが、初めての人は次のような順番で進めるといいでしょう。
 

 @切りぬく記事を決める
 長く続けるコツは、自分が興味のある記事を選ぶことです。
 一つテーマを決めてそれにそった記事を集める、一つのコーナーを続けて切りぬく、とにかく気になる記事を切りとるなど、自分にあった方法をみつけましょう。
 何日か新聞をながめてから、できそうなテーマを見つけるといった方法もあります。
 

 A記事を切りぬいてはる
 選んだ記事を切りぬきます。
 マーカーで記事の周りを囲んでから切ると、記事の途中で切り落としてしまうような失敗を防ぐことができます。

  のりは記事のふちだけにつけると、しわがあまり出ないできれいにはることができます。書きこむスペースを取るので、はじに寄せてはりましょう。大きな記事は折りたたむといいでしょう。
 記事の横には必ず、新聞名と日付を入れておきます。

 

 B自分だけの工夫をする
 記事の内容を自分の言葉で短くまとめる(要約)、わからないことばや関連する内容を調べて書きこむ、同じテーマについて書いた大人の新聞をいっしょにはる、感想を書くなど、記事をもとにいろいろな方向に発展させていきましょう。

 

 C最初と最後のまとめを加える
 そのテーマを選んだ理由を最初のページに書きます。
 最後のページには、スクラップをしてわかったこと、考えたことなどを書いて「まとめ」とします。
 この順番を参考にどんどん自分なりのやり方をつくっていきましょう。

 

 

 

新聞スクラップの手順
@切りぬく記事を決める
  自分が興味あるものを選ぼう。長く続けられるよ
A記事を切りぬいてはる
 マーカーで囲んでから切りとると失敗しないよ
B自分だけの工夫をする
 要約や感想、調べたことを書きこむなど、あなただけのものにする工夫を。イラストや飾り文字なども使って楽しくまとめよう
C最初と最後のまとめを加える
 テーマやテーマを選んだ理由、スクラップを通じてわかったことや感想を書こう
イラスト・おおつかよういちろう

 

 

 

朝小読者も取り組み中

 

 

 本つくるみたいで楽しい/作文や漢字も得意に

 

 朝日小学生新聞の読者も新聞スクラップに取り組んでいます。
 茨城県日立市小3年の片平さんは、新聞社が行うスクラップ講習会への参加をきっかけに1年生から始めました。「自分で本をつくっているみたいですごく楽しいです」
 戦中戦後を生きぬく少年のようすをえがいた漫画『はだしのゲン』が大好きで何度も読んだという片平さん。去年の夏休みには、「太平洋戦争と原爆」をテーマに、2週間ほどスクラップに取り組みました。

 余白には記事の要約、自分の感想、辞書で調べた難しい言葉の意味を書きこみました。ほかにも、初めて知ったことをふきだしに書いたり、絵にかいたり。調べ足りないときには、市の展覧会にも足を運びました。

 「スクラップの楽しさは、記事を読んで自分の感想を自由に書けるところ」というのは、東京都練馬区小学校4年の内藤さん。週2〜3回、新聞を読んで気になった記事を切りぬき、ノートにはっています。
  「将来、パティシエになりたいので、料理に関する記事が目につきます」。実際に料理して、写真を撮り、記事にそえることも。「自分だったらもっとこうすると思ったら、そのデザイン画をかいたりもします」
  内藤さんはスクラップがほかの学習にも役立っているといいます。「まず、作文が得意になりました。新聞記事には習っていない漢字も出てきます。読みながらなんとなく覚えてしまうので、漢字がよく読めるようにもなりました」

 

2011年5月10日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
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