詩人・谷川俊太郎さんと、絵本作家・ヨシタケシンスケさんから
コロナ禍でもがんばる子どもたちにエールが届きました。

2021.01.22

イラスト:ヨシタケシンスケ

丸呑まるのみだあ
谷川たにかわ俊太郎しゅんたろう

えてる青空あおぞら
えてる子犬こいぬ
えてるともだち
えてる自分じぶん
えない昨日きのう
えない明日あした
コロナウイルスえません
ブラックホールもえません

えてるものは安心あんしん
えないものはなんだかこわい でも
えないものをよくまなべば
えてくるからこわくなくなる

えているのにわからない
えてないのにわかってしまう
えるえないわかるわからん
ミックスジュースで丸呑まるのみだあ!

詩人・谷川俊太郎さんと、絵本作家・ヨシタケシンスケさんから、コロナ禍でがんばる子どもたちにエールが届き、上毛新聞「週刊 風っ子」、下野新聞「週刊しもつけ 子どもタイムズ」、茨城新聞「週刊いばらきこども新聞」、「朝日小学生新聞」、中日新聞「中日こどもWEEKLY」、信濃毎日新聞「信毎こども新聞」、新潟日報「まいにちふむふむ」、山陽新聞「子どもしんぶん さん太タイムズ」、高知新聞「こども高知新聞 読もっか」、愛媛新聞「ジュニア愛媛新聞 スマイルピント」、西日本新聞「親子で読む こどもタイムズ」、南日本新聞「南日本こども新聞 オセモコ」、琉球新報「琉球新報小中学生新聞 りゅうPON」、沖縄タイムス「ワラビー」で紹介されました。

谷川俊太郎さんインタビュー

なんでもいいから好きを見つけて

足を悪くしてから出歩かなくなり、ずっとステイホームのような状態で、新型コロナウイルスの感染が拡大してからも、生活は普段とあまり変わりませんでした。ただ、歴史的には、スペイン風邪などの大きな疫病があったかもしれませんが、私たちが経験したことのない世界的な疫病で、心と体にも大変に影響していると思います。

今回の詩は、「見えてる」「見えない」ことを書きましたが、年齢を重ねて見えるようになったことがたくさんあります。その一つは、若いころに読んだ本を読み返すと新たな発見がある、ということです。それに、感動の質がちがいます。若いころは頭で感動していたのですが、今は体ぐるみ・全身で感動しています。体はおとろえたけれど、頭はよくなって、考えもさえてきている感じ。年をとるのって、楽しいですよ。

座右の銘みたいなものはないのですが、好きな言葉は、「好き」。「好き」って肯定的で、必ず喜びにつながります。メッセージとかは苦手なんですけど、 なんでもいいから、好きなこと、好きな人をみつけてほしいな。「好き」を持っていると生きるエネルギーになり、未来につながっていきます。
(インタビュー 市川博正)

撮影 深堀瑞穂
【プロフィール】たにかわ・しゅんたろう
1931年、東京出身。日本を代表する詩人で、絵本・童話作家や翻訳家など幅広く活躍。52年に第一詩集『二十億年の孤独』(創元社)を刊行して以来、詩集『すき』(理論社) や絵本翻訳『スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし』(作 レオ・レオニ/ 好学社)など著書多数。小中学校の校歌も数多く作詞している
【プロフィール】よしたけ・しんすけ
1973年、神奈川県出身。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。2013年に絵本『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)でMOE絵本屋さん大賞第1位などを受賞。「第2回小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」では、『あるかしら書店』(ポプラ社)が第2位、『りんごかもしれない』が第3位に選ばれた。