4月22日〜29日ニュース
朝日中学生ウイークリー
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【東日本大震災ドキュメント】

 

4月22日
▽大畠章宏国土交通相は、東日本大震災からの復興財源にあてるため、高速道路の「休日上限1千円」の割引と無料化の社会実験を6月にも中止すると発表。既に明らかにしている「平日上限2千円」見送り分とあわせて計3500億円を1次補正予算案の財源にする
▽トヨタ自動車は、震災で影響を受けた生産が震災前の水準に戻るのは11〜12月ごろとの見通しを発表。今年の世界生産は当初計画の年770万台を大きく割り、リーマン・ショック後の2009年(637万台)以来の低水準となるのが確実に
▽日本自動車工業会、自動車業界の夏場の電力不足対策として、土日の休みを平日2日間に振り替える方針を明らかにした。東京、東北両電力管内の事業所で、7〜9月にかけて実施する予定
▽菅内閣は、国の暫定基準を超える放射性物質が検出されたため、出荷停止を指示していた千葉県旭市、香取市、多古町産のホウレンソウなどについて指示を解除した。千葉県に出されていた出荷停止はすべてなくなった

4月23日
▽野田佳彦財務相、被災地視察で訪れた福島市で佐藤雄平福島県知事と会談し、仮設住宅の建設用地やがれきの置き場として、東北6県内で国有地225カ所(69万2千平方(メートル)=東京・上野動物園のほぼ5倍の広さに相当)を提供する考えを示す

4月25日
▽国土交通省、7万2千戸が必要とされる被災者向けの仮設住宅について、5万2千戸分で用地確保のめどがついたと発表。菅首相は26日の衆院予算委員会での答弁で「遅くともお盆には、希望者全員に入ってもらえるよう努力する」
▽菅政権、東京電力福島第一原子力発電所から半径20〓圏内の「警戒区域」の住民の一時帰宅について、5月の大型連休明けから始める考えを表明
▽自動車大手8社が発表した3月の国内生産台数は、ほぼ全社が前年同月比で5割以上減り、記録的な落ち込みとなった。東日本大震災で全社が生産を一時停止。再開後も部品不足で生産ペースは上がらず、海外でも生産が減っている

4月26日
▽東電、福島第一原発事故に伴う1世帯当たり100万円(単身世帯は75万円)の仮払い補償金について、銀行口座への振り込みを開始
▽福島第一原発事故で出荷停止や風評被害などを受けた福島県や茨城県などの農家や酪農家らが、東京都内の東電本社前でむしろ旗などを掲げて抗議

4月27日
▽東電、福島第一原発1号機の原子炉格納容器を水で満たす「水棺」の作業に着手。核燃料を100度未満の安定した状態にする「冷温停止」をめざす
▽天皇、皇后両陛下、宮城県を訪問。両陛下が東北の被災地を見舞うのは初めて。5月2日に岩手県、同11日に福島県を訪れる予定
▽福島県郡山市は、福島第一原発事故による放射性物質を取り除くことを目的に市立の15小中学校と13保育所で校庭の表土を削る作業を始めた。市は「保護者らの要望」を理由として独自に実施を決めた。除去した土は当面、飛散を防ぐ樹脂を吹き付けて校庭に置く
▽枝野幸男官房長官、栃木県産のホウレンソウなどについて出荷停止を解除すると発表
▽震災の影響で経営破綻に追い込まれた企業や事業者が50社に達したことが東京商工リサーチの調査でわかった。同社によると、1995年の阪神・淡路大震災の際には、発生2カ月時点での経営破綻は14社。今回はその3倍を超えるペースで、負債総額は約346億円にのぼるという

4月28日
▽東日本大震災の被害が特に大きかった岩手、宮城、福島の3県で、震災後に失業手当の受給手続きを事業所を通じて始めた人が計約7万人に上ることが各県の労働局の集計でわかった。受給者は今後さらに増える見込み
▽警察庁の集計(午後4時現在)で、震災による死者は12都道県で1万4575人、警察に届け出のあった行方不明者は6県で1万1324人に。18都道県の2550カ所で12万8555人が避難生活を送る

4月29日
▽東北新幹線、最後まで不通だった仙台−一ノ関が復旧し、東京−新青森の全線で運転再開

民主、市議選でも不振―統一地方選後半戦  24日

 第17回統一地方選の後半戦が投票され、一部を除き開票された。事実上の民主と自民の対決になった津、大分両市長選で勝利したが、市議選では自民の議席を大きく下回り、政権党としては不振だった。 前半戦敗北に続く不振で、民主党内では地方組織の代表を辞任する動きが相次ぐなど、菅直人首相への辞任圧力が強まっている。

 

30歳元都職員、夕張市長に―全国最年少  24日
 全国唯一の財政再生団体・北海道夕張市の市長選で、元東京都職員の鈴木直道氏(30)が初当選した。鈴木氏は財政破綻後の同市に、都からの派遣職員として約2年勤務した経験がある。熊谷俊人千葉市長(33)を抜き、全国最年少の市長となる。
  市長給料は全国最低レベルの月25万9千円。年収が約200万円下がることにも悩んだが、地元の若手市民らからの要請を受けて立候補を決意した。

 

シリア政府、市民に無差別発砲 緊迫化  25日
 父子2代で40年以上にわたり長期独裁体制を敷くシリアのアサド政権は、反政府デモの拠点となっている南部ダルアや首都ダマスカス近郊に数千人規模の軍戦車部隊や治安部隊を展開、市民に対して無差別に発砲した。同国の人権団体関係者は、3月に市民デモが始まって以来の死者は約400人に上るとしている。
  反体制派は当初、政治改革などを求めていたが、アサド大統領が4月21日に非常事態令を解除した後もデモは収まらず、要求は大統領の退陣へと変質しつつある。日本外務省は26日、さらなる情勢悪化の可能性もあるとして、いかなる目的の渡航も見合わせるようシリア全域に退避勧告を出した。

 

温室ガス削減の京都目標、09年度も達成  26日

 2009年度の日本の温室効果ガス排出量(確定値)が、京都議定書の基準年である1990年度の排出量を2年連続で下回ったことが環境省のまとめでわかった。
  京都議定書で日本は、約束期間(08〜12年度)の5年間の平均排出量を、90年度に比べ6%減らすよう義務づけられている。

 メモ=京都議定書 2008〜12年の間に約40の先進国・地域に温室効果ガスの排出量を減らすよう義務づけた国際的な取りきめ。1997年12月に京都で開いた国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で決めたため京都議定書と呼ばれている。世界1位の排出国である中国は削減義務がなく、2位の米国は議定書を批准していない。12年末で期限切れとなる京都議定書後の温暖化対策の枠組みについては、南アフリカ共和国で今年末に開かれるCOP17に先送りされた。

 

日本国債の格付け見通し引き下げ  27日

 米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、東日本大震災に見舞われた日本の財政が予想以上に悪化した場合、日本国債が格下げとなる可能性があるとして、長期的な格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」(弱含み)に引き下げた。

 メモ=格付け 国や会社などが借金をする場合に発行する証書(債券)の元本・利息がきちんと払えるかどうかの安全度や信用度を「AAA」「BB」などの簡単な記号で段階的に表すこと。

 

4月22日〜29日のニュース

24日△民主、市議選でも不振―北海道夕張市で全国最年少30歳市長誕生=統一地方選後半戦
25日△シリアのアサド政権、反政府デモ鎮圧で市民に無差別発砲
26日△温室ガス削減の京都目標、日本は2009年度も達成―環境省
    △チェルノブイリ原発事故から25年―ウクライナ各地で犠牲者追悼行事
    △旧ライブドア元社長・堀江貴文被告(38)の上告棄却―粉飾決算事件で最高裁第三小法廷=懲役2年6カ月の実刑確定・収監へ
    △ソニーのプレステ網に不正侵入―情報流出か、最大7700万人分
27日△日本国債の格付け見通し引き下げ―震災経費が影響=米格付け会社
28日△日本銀行、今年度の成長率見通しを前年度比プラス0.6%に引き下げ
    △タイ、カンボジア停戦合意―順守は流動的=国境未画定地域での衝突

 

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