3月25日〜4月1日ニュース
朝日中学生ウイークリー
この記事を印刷する
 

【東日本大震災ドキュメント】

 

3月25日
▽東京電力(東電)、今夏も深刻な供給力不足になる見通しを発表。ピーク需要は5500万キロワットを見込む一方、供給力は4650万キロワットといい、需要の2割弱の電力が不足する見通し
▽福島県災害対策本部、県内の全農家に田植えや種まきなどの農作業を当面延期するよう要請。福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故を受け、県内各地で土壌汚染の恐れがあるため
▽菅直人首相、福島第一原発について「予断を許す状況には至っていない」と述べ、危機的な状況はなお続くとの見通し示す
▽台湾は福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県でつくられたすべての食品の輸入を停止すると発表


3月26日
▽農林水産省と消費者庁はミネラルウオーターの需要急増を受け、容器入り飲料水の表示について、JAS法や食品衛生法で定めているより簡単な方法でも認めることを決定


3月27日
▽福島第一原発2号機タービン建屋地下にたまった水の表面から毎時1千ミリシーベルト以上の強い放射線量を計測。同原発でこれまで測定された線量では最大の値
▽乳児の飲み水に関する国の基準を上回る放射性ヨウ素が一時検出された東京都葛飾区の金町浄水場で採取した水の検査の結果、放射性ヨウ素は「不検出」に。千葉、茨城、栃木などの水道水に含まれる放射性ヨウ素の濃度も下がり、乳児への摂取制限を相次いで解除


3月28日
▽宮城県は、大震災で倒壊した家屋などのがれきの量が、県内で1500万〜1800万(ト ン)に上るとの推計を公表。1年間に排出される一般廃棄物の23年分に相当するという。「3年以内をめどに処理したい」と村井嘉浩知事。1995年の阪神淡路大震災の際には兵庫県内で1980万dのがれきが発生。処理に3年かかり、費用は2655億円に上った
▽国立がん研究センター(東京都中央区)、福島第一原発による人体への影響について「原子炉で作業をする人を除けば、現時点で健康被害はほとんど問題ない」との見解を発表。飲食物の基準も「十分すぎるほど安全といえるレベル」とし、冷静な対応を呼びかけた
▽東電、福島第一原発の敷地で採取した土壌の一部から微量のプルトニウムが検出されたと発表。「人体に問題になるものではない」と説明
▽選抜高校野球(甲子園)1回戦に大震災で大きな被害を受けた仙台市の東北高校が出場。大垣日大(岐阜)に0―7で敗れたが最後まであきらめない東北高ナインのプレーに大きな声援と拍手が送られた


3月29日
▽菅首相は参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首が福島第一原発の廃炉を求めたのに対し「一定の安定状況になった後に専門家の意見を聞いて決めるが、その可能性が高い」と述べた
▽松本龍防災担当相、大震災の被災地のがれき処理にかかる費用の全額を国が負担すると発表
▽大震災の被災地を支援するサッカーの日本代表とJリーグ選抜の慈善試合開催。試合の収益と会場での募金が義援金として被災地へ
▽農林水産省、大震災による津波で浸水被害を受けた田畑が青森から千葉にかけての太平洋岸6県で2万3600f(東京ディズニーランドのパーク面積の約463倍)に上るとの調査結果を発表
▽タイ政府、東電にガスタービン発電機2基を付属設備を含めて施設丸ごと無料で貸し出すと発表。1基で約450d。2基で計24万4千`ワットを供給する能力があり、船で運んで8月中の稼働を目指す


3月30日
▽東電の勝俣恒久会長が都内で会見。福島第一原発の事故や放射性物質放出による被害について「心から深くおわび申し上げます」と謝罪。同原発1〜4号機は「今の状況を見ると、おそらく廃止せざるを得ない」と言明した。また「原子炉が安定するには、かなり時間がかかる」とし、会社の存続が「大変厳しい状況」にあるとの現状認識も示した


3月31日
▽東電、福島第一原発1〜4号機の南側の海岸で30日採取した海水から、原子炉等規制法が定める基準の4385倍にあたる濃度の放射性ヨウ素131を検出したと発表
▽菅首相は記者会見で、原発の新増設を盛り込んだ政府のエネルギー基本計画の見直しを検討する意向を示した。去年6月に閣議決定した基本計画では、現在54基ある原発を2030年までに14基以上増やすと決定、うち2基は建設中
▽菅首相、サルコジ仏大統領と会談し、5月下旬にフランスで開催される主要国首脳会議(G8)で東電福島第一原発事故を主要議題とすることで一致した。同大統領は、放射能汚染区域で活動できるロボットの提供など全面協力する考えを伝えた


4月1日
▽警察庁の集計(午前10時現在)で、大震災による死者は12都道県で1万1578人、警察に届け出のあった行方不明者は6県で1万6451人に。17都県の約2千カ所で17万人以上が避難所生活を送っている

外国人看護師候補16人が国家試験合格 25日

 経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアとフィリピンから受け入れた看護師候補者のうち、16人が国家試験に合格した。厚生労働省が発表した。昨年の3人から増えた。日本人を含む全体では92%が合格したが、EPA関係の合格率は4%にすぎない。
 外国人には試験問題の日本語が難しいという指摘もある。今回から病名に英語を併記するなど工夫した。ただ、候補者を指導してきた病院側からは「病院の負担があまりにも大きい。受験機会を増やすなど、環境を改善してほしい」という声も上がっている。

 

茶髪・ピアスで21人不合格―東京都立蒲田高、07・08年度入試 25日

 東京都立蒲田高校(大田区)が2007、08年度の入試で、選考基準にない頭髪や服装の乱れなどを理由に受験生を不合格としていたと、都教育委員会が発表した。本来は合格していながら不合格になった生徒は21人いるという。
 都教委によると、同校が独自にチェックしていた項目は茶髪など頭髪の色、ピアスの着用や跡の有無、スカートの長さやズボンの腰の位置など。願書提出や面接控室、受験室内の様子を複数の教員が見て、抵触する受験生の一覧を作成していた。
 不正に不合格とされた受験生21人には事情を説明し、謝罪する。受験生が私立高に進学していた場合、授業料の差額を支払うなどの措置を検討するという。

 

水俣病未認定患者、過去最大規模の訴訟終結―大阪も和解 28日

 水俣病の未認定患者でつくる水俣病不知火患者会(熊本県水俣市)の会員で、近畿在住の306人が国などに損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で和解した。同会の会員約3千人が起こした3訴訟のうち、24日に東京地裁、25日に熊本地裁で和解が成立。未認定患者をめぐる過去最大規模の訴訟は終結した。

 

3月25日〜4月1日のニュース

25日△△イエメンで大規模な反政府デモ―サレハ大統領は即時辞任を否定
    △経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアとフィリピンから受け入れた看護師候補のうち16人が国家試験に合格―厚生労働省発表
    △茶髪・ピアスで21人不合格―東京都立蒲田高、07・08年度入試
27日△統一地方選で札幌、相模原、静岡、浜松、広島の政令5市長選告示
28日△気象庁、東京で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表
    △日本航空、会社更生手続き終了―2012年末までに再上場めざす
    △水俣病未認定患者をめぐる過去最大規模の訴訟終結―大阪も和解

29日△一般会計総額92兆4116億円の2011年度予算が成立―予算執行に不可欠な赤字国債を発行するための特例公債法案は成立の見通し立たず
30日△来年春から中学生教科書は「脱ゆとり」―ページ数9教科全体で24%増=検定結果公表・文部科学省=来週号「キラリんNEWS」で詳報
    △ミャンマーのテイン・セイン首相が大統領に就任―「民政移管」完了
31日△フランスのサルコジ大統領が来日、菅直人首相と首脳会談

01日△東京・上野動物園のジャイアントパンダ2頭、一般公開始まる

 

 
 
朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します
 
ページの先頭へ