3月11日〜18日ニュース
朝日中学生ウイークリー
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「冷静なのは日本人の国民性」―東日本大震災・海外メディアの反応

 

マナーは乱れず 驚きと称賛の声続々と

 

 東日本大震災の被災地で4月の統一地方選の延期を可能とする臨時特例法案が参議院本会議で可決、成立した。
 岩手、宮城、福島の3県を中心に、選挙実施が困難な被災自治体からの延期申請を総務大臣が受け付ける方式で、延長期間は自治体の被害程度に応じて2〜6カ月の幅で調整する。

 

【アメリカ】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「不屈の日本」というタイトルの社説を掲載した。
「日本は文字通り、立ち上がっている。いかにすれば、人間の計画と産業社会が、自然災害に対処できるかの証しとして」と力説し、地震への備えとして、耐震に配慮した高層ビルや緊急地震速報を紹介した。
ロサンゼルス・タイムズ紙は「非の打ち所のないマナーは大震災でもほとんど影響を受けていない」と報道。重い本棚が倒れて足を痛めたお年寄りが、迷惑をかけたと救急隊員に謝るようすを紹介した。
CNNは「日本では略奪も食料の奪い合いも起こらない。整然と行列をつくるのは、地域社会への責任を何より重んじる文化に根ざしている」と日本人の国民性を論じた。

 

【イギリス】
インディペンデント紙は、日の丸の上に日本語で「がんばれ、日本。がんばれ、東北。」と書いた大きなメッセージを掲載。「Don''t give up, Japan. Don''t give up, Tohoku.」と英語の見出しをつけた。

 

【パキスタン】
ネーション紙は社説で「最も備えが進んだ国でさえ、被害を払いのけることができなかった」と報道。「しかしながら第2次大戦後、文字通り灰から立ち上がった国は新たな奇跡をなしとげるだろう」と結んでいる。

 

【中国】
2008年に四川大地震に見舞われた中国では「日本の民衆の『落ち着き』が強い印象を与えている」(第一財経日報)、「日本人はなぜこんなに冷静なのか」(新京報)といった記事を相次いで掲載している。
四川大地震では一部で混乱も伝えられており、中国の国民も驚きをもって報道に注目しているようだ。
国際情報紙の環球時報はふだんは日本に厳しい論調が多いものの、「(東京では)数百人が広場に避難したが、男性は女性を助け、ゴミ一つ落ちていなかった」と紹介。中国中央テレビは、被災地に中国語の案内があることを指摘し、アナウンサーは「外国人にも配慮をする日本に、とても感動します」と語った。

 

【これまでも……】

  これまでも大きな災害に見舞われるたびに、被害の大きさと冷静な人々の対比が、日本人の国民性とからめて報道されてきた。
 1995年の阪神大震災では、ロシアのイズベスチヤ紙は「驚くのは地震で破壊された街で、ほとんど略奪が起きていないことだ」と報じた。また、フランスのリベラシオン紙は、多くの日本人が震災を「しょうがない」と受け止め、冷静でいることが外国人を驚かせていると紹介した。さらに、韓国の朝鮮日報は「集団への帰属意識が強く、『和の精神』を学んでいるから」などと、日本人論を展開した。

石原都知事、4選出馬表明 11日

 東京都の石原慎太郎知事(78)は都議会本会議で、4月10日に行われる都知事選に立候補する考えを表明した。
 石原知事はいったんは今期限りでの引退を決め、周囲に意向を伝えていたが、選挙の結果次第では、自身のこれまで進めた都政の路線が継承されない可能性があるなどとして4選出馬を決意した。

 

減税日本が第1党―名古屋市議選 13日

 名古屋市議会解散に伴う出直し市議選(定数75)があり、河村たかし市長が代表を務める地域政党「減税日本」(解散前1議席)が28議席で第1党に躍進した。
 最大会派だった民主党(同27)は11議席と大敗し第4党に転落。自民党(同23)は19議席で第2党を維持した。
 今回の選挙結果は、地域政党が躍進を狙う4月の統一地方選にも影響を与えそうだ。

 

元特捜検事、起訴内容認める―FD改ざん事件 14日

 大阪地検特捜部のフロッピーディスク(FD)のデータ改ざん事件で、証拠隠滅罪に問われた元特捜部主任検事の前田恒彦被告(43)の初公判が大阪地裁であり、前田元検事は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 17日の第2回公判で検察側は前田元検事に懲役2年を求刑した。

 

NY円、史上最高値更新1ドル=76円台に 16日

 ニューヨーク外国為替市場の円相場が、1995年4月につけた対ドルの史上最高値1ドル=79円75銭を突破し、約16年ぶりに最高値を更新。一時、1ドル=76円25銭まで上昇した。 
 福島第一原子力発電所の事故が深刻化し、ニューヨーク株式市場が急落した。東日本大震災の影響で、日本企業などが外貨建ての資産を円に替える動きを強めるとの見方から、この機会をとらえて利益を得ようと円買いも進んでいるとみられる。

 

大震災被災地は延期―4月の統一地方選 18日

 東日本大震災に見舞われた日本を、世界各国のメディアが注視している。
 戦後、国内で最大の犠牲者を出した自然災害にもかかわらず、冷静さを失わず秩序を守る日本人の姿に、各国の新聞やテレビは称賛の声を送っている。

 

3月11日〜18日のニュース

11日△東日本大震災が発生
    △石原慎太郎東京都知事、4選出馬表明―4月の都知事選
13日△地域政党「減税日本」が第1党―名古屋市出直し市議選
14日△元特捜部主任検事、起訴内容認める―大阪地検特捜部のフロッピーディスクのデータ改ざん事件の初公判・大阪地裁

16日△円相場、約16年ぶり最高値更新 一時1ドル=76円台に=ニューヨーク外国為替市場
    △上野動物園のパンダ、22日の公開を延期─節電と閉園措置で
17日△みずほ銀行の現金自動出入機(ATM)全国で一時停止
    △プロ野球開幕、セは予定通り25日、パは4月12日に延期
    △リビア上空飛行禁止空域決議採択―武力行使も容認=国連安保理
18日△震災被災地で統一地方選を延期する臨時特例法案が成立

 

 
 
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