2月11日〜17日ニュース
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グラミー賞 日本人4人受賞

 

音楽賞の最高峰が認めた作品聴いてみよう

 

 米国音楽界の最優秀作を決める第53回グラミー賞が13日発表され、人気ロックバンド「B''z」の松本孝弘さん(49)らの「テイク・ユア・ピック」が最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞に輝いたほか、ピアニストの内田光子さん(62)が最優秀器楽ソリスト演奏賞を受賞。また、ジャズピアニストの上原ひろみさん(31)が「最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞」に、琴の演奏家の松山夕貴子さんが「最優秀ニューエイジ・アルバム賞」に選ばれ、日本人が一度に4人受賞するという快挙となった。

 ソロで活動する日本人アーティストが複数受賞するのはグラミー賞史上初めて。これまでに坂本龍一さん(1989年、最優秀映画音楽アルバム賞)やシンセサイザー奏者の喜多郎さん(2001年、最優秀ニューエージ・アルバム賞)らが選ばれており、日本人の受賞者は計8人になった。
 グラミー賞は、全米レコーディング芸術科学アカデミーという団体に登録したミュージシャンらが1958年に創設。世界の音楽賞の中で最も権威があるとされ、5千人近いとされる会員が部門ごとに、1年間のすぐれた作品やアーティストを選んで表彰する。「グラミー」の名はグラモフォン(蓄音機=Gramophone)に由来していて、受賞者にはその形をしたトロフィーが贈られる。
 ロックやジャズ、カントリーなど109の部門に分かれ、その中で最も格が高いのが、全ジャンルにまたがった「最優秀アルバム」「最優秀レコード」「最優秀楽曲」「最優秀新人」の主要4部門。これまでに、ビートルズが「ミッシェル」で最優秀楽曲賞を、09年6月に死亡したマイケル・ジャクソンも「スリラー」で最優秀アルバム賞を受賞している。

 松本さんは大阪府豊中市出身。88年にアルバム「Thousand Wave」でソロデビューし、ボーカルの稲葉浩志さんと「B''z」を結成。93年に発売したシングル「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」は、歴代22位の200万以上を売り上げた(10年12月20日現在)。みんなのお父さんやお母さんも若い頃、「B''z」の曲に熱狂したかもしれないね。
 内田さんは静岡県熱海市出身。イギリスを拠点に演奏するピアニストで、「モーツアルト弾き」として名高い。十代でヨーロッパに渡り、60年代を中心に数々の国際ピアノ・コンクールに入賞。72年からロンドンに拠点を移し、各国の有名な音楽祭などで精力的に演奏活動を行っている。
 今回の受賞を喜んでいるのは、本人やファンだけではない。
 「ニュースなどで知ってやって来るお客さんで、グラミー賞の作品は順調に売れています」(タワーレコード広報部)。CD店もホクホク顔だ。

9人死傷飲酒事故、同乗者に実刑―さいたま地裁 14日

 飲酒運転を許さない機運の高まりを受けた厳しい判決が出た。埼玉県熊谷市で2008年2月に飲酒運転の乗用車が対向車と衝突して9人が死傷した事故で、事故を起こした車に同乗していた2人が危険運転致死傷の幇助(手を貸すこと)の罪に問われた裁判員裁判の判決がさいたま地裁であり、2人に懲役2年の実刑判決が言い渡された。弁護側は控訴する方針だ。
 裁判員裁判で飲酒運転の同乗者が同幇助罪に問われたのは初めて。2人は運転者が泥酔状態でまともな運転ができないと知りながら黙認したと認定された。運転者は危険運転致死傷罪で懲役16年が確定している。

 

小沢元代表の党員資格停止―民主党幹事会 15日

 民主党は常任幹事会で、強制起訴された小沢一郎元代表の党員資格を判決確定まで停止する方針を決めた。裁判が長引けば、事実上の「無期限停止」となり、小沢氏の影響力低下は必至。一方、同氏に近い衆院議員16人が衆院会派からの離脱届を提出するなど、民主党は事実上の分裂状態に陥った。

 

ベルルスコーニ首相を少女買春などで起訴―イタリア 15日

 イタリアのベルルスコーニ首相(74)が少女を買春したなどとして、未成年者買春罪と職権乱用罪でミラノ地裁に起訴された。同首相は、民間告発サイト「ウィキリークス」が昨年公開した米国の外交公電で「軽率でうぬぼれが強く無能」と暴露され、話題になった。主要国首脳会議(G8)メンバー国の首脳の乱れた私生活が法廷で赤裸々に明らかにされるのは前代未聞の事態だ。
 同首相は昨年2〜5月、ミラノ郊外の自宅や別荘でモロッコ人少女(当時17歳)を買春したとされる。また少女が盗みの疑いで逮捕された際、警察幹部に電話で「少女はエジプトのムバラク大統領の親類なので、早く釈放するように」と働きかけたとされる。

 

若田飛行士、ISSの「船長」に 17日

 若田光一宇宙飛行士(47)が2013年末から約半年間、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、最後の2カ月間は日本人で初めて「船長」を務めることが決まった。若田さんは17日、米ヒューストンと宇宙航空研究開発機構(JAXA)東京事務所をテレビ会議でつないで会見=写真。「日本人の和の心を大切にして、チームをとりまとめていきたい」と意気込みを語った。
 若田さんが宇宙に行くのは4度目。13年末からの任務では、最初の約4カ月、フライトエンジニアとしてISSやきぼうの運用、科学実験などを行い、残りの2カ月は船長として、搭乗員全員の安全確保や任務を確実に達成することを目指す。

 

2月11日〜17日のニュース

11日△エジプトのムバラク大統領が辞任、軍が権限掌握
    △日ロ外相会談、北方領土問題は平行線―経済協力では一致
13日△米グラミー賞にB''zの松本孝弘さんら日本人4人受賞
14日△9人死傷飲酒事故、同乗者に実刑―裁判員裁判・さいたま地裁
    △1968年に日本初の心臓移植手術、札幌医大の和田寿郎元教授死去

15日△小沢一郎元代表を裁判で判決が確定するまで「党員資格停止」に―政治資金規正法違反罪で強制起訴受け=民主党常任幹事会
    △イタリアのベルルスコーニ首相を少女買春などで起訴
16日△日印、経済連携協定(EPA)に署名―年内発効目指す
17日△若田光一さん、国際宇宙ステーション(ISS)船長に―2013年末から長期滞在=宇宙航空研究開発機構発表
△リビアやバーレーンでも反体制デモ拡大―死傷者多数の情報

 

 
 
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