わたしと朝小

朝日中学生ウイークリー

 

ニュースが身近に、興味広がる

 

小2から毎日読んでいた
華恵さん エッセイスト

 

 エッセイストでタレントの華恵さんは小学生のころ、朝日小学生新聞(朝小)を読んでいました。朝小で話題のニュースをチェックしていくうちに、世の中に興味がふくらみ、考えるはばが広がったといいます。

 

 

朝日小学生新聞を手に思い出を語る華恵さん=東京都中央区の朝日学生新聞社で(撮影 渡辺 英明)

 

新聞通じだれかとつながる新鮮さ

 

 ――朝小の印象はどうでしたか。


 小学2年生くらいのころ、「読んでみたら」と母親にすすめられ、卒業するまで読みました。ニュースがカラフルでわかりやすくまとめてあり、毎日必ず開いていました。新聞を読んでいる自分にひたって、ちょっと大人に近づいた気がしました。


 ――どのように朝小とかかわっていましたか?


 朝の五分間、ざっと目を通していました。学校に行く準備にいそがしい時間だから、逆に集中して読めた気がします。
「ニュースあれこれ」を必ずおさえ、今日のニュースをチェック。ページをめくって見出しなどからおもしろそうな記事を見つけ、放課後に読んでいました。


 ――そのころ読んで気になった記事は?


 当時はイラクのフセイン元大統領のニュースがよくテレビに流れていました。朝小の特集には元大統領の生年月日まで書いてあり、「誕生日が自分と同じだ」ってびっくり。急にニュースが身近に感じられ、興味が広がりました。
同じような角度で伝えるテレビ報道に比べ、朝小など新聞には「はっ」とさせられることが多い。しっかりニュースを受け止め、考えるきっかけになると思います。


 ――お気に入りのコーナーはありましたか?


 「いじめ投書箱」などの投書欄や小学生の取り組みを紹介した記事。書いたお便りに知らない小学生が返事をしたり、すごい小学生が登場したり。「新聞を通して知らないだれかとつながれるんだ」と新鮮に感じました。
お母さん向けの記事も好きで、「ははん、親はこんな見方をするのか」と自分もお母さんになったつもりで読んでいました。


 ――「本のコーナー」はどうでしたか?


 読んだことのある本が紹介されていると、どんな書評になるのか注目していました。自分が感じたこととちがうと「わたしはちがう」と思う一方で、「そんな感じ方もあるのか」と、視野が広がりました。
読みたい本は図書館や本屋に行って自分で探すのが楽しい。ハッピーエンドで終わる話より、親子の対立やいじめなど、主人公の心に複雑な感情が生まれ、最後に希望の光を感じさせる話が好きでした。


 ――いまは新聞とどのように接していますか?


 大学の授業の前や休み時間などに、図書館で新聞を読んでいます。ざっとめくっていくと、やっぱり本や美術、文学など芸術の話題に目がいきます。記事に紹介された展覧会に行くこともあります。

 

本読むように 楽しくふれて

 

 ――小学生のころといまをつなぐものは?


 授業では手をあげてどんどん質問し、休み時間は校庭に飛び出してドッジボールをする活発な子。家では本を読んだりピアノを弾いたりして、一人で過ごしていました。
あのころの夢は「表現者」。それはいまも変わりません。これからも本の執筆や話し言葉をみがくなど、さまざまな形で自分を表現していけたらと考えています。


――朝小の読者にメッセージをお願いします。


 読みたい本を読むように、新聞も気になる記事を見つけて読めばいい。読んで知ったことをだれかに話すと知識が固まり、興味が広がります。楽しみながら新聞や本とふれあい、自分の世界を広げていってくださいね。


 1991年4月28日、アメリカ生まれ。6歳から日本に住んでいます。「まわりとのちがいが目につき、うまく友だちがつくれない時期がありましたが、いつも助けてくれたのが本でした」。10歳からファッション誌でモデルとして活動する一方、2002年に全国小・中学校作文コンクール文部科学大臣賞を受賞。いまは東京芸術大学音楽学部楽理科で音楽を研究。『小学生日記』(プレヴィジョン)などの著書があります。


2011年5月1日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
ページの先頭へ