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強い阪神が経済を元気にする?

奥寺 淳記者(朝日新聞 経済部)

奥寺記者

 オー、オー、オーオー、阪神タイガース、フレー、フレフレフレー♪

ジャン

 ごきげんね。

奥寺記者

 「六甲おろし」ゆうて、阪神タイガースの応援歌なんや。

ケン

 ことしはまるでお祭りさわぎだね。パパの話では、阪神が日本の経済を元気にしてるって。

奥寺記者

 そうやね、いろんな会社が強い阪神にあやかった商品を出しとる。ファンもたくさんお金を使うから、阪神が優勝すればもっと世の中に活気が出るかも。

ポン

 でも、なんで?

ファンがもりあがってお金がたくさん使う

 ジャン 阪神が強いと、どうして経済が元気になるの。

7回の阪神の攻撃前に、ジェット風船をとばしてもりあがるファン=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で

 ――甲子園球場にプロ野球を見に行くことを想像してごらん。そのときにどれだけお金を使うか。
 まずは、電車に乗る。大阪の梅田駅からだと運賃は大人がひとり260円、小学生だと130円かかる。それに球場に入るには入場券も買わなあかん。阪神対巨人戦のアルプス席だと、大人も子どももひとり2500円や。家族4人で行けば、1万円以上はお金を使う。

 ポン 焼きそばも食べたいなあ。

 ――そうやね。きっと大人はビールも飲むし、ジュースを買う子もたくさんおる。それに7回のラッキーセブンには、赤や青のジェット風船が夜空にまう。あの風船は1パック200円なんやけど、球場に入った5万人のお客がみんな買えばそれだけで1千万円ものお金が使われることになるわけや。

 ケン お金をたくさん使うといいの?

 ――いい質問や。物が売れたり、レストランにお客がいっぱいになったりして世の中にお金がたくさん出まわることが経済を元気にするもとになる。こうした経済の動きを「景気」というんやけど、景気はみんなが物をたくさん買ったりするとよくなるんや。

阪神ファンでにぎわう応援グッズ売り場=東京都新宿区の京王百貨店で

 ポン ふーん。

 ――ことしは阪神が18年ぶりに優勝するかもしれないと思って、ファンがおおぜい球場に行ってる。強いチームを見るのは、気分がいいからね。観客がふえた分、電車にもたくさん人が乗るし、物も売れる。毎日のように阪神のマークが入った新商品が発売されているしね。デパートでは、応援メガホンなどの阪神グッズの売り上げが、去年の2倍にもなっているんや。

 ジャン でも、阪神は関西の球団でしょ。ほかの地域にもいい影響があるの?

 ――もちろん、関西での影響が一番大きい。でも、阪神ファンは全国にたくさんおるから、甲子園以外の球場でもことしの阪神戦はいつも満員。東京のデパートなどにも応援メガホンなどを売っている。UFJ総合研究所というところが計算したんやけど、阪神がセ・リーグで優勝すれば、全国で4千億円以上も経済にいい影響があるんやって。多くのお金が世の中に出回るという意味で、「経済効果」っていうんや。

 ジャン すごーい!

 ――日本一になったら、もっと経済効果があるやろな。デパートが優勝セールをすれば、服や食品がたくさん売れる。気をよくした阪神ファンが仲間たちとお酒を飲む機会もふえるから、飲食店ももうかる。

 ポン でも、もうかるのは一部の人だけじゃないの?

 ――阪神のおかげでもうけた会社の社員が、べつの会社の物を買ったり、旅行に行ったりしてお金を使うやろ。このようにお金が世の中をぐるぐる回ることで、日本経済も元気になるといわれているんや。

(03年8月9日)


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