●中南米 ハイチ チリで大地震相次ぐ

堀内 隆記者
(朝日新聞 ロサンゼルス支局)

 ジャン 大きな地震のニュースがたくさん流れてるね。
 堀内記者 そう。1月12日にアメリカの近くにあるハイチという国でマグニチュード(M)7・0の地震が起きて、20万人以上が死んだといわれている。2月27日には南アメリカのチリで、M8・8というもっと大きな地震があって、数百人が死んだんだ。

 

ハイチ、国が貧しく復旧が困難

政治が不安定で失業者が多い
食料を必要とする人が200万人
チリは倒壊よりも津波の被害
 

 ポン 小さい地震の方が、死んだ人が多いの?


 ――人がたくさん住んでいる大きな都市で起きたか、建物がこわれにくいようにしっかりつくられているかどうかなど、いろんな場合があるからね。ハイチの地震は、首都のポルトープランスという、二百万人以上の人が住んでいる大都市のすぐ近くでおきた。それに、建物の柱や壁が弱くて、すぐに壊れちゃったから、逃げられなくて死んじゃった人が多かった。
チリは、日本と同じで、大きな地震が何回も起きている国なんだ。「建物は地震がきても大丈夫なようにつくりなさい」という決まりがある。だから、地震のゆれでこわれた建物は少なかったけど、地震で「津波」がおきた。海に近い町ではその波にのみこまれて、死んだ人がたくさんいたようだ。


 ケン ハイチも強い家をつくればよかったのに。


 ――本当にそうだ。でも強い家をつくるにはお金がかかる。ハイチには、ご飯を食べるお金も足りない、という人が多く、なかなか家にお金をかけられない。


 ポン どうしてそうなっちゃったの?


 ――テレビや新聞で見たと思うけど、ハイチの人はみんな、肌が黒い色をしているね。昔、アフリカから連れてこられて働かされていた人たちが、「自分たちの国をつくろう」と立ち上がってできた国なんだ。それが二百年くらい前。でも、大統領にだれがなるかで、みんなけんかばかりしていた。ハイチに住む人たちが仕事をしてお金をかせぐ場所をたくさんつくらないといけなかったのに、政府の中には、国のお金をそういうことに使わないで、自分たちのポケットに入れちゃった人もたくさんいた。だから今でも、国民の半分以上が仕事がない。パパやママが仕事をしてお金をかせがなかったら、みんなもご飯が食べられないよね。


 ケン そんなの、やだな。


 ――ハイチにはそんな人がたくさんいるんだ。お金がない国だから、地震でこわれた家を片づける道具も少ししかない。もうすぐ地震が起きてから二か月がたつけど、こわれた家のほとんどはそのままだし、住むところがなくて公園で寝ている人もたくさんいるんだ。家を失った人は百万人、食料の支援を必要としている人は二百万人といわれている。四月になると、ハイチではたくさんの雨が降るし、日本の台風のようなハリケーンも来る。早く、ちゃんとした家をつくってあげないといけないね。
ほかの国が、国連の平和維持活動(PKO)などで人を派遣したり、お金をあげたりして、ハイチを助けている。日本はお医者さんを送ってけがや病気をした人の手当てをしたり、PKOで派遣された自衛隊の人たちが壊れた家を片づける手伝いもしている。雨をよけられるシートをたくさん持って行った国もあるよ。


 ポン じゃあ、安心だね。


 ――そんなことはないよ。家をなくした人がたくさんいすぎて、シートや食べ物をもらえていない人もまだまだたくさんいる。それに、お金やものをずっとあげ続けることはできない。ハイチにもっと仕事ができて、お金をかせげる人が増えるような仕組みも考えないといけないね。

 

 

(2010年3月6日)

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