世界の街からこんにちは!

朝日中学生ウイークリー

 

第14回 アメリカ合衆国

 

 

 国の経済の規模をしめす国内総生産(GDP)が世界一のアメリカ。北東部にあるニューヨークは、世界経済の中心地です。大企業や国際連合本部などの多くの高層ビルが立ち並びます。郊外の自然豊かな場所にあるニューヨーク日本人学校を紹介します。

 

 

全員が登下校に利用しているスクールバス

 

修学旅行でワシントンのホワイトハウスを訪れた8年生(どれもニューヨーク日本人学校提供)

 

 

3年かけてアメリカ独立の歴史学ぶ

 

佐々木文平君・9年
 グリニッチ・ジャパニーズ・スクール(GJS)というのが、私が9年間通っている学校の通称です。正式には、ニューヨーク日本人学校といいます。校舎は、歴史的建造物として大切に保存されています。学校に隣接するチャペルは、昨年、100周年を迎えた趣のある建物です。
 1年生から6年生までの初等部(日本の小学校)、7年生から9年生までの中等部(中学校)全員が同じ校舎で学びます。みんなとても仲が良いです。休み時間に初等部と中等部が一緒にサッカーやドッジボールをしたり,運動会では異学年で交流種目が行われたりします。
 修学旅行などで6年生がボストン、7年生がフィラデルフィア、8年生がワシントンD.C.に行き、3年間かけてアメリカ独立の歴史を学べるようになっているのは、この学校ならではだと思います。
 8年生の時にはアーリントン国立墓地(バージニア州にある軍人らが埋葬されている墓地)の献花式に参加しました。アメリカ人の愛国心の深さと、国のために亡くなった人に献花することの重みを感じました。
 学校間交流では、現地校に通う生徒とパートナーとなり、お互いの学校を訪問します。日本の文化に興味をもってもらい、自分たちもアメリカを知る良い機会です。英語の力も試せます。
 学校は日本を身近に感じられる貴重な場所です。学校生活で、英語でのコミュニケーション能力、日本語の力の両方を身に付けました。将来は、アメリカと日本をつなぐ役割を担っていきたいです。

 

アーリントン国立墓地での献花式に参加した8年生

 

 

優しさいっぱい 強い愛国心に驚き



頃安彩夏さん・9年
 私はニューヨークに3年住んでいます。ニューヨークはよく「人種のるつぼ」と表現されます。街に出るとさまざまな人種の人たちに出会います。みんな目があったり、すれ違ったりする時には必ず笑顔で「Hi」「Hello」などと気軽にあいさつをしてくれます。
 人種や文化の違いを受け入れて、その違いから新しい物を作ろうとするアメリカの考え方がとても好きです。
 アメリカの人たちは、どんな人に対しても平等で優しい気持ちがあると思います。健常者は、ハンディキャップ用のパーキングには絶対車を止めないし、車いすに乗っている人がいるとたくさんの人が「手助けはいりますか」と聞いています。人と人が気持ちを寄り添わせて生活していると感じます。
 驚いたことに「アメリカ人の愛国心」があります。あちこちで見かける星条旗。球場やセレモニーで耳にする国歌。自国を敬い、愛しているのだと伝わってきます。日本ではあまりない光景なので最初はとまどいましたが、アメリカも日本も好きになりたいと思えるきっかけになりました。
 ニューヨークで一番好きな場所は、マンハッタンです。特に「Lower Manhattan」(マンハッタンの南)。移民が根を下ろした土地であり、今は世界の経済の中心として発展している所だからです。自由の女神を見ていると、過去のアメリカと今のアメリカの両方の雰囲気を感じることができます。
 これからもさまざまな文化や習慣について学び、豊かな感性を身に付けていきたいと思います。

 

 

ニューヨーク日本人学校

 

児童・生徒数 149人(初等部113人 中等部36人)
服装 私服
時間 午前8時15分登校、午後3時45分下校
通学 スクールバス
昼食 弁当

 

 

人口 3億875万人(2010年4月アメリカ国勢局)
面積 962万8千平方(キ ロ)メートル(日本の約25倍)
首都 ワシントンD.C.言語 英語
通貨 米ドル

7月10日付

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