朝日小学生新聞
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署名活動で世界を動かす 「高校生平和大使」ノーベル平和賞候補に


 核兵器を世界からなくし、平和な世界をつくろうと1998年からうったえてきた「高校生平和大使」が2018年のノーベル平和賞の正式候補に入りました。高校生平和大使は「高校生一万人署名活動」で仲間と集めた署名を、毎年8月にスイスにある国連のヨーロッパ本部に届けています。長崎市で開いた朝小の「こども編集部」で署名活動を取材しました。


「高校生一万人署名活動」をする高校生たち

「高校生一万人署名活動」をする高校生たち

「高校生一万人署名活動」をする高校生たちを、こども記者が取材しました
こども記者も高校生と「ご協力をお願いします」と呼びかけたり、署名したりしました=どれも2018年7月22日、長崎市


核兵器廃絶の願い 毎年国連へ

「核兵器廃絶のための署名活動に、ご協力をよろしくお願いします」。7月22日午後、長崎駅前で20人ほどが署名を呼びかけていました。毎週のようにこの場所で活動しているので、多くの人が足を止め、署名しました。
 こども記者は堂々とした高校生を見て、「すごいな」「大変だけど楽しそうだな」。活動について質問し、理解を深めました。
 暑い日や雨の日でも、署名してくれる人から「あなたたちが私たちの希望の光だから、がんばってね」といった言葉をかけられ、背中を押されるといいます。
 逆に「こんなことして意味があるのか」などと、きつい言葉をぶつけられることもあるそうです。高校生たちは「賛成する人も、反対する人もいます。でも、私たちは意味を見いだして活動しています。折れたら何も始まりません。意見として受け止め、メンバー同士で支え合っています」と笑顔で教えてくれました。
 署名活動は各地で行われ、去年8月までの1年間では21万4千筆以上の署名が集まりました。「核兵器を世界からなくし、平和を実現したい」という願いのあかしとして、毎年8月に高校生平和大使が代表して、スイスにある国連のヨーロッパ本部に届けます。

高校生たちが自発的に開始 1年間で21万4千筆集める

 高校生平和大使は、原爆が落とされた広島と長崎の声を若者から世界へ伝えてもらおうと、1998年に長崎の市民団体が選んだのが始まりです。その後、残念ながら選ばれなかった高校生たちが「自分たちも活動したい」と、いっしょに署名の呼びかけを始めました。だから、第20代大使の溝上大喜さん(長崎県立長崎北陽台高3年)は「高校生一万人署名は、高校生から始まった活動なんですよ」と胸をはります。
 今年、スイスを訪れる第21代大使は20人。長崎からは、おばあさんが被爆した山西咲和さん(県立諫早高2年)と、ひいおばあさんが被爆した徳永雛子さん(県立長崎西高2年)が選ばれています。被爆者の体験や思いを世界に伝えることも、大使の大事な役割です。
 2人は小学生の力にも期待しています。「私たちやみなさんのような若い人が、核兵器をなくすためにはどうしたらいいんだろう、自分にとって平和って何だろうって考えていくことが、えらい人たちを動かす力になっていくと思います。知ったことを身近な人から、伝えていってほしいな」

話し合い


【核兵器】
 原子爆弾(原爆)や水素爆弾(水爆)など、核反応のエネルギーですさまじい破壊力を出す兵器です。ストックホルム国際平和研究所によると、今年1月時点で世界9か国(アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)が計1万4465発の核弾頭を持ちます。
 去年7月に国連で、核兵器の使用や保有などを禁止する核兵器禁止条約が、122か国の賛成で採択されました。この条約の実現に力をつくした国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が12月にノーベル平和賞を受賞しました。

集合写真



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