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2020年6月19日付
駅や街中などに置かれている公衆電話。見かけたことはあっても使ったことがない人もいるでしょう。いつもは使わなくても、緊急時や災害時などに役立つ通信手段になります。もしもの時のために、使い方を確認しておきましょう。(佐藤美咲)
だれでも使うことができる公衆電話は、1984年度末に全国に約93万5千台ありました。しかし、2018年度末には約15万5千台まで減っています。携帯電話やスマートフォンなどを使う人が増えたためです。
それでも公衆電話がなくならないのは、生活する上での安全と最低限の通信手段を確保するためです。特に災害時には強い通信手段になります。電話回線を通じて電力をもらうため、停電の影響を受けにくいことも強みです。
11年の東日本大震災発生直後に携帯電話がつながりにくくなったときには、多くの人が公衆電話に列を作りました。通信回数は前日に比べて約10倍を記録したといいます。
このときは、初めて公衆電話が無料になりました。以来、大きな混乱が発生し、必要と判断された場合は、無料で利用できるようになります。18年の北海道胆振東部地震や、19年の台風15号で停電になった千葉県全域でも無料になりました。
避難所に「特設公衆電話」の設置をすすめている自治体も多くあります。20年3月末時点では8万2490台までに増えています。
公衆電話で電話をかける場合は、まず受話器をあげます。10円玉か100円玉の硬貨、またはテレホンカードを入れて、電話番号をおすと発信できます。
NTT東日本の担当者によると、子どもたちが公衆電話を使うとき、「受話器をあげてからお金を入れるという順番がわかっていなかったり、電話番号をおすときにボタンを強くおすことができなかったりすることが多い」といいます。
消防・救急(119)や警察(110)、海の事故(118)にかける必要があるときはお金はかかりません。ただし、公衆電話にはデジタル式とアナログ式があり、デジタル式はそのままダイヤルすればかけられますが、アナログ式の多くは赤い緊急通報ボタンをおしてから番号をおしましょう。
緊急時と災害時に無料になったときの使い方はそれぞれ異なります=イラストを見てね。
日ごろから家や学校の近く、よく行くところの公衆電話の場所を確認しておくことも大切です。困ったことが起きたとき、役立つかもしれません。
いざというとき、どの電話番号にかけるかおうちの人と決めておきましょう。NTT東日本の担当者は、「おうちの電話番号、家族の携帯番号を事前に覚えることや、緊急時連絡先カードを作り、いつも持っておくこと」をすすめます。
NTT東日本のキッズページ(www.ntt-east.co.jp/ptd/kousyukids/)で公衆電話の使い方が学べます
記事の一部は朝日新聞社の提供です。