楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

住む街ネタに手書き新聞

 

 

 

 岐阜県山県市大桑小4年の藤田さんは、住んでいる地域の歴史や、スポーツの話題などを記事にまとめ、手書きの新聞を作りました。とくにがんばったのが、記事のもとになるネタ探しです。新聞作りを通じて、将来の夢として、新聞記者を考えるようになったといいます。


 

 

岐阜県のフードセンターにできた古紙回収ステーションを紹介した紙面

 

 

 

地名や歴史、ニュース取材

 

 新聞の名前は「大桑新聞」。「住んでいる地域である大桑のことをみなさんに知ってほしくて、この名前にした」といいます。内容は、大桑の地名の由来やかつてこの地域で起こった地震の話、最近の話題などが盛りこまれています。去年の夏休みの自由研究で作り、第17号まであります。
 

 最初に、本物の新聞を研究し、新聞を作る上で大切なことを勉強しました。地元の岐阜新聞を数日間読みこんで、「見出しは短く、読者が読みたくなるように心がける」「5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)を守る」ことなどを学びました。
 第2号には、藤田さんの通う大桑小の歴史が書かれています。学校の資料などから、1891年に岐阜・愛知両県で起きた濃尾地震で校舎が全壊したこと、児童数の変化などを調べました。記事によると、児童数が最も多かったのは1945年の454人。現在は、約60人です。「来年度からは複式学級(2つ以上の学年を1つにした学級)になるかもしれない」とつづりました。

 校長の高橋博先生のインタビュー記事もあります。「生まれ変わるとしたら『イヌ、人間ならお坊さん』と話す」などユニークな内容にまとめました。「とてもおもしろい答えが返ってくるのが、うれしかったです」
 新聞作りで、とくに気をつけたのが、記事の元になるネタがなくならないようにすることでした。「近所でお祭りなどのイベントがあれば、すぐに行って人の話を聞くようにしました」
 テレビで見て気になった岐阜県瑞穂市のフードセンターにできた古紙回収ステーションについては、現地に足を運んで取材。古紙をクーポン券と交換できることを紹介し、「ポイントがつくので、リサイクルする人が増えると思う」と書きました。関連記事で、新聞を使ってエコバッグをつくる方法も掲載しました。
 

 現在、大桑新聞は休刊中ですが、藤田さんは今後も新聞作りを続けていきたいといいます。「新聞を作るうちに、新聞記者の仕事に興味を持ち始めました。伝えたいことを読者に伝えられる、やりがいがある仕事だと思います」

 

2012年1月10日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
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